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『外資系コンサルの知的生産術』山口周

先ずはこちらの序文から抜粋してきた2つを確実に押さえておきたいですね。知的生産、いわゆるインプットとされる行為は何を目的に、どういった心構えでスタートするか。

その基点及び土台を確固たるものにした上で構築、進行していけばきちっとしたものが立ち上がってくると思います。

知的生産性というのは「思考の技術」そのものよりも、「情報をどう集めるか」とか「集めた情報をどう処理するか」といった「行動の技術」、いわゆる「心得」によってこそ大きく左右されます。
どんなにピカピカの学歴を持った頭脳優秀な人材でも、「動き方」を知らないとまったく知的成果を生み出すことができない、ということです。こういった人たちに対して何より必要なのは、「思考技術」のトレーニングではなく、具体的に手や足をどう動かすか? という「行動技術」、つまりは「心得」のトレーニングなんですね。

知識や情報は大切ですが、例えばランナーであればどうパフォーマンスを向上するか、怪我などを予防できるか、知識や情報を実際に使いこなす必要がありますよね。

インプットするだけでなく、一般化された情報は個別にカスタマイズし、適宜使用する必要があるし、実際に思うように自分の身体を動かす為のツールだと捉える必要があります。

講演会や教室、読書などで得たものを練習会やレッスン等で実際にどう落とし込むか。セットで取り組む必要があります。


noteにおいてこうして「創作」の場に触れている感触として、また多くの方々にとって「身体性」というキーワードがもっと伝えていければと思っています。

インプット/アウトプットにとって「自分という身体」フィルターを通す意味は必ずあると思います。

神屋がアスリートとしての経験、指導者としての経験を通して考えても身体性を無視した計画や理論、戦略は無理筋だと思います。

身体は一朝一夕では大きく成長しません。悪い方向に進むのは一瞬ですが、一気に成長することはありません。ランナーであれば飛躍的にタイムが伸びる経験をすることはありますが、あくまでベースに心身やスキルなどが向上していく中でタイムが「追い付いてきた」と考えられます。

魔法のようには急成長はしない。

頭だけで、思考だけでいくとその身体性を忘れちゃうこともあるので要注意ですよね。それは事業においても同じだと思いますし、他のクリエイトなことにおいても共通すると思います。

そうして最初の大事な部分を押さえておけばあとは手段の部分になるので、そこはどんどん引き出しを増やしていく為にも、スキルを伸ばす為にでも大いに学び、取り入れていくのは良いですよね。

人を動かすためには「ロゴス」「エトス」「パトス」の三つが必要だというアリストテレスのこの指摘については、特に過剰に論理的思考の効用が喧伝されている現代の日本において、噛み締めるべき含蓄があるように思います。

ここでも身体性をイメージする言葉が出てきます。ただの言葉=論理だけだと人は付いて来ない部分はあると思います。身体からかけ離れていては具体的にどう付いていくかイメージも出来ません。

「考える」というのは、集めた情報から、示唆や洞察をメッセージとして生み出す、ということです。したがって、一時間以上にわたって、他者に伝えたい「メッセージ」が出てこないとき、それはすでに「考えている」のではなく「悩んでいる」状況に陥っている可能性が高いと思っていいでしょう。

これは重要ですね。思考する際に心身が動いていくのが「考えている」、停滞しているのが「悩んでいる」感じ。ぐるぐる回ってるのも動いてるようで、実際は動いていないですよね。

いい知的アウトプットが出ないというのは、間違いなく「量あるいは質の面で、正しいインプットができていない」からです。アウトプットが出ないときこそ、インプットに再度目を向けて

ランニングにおいても良い結果:パフォーマンスや故障など:が出なかった際は落ち込んだり悩んだりするより、ベースとなる心身のコンディションや能力、トレーニング状況などの要素を確認したいですね。

結果に向かう計算式の入力値が必要な値に達してないから結果が出てこない訳で。もしくは求める結果が入力値からかけ離れているのなら、求める結果を見直すことも必要です。

絶対に結果を出したいなら入力値→インプットを見直してみましょう。自分では難しいからこそコーチのような第三者のサポートを受けて見直すことも有効だと思います。

全てのアイデアは、異なる二つの要素の組み合わせによって生まれると仮定した場合、10個の知識を持っている人と100個の知識を持っている人では、組み合わせによって得られるアイデアの数はそれぞれ45個と4950個となります。つまり、知識の量が十倍になると、その知識の組み合わせによって生み出せるアイデアの数は百倍以上になるのです。もしこの前提を、三つの知識の組み合わせによってアイデアが生まれる、とすれば、生み出せるアイデアの数はそれぞれ120と16万1700となり、その差はさらに千倍以上となります。

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