見出し画像

『超クリエイティブ』三浦崇宏:クリエイティブを考えてみた

クリエイティブとは何か?ここ、noteでは登録者のことを「クリエイター」と呼ぶようになっていますが、そこには「創造」する為の願いが込められていると思います。このnoteに参加される方には「クリエイティブ」であって欲しいという願い。

それはただ「書く」「つくる」のではなくクリエイティブ的であって欲しいという願いでしょうか。何が違うかというと、ただただモノを売るため、情報を売るためだけにこの場を活用するのはクリエイティブ的ではないと考えられると思います。

ただその場を貸すという考えではなく、そこが工房ならば何かが生み出されるような、そんな場にしたいと考えているのではないでしょうか?

神屋は元アスリートであり、その後も指導やスポーツに携わり続け30年近くに及びます。囲碁でもここnoteでも書くことも同根だと思っているのでその身体性がベースにあると考えており、スポーツも体現という名のクリエイティブさを発揮するものだと思っています。

スポーツを思い切り楽しむなら遊びと同意とも考えていますが、クリエイティブも仕事として行うプロであれ、アマであれ遊びと同じで楽しむ心がそのベースにあるのではないでしょうか?

競技結果をただ追い求めるのも確かにスポーツの、トップアスリートのあり方かもしれません。ただ素晴らしい作品を創る、それも大切だと思います。ただその先に何があるか、どういった形でそれを多くの人に伝え、届けるか、楽しんでいただくか、普及していくかもクリエイトと結びつくと思います。

そういったクリエイティブな道筋があるからこそ、文化という土壌があるからこそ没頭も追求も可能だと思います。誰もいない、評価もしない場や環境でいくら脚が速くても、いくら素晴らしい作品を生み出しても観る人、評価する人、受け手が存在しないと意味を為さないと思います。

そういう意味でもクリエイティブとは何かをアスリートもスポーツ関係者も考えたいところですし、これからはより多くの人が注目する考え、言葉ではないでしょうか?

以下はこちらの本で気になった個所を抜粋、引用し、クリエイティブを探っていきたい、考えてみたいと思います。


クリエイティブ=非連続な成長を促し、新たな価値を生み出す多面的な思考法

ただ独創性があるだけではない、ただ既存の価値を拡大するのではない、社会の中で驚きをともなった新しい価値を生み出すこと、これがクリエイティブの本質です。

ここで出てくるワードの2つ「非連続」と「驚き」です。改善を重ねていくのも確かに創造的ではありますが、それだけではクリエイティブではないという考え方。どこからか全面的に借りてきたような形、それに少し手を加える程度では不足ですよね。

アスリートの世界でも基本は基本として大事ですが、一番大切なのはカスタマイズ。自分の心身にマッチした、自分が戦える武器、長所をどう伸ばすかなどが大切で、簡単に相手に読まれていては勝ちを取りこぼします。意表を突いたり、今までと違う能力を身に付けて挑めるようにトレーニングを積んでいきます。

同じように既存のものと同じ行き方で殴り込みをかけるなら投資もコストも大きく必要となります。違う道を模索する、それは最初は厳しい道、なかなか認知が得られない道でも、切り開いていくことで新たな選択肢として加わるような創り方も大切だと思います。


クリエイティブは2つのレイヤーからなります。価値の「生産」と、価値の「発見」です。価値の「生産」は、まったくぜロの状態から、新しい価値のある何かをつくり出すことです。 今まで世の中になかったコンテンツ:作品、商品、プロダクト、事業などがこれに相当します。アーティストがつくり出すさまざまな音楽や映画、文学なと無から有を生む営みはもちろん、新しいテクノロジー、発明、独創的な製品、サービス、新規事業の立ち上げなどビジネスにおける新しい価値の「生産」も、クリエイティブと言えます。
今はAIが筋道を示したりクラウドファンディングで資金を集めたりSNSで仲間を募ったりと、道のりとしての選択肢は豊富で、ロジックの積み重ねはしやすくなっている。ただ、起点となる欲望だけはロジックからは生まれません。

ニーズに沿ってサービスや商品を提供する。これも素晴らしいことです。ニーズを無視して違う場所へ向かう人たちばかりだと不便ですよね。消費者としても定番となるものはずっと残って欲しいと思います。

ただすべてがその方向、行き方ばかりだと詰まらないし、違う道を選びたくても存在しない状態になってしまいます。消費者が求めていなくても、気づいてもいないようなものでも、誰かが創り出す、環境構築することでニーズが出てくることもあります。

ネットウォッチをしていると面白いのはそこですよね。次から次へと出てくる。一気に流行り、そして一瞬で消えるものも全く意味がなかったとは言えません。少なくとも一瞬ではあっても人々のニーズを呼び起こし、気付きを与えるものになったから。その後は歴史に刻まれ、ずっと役立ちます。


自分の意思を「誰かに伝えたい」「仲間にシェアしたい」という強い欲望、これが人間のクリエイティブの源泉である、と僕は考えています。言葉も文字もない時代の人類のコミュニケーションは、何らかの発声や身振りを介した一対一の対話だったと考えられます。自分が伝えたいことを10人に伝えるには、同じ対話を10回近くも繰り返す必要があったはずです。

これは発信すること、書いたり、つくることに繋がる言葉でもありますが、走ること、コミュニティを創ること、教育などでも同じではないでしょうか?次代を育てる、繋ぐという使命でさえも、まったく自分とは無関係の何かを紡ぐのではなく、自分の欲というものも根底にあると思います。それが熱意というものにもつながる。

それが自己欲求、自己満足だけで終わるか、相手を考え、どう伝えていくか、試行錯誤していく姿勢こそがクリエイティブとの境になる気がします。


クリエイティブディレクターは、企業の社会とのコミュニケーションを担う人間です。社会状況を把握していなければ、的確な広告メッセージを発信することはできません。さまざまな報道やSNSの情報を通して、今社会のどこにどんな風が吹いているかを身体感覚で知っていなければ、クリエイターを名乗ることはできないと思っています。

「身体感覚」が大事なキーワードで、ここに到達しようと思うと浅く触れているだけでは浸透しないと思います。

アスリートもランナーも継続的に取り組むことで得られるもの、腑に落ちるものがありますが、これはコーチやスタッフなどになるともっともっと必要な意識、行動となります。多くの学びを、多くの分野や領域への興味と接続を。何より人への興味を持つことが大切ですよね。

走遊Labではスポーツや遊びを通じて身体感覚を高め、自己への興味と開拓、探究を、能力開発や向上をベースに大いに楽しめる環境を構築します。


あるいは、ある人が「妻といつまでも健康に生きたい」と願うとします。その思いの先に行き着くのは、医学や政治です。願いを叶えるためには、社会を平穏であり続けさせる政治が必要だからです。病気を防いだり治したりする医学の力も言うまでもなく欠かせないからです。国の欲望を突き詰めた先には社会化があり、クリエイティブもまた社会課題の解決へと向かいます。

神屋も元は陸上競技、駅伝から出発しました。もともと囲碁に取り組み、サッカーもやってたし、歴史には強い興味を持っていました。ただランニングというものに深く関わり、考えれば考えるほど、むしろ広く社会や他の分野への興味、接続を意識するようになっています。これは現在もさらに加速している感覚です。

テクノロジー、地域、社会・・・トップを目指すアスリートでも、趣味で走ることでも、育児などで遊べる環境、余裕度を考えても社会とは密接に関わっていますよね。ただただ強くなれれば良い、という発想は機械的であり、これからの時代のクリエイティブさが重要視される社会では置き去りになりそうだと危惧します。スポーツはよりクリエイティブさを追求し、社会に有用で、密接に浸透したものにしていきたいですね。


あらゆるデザインは誰かのクリエイティビティの発露であり、何らかの課題を解決しようとする意図や目的があるという事実に、はたと胸を突かれます。『デザインは技能ではなく物事の本質をつかむ感性と洞察力である』

クラブやチームを創っていく、地域活性化の文脈でも大切だと思います。デザインという言葉も今やあらゆる領域で聞くことが増えました。組織をデザインする、地域を、人生を・・・

デザインの本質を考える上でも興味を持つことが大切だと思います。ここ、noteは多くのデザインの話があふれていて興味を持ったんですよね。


挫折体験もまた、感情記憶の幅を広げ、世界の複数性を肌身に感じて多面的なものの見方が体に刻まれる機会となります。自分がものすごく努力や工夫をしても、人生は思い通りにいかないことがある。絶対に面白いと思って全力を尽くしても、別の論理で動いている人たちから全否定されることもある。否定される悔しさを知る人は、世界の複数性を、すなわち自分と、無数にいる他者とのあいだにある深い溝を体で知っています。そのはかりしれない溝を飛び越えて、刹那、言葉でつながり、価値観を共有する喜びもまた知っている。若いうちにそのことに気づけるかどうかは大きい。

「努力は報われるかどうか」アスリートでもこの言葉のぜひで悩み辞めていく人も多いです。それは競技結果だけで言えば「努力は報われないことも多い」のは事実です。しかし、競技結果だけでなく、広い意味で競技に、そのスポーツに、ライティングなどに関わっていくこと、一生懸命に努力していくことは上記のように大きな力を、感性を、心身を創り出す糧になると思います。

厳しいところ、苦しいところを通り越してきた経験、試行錯誤し、なんとか地道に結果を積み重ねていった経験は何物にも代えられません。


事例を数多く知っている人は、やはりいい仕事をしています。成功事例・失敗事例を数多く分析して勉強しているので、手札が多い。学び続ける力の勝利ともいえます。センスは才能というよりは、経験の積み重ねからくる身体的な判断なので、訓練で身につきます。

「引き出しが多い」という言葉ですね。ランニングも端的に結果を出したい、記録を上げたいなら練習量を上げ、熱心にトレーニングを積み重ねれば一定レベルまでは上がると思います。

しかし、頭打ちになる確率も高いですね。初心者のころから引き出しを多く、様々な体験、動作や操作、トレーニング方法、環境などを味わうことで土台の広さ、豊饒さは大きく違ってきます。必ずしも高速道路の一直線の行き方が素晴らしいものだとは言えないと思います。


1GOAL(プロジェクトで達成すべき目標)
2Vsion(企業/ブランドのあるべき姿)
3Fact(武器になる企業/ブランドの事実)
4Moment(着目すべき社会の変化)
5Insight(顧客の心情)
6Catalyst for Change(変化のきっかけになる考え方)
7Rule(この企画が成功する内外の条件)
8Action(実際の活動)
9Flow(実際の段取り)
10Image(PRの予想)
*Contract(契約条件/見積もり)

せっかくなのでチェックリスト代わりに、普段から参考にしてみると良いと思います。


2020年、慶塵義塾大学教授でヤフーCSO(チーフストラテジーオフィサー)の安宅和人の打ち出した「開疎化」というコンセプトが大きな注目を集めました。これまで人類が進めてきた「密閉(closed) ×密(dense)」による価値創造と逆に、「開放(open) X 疎(sparse)」に向かう強いトレンドが生まれると安宅教授は分析しています。今後は、オフィス、飲食店、娯楽施設など、あらゆる場が空間の開放性、通気の良さ、空気回転率といった「開疎化」で評価されるという見立てなどがとても刺激的です

結局のところ、人は「元」に戻ろうとする力が大きく働き、今までとあまり変わらない動き、仕組み、活動も多いと思います。

ですが、これだけのインパクトがあった中で、感度の良い人、これからを見据える人は周りがどう動こうとも上記のような新しい、次への道を歩みだすと思います。

今回に限らず、確実に日本は人口減少時代も迎えますし、今まで通りという訳にはいかないと思うんですよね。常に変わっていく、適応する、自身で切り開く。チャレンジ精神を持ち続け、動き続けることこそがゆでガエル的リスクを避ける一番の近道だと思います。

キーワードはやはり「クリエイティブ」なんでしょうね。

この記事が参加している募集

#最近の学び

181,387件

いつもご訪問、お読み頂きありがとうございます。 すき(ハートマーク)を押して頂いたり、コメントやSNS等にシェア、サポート頂けると励みになります。サポート、応援頂いた分は必ず、活動する中でみなさんにお返しして行くことが出来ると思います。今後もお付き合いを宜しくお願い致します。