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【書評】『黒猫の小夜曲』知念実希人│批評的レビュー
抜こう作用です。
知念実希人氏に関しては、あまり良い印象がない。
それは、Xでの稚拙な投稿や、大衆受けのみを考えたような小説の内容から来るものなのだが、しかし、僕はこのように悪い印象を抱く事を悲しんでいる。
というのも、僕は彼を好きになる努力をしていたつもりだ。
僕は中学生の頃、不登校で学校に通えなかった時、毎週のように家にカウンセラーが来ていて、そのカウンセラーが心の癒しだった。
今ではもう殆ど記憶はないが、色々な話をした。
その優しくて尊敬出来るカウンセラーの愛読書が「天久鷹央」シリーズだった。
僕も、それを聞いて読んでみた。
読んでみて、僕が穿ったスノッブである以上に、この本は中身のないラノベだと思った。
恩師の好きな小説家を、上から目線で批判する事ほど悲しい事はない。
そして、僕もこういった、ある意味で文化人的な価値観に毒されているだけで、恐らく小説に価値はあるのだ。
しかし、僕にはどうしても氏の小説が良いものだと思えなかった。
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