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読書紹介 そういえば読んだことない 編Part3 『雪国』

どうも、こぞるです。
 今回ご紹介するのは、言わずと知れたノーベル文学賞作家、川端康成先生で『雪国』です。日本人初のノーベル文学賞ですね。
 おそらく、この記事にたどり着く人の中で、一度もタイトルを聞いたことがない人というのはいないのではないでしょうか。
 私はなぜか長いこと、冒頭の一文を「トンネルを抜けるとそこは雪国でした」だと勘違いして覚えていました。私だけですかね?そんなイメージありませんか。

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-作品内容-
親譲りの財産で、きままな生活を送る島村は、雪深い温泉町で芸者駒子と出会う。許婚者の療養費を作るため芸者になったという、駒子の一途な生き方に惹かれながらも、島村はゆきずりの愛以上のつながりを持とうとしない――。冷たいほどにすんだ島村の心の鏡に映される駒子の烈しい情熱を、哀しくも美しく描く。ノーベル賞作家の美質が、完全な開花を見せた不朽の名作。

 最初の1文、正しくは「国境の長いトンネルを抜けると、雪国であった。」です。この文は雑誌連載当初は違っていたそうで、まとめて出版する際につけられたそうですね。『吾輩は猫である』『走れメロス』と並ぶ、日本三大書き出しの1つです(こぞる調べ)。

 作家さんや、この作品の背景なんかについては、もう改めてここで語らずとも、wikipediaとか読んだ方が面白いです。ヒロインのモデルになった人の写真まで乗ってます。すごいですね。
 また、同時期に生まれ活躍した文豪たちと同じように、川端康成大先生も様々な逸話を残していますので、それに目を通しても面白いかと思います。

 さて、なかなか本文感想に入らないなというところですが、やはり、これほどの名作、文学作品を今更紹介するというのは勇気がいりますね。なんてったって、今まで世界中の数多の著名人や研究者が取り扱っている題材な訳ですから。
 ですが、であっても、だからこそ、自分の思ったことを書くってことの大事さがあるかなとも思う日々です。たとえ、文才がなかろうとも。

 まず、この本を読み始めて最初に思ったのは、黙読中の頭の中のリズムが心地よいことです。すごく韻が踏まれた表現が出てきていたり、1文1文の文字数まで計算されているかのような気さえします。Creepy Nutsが曲かけて朗読するCDとかあったら買っちゃうかもしれません。いや、冗談でなく。
 絶対に、日常では使わないような語彙や言い回し、時代ですら今の我々とは違いすぎて、調べないとわからない物が溢れている世界なのですが、タンタカタカタカ頭の中に流れていきます。ファンに怒られますかね?

 それから、今時代について少し触れましたが、ペラッペラの数ページで終わらせてしまう中学時代以降、日本近代史に触れた経験がないため、私にとって明治後期から昭和初期というのは謎の時代です。何が町に存在し、何が存在しないのか、その感覚が全くないため、お金がないから芸者として家族の元を離れる少女と、ラジオなどという科学技術が同時に現れると最早ファンタジーになってしまうのです。
 なんとなく調べた限り、管見の限り、この作品をgoogleなどで「解釈」だとか「終わり方」で調べていたり、よくわからない、中途半端のような言葉で調べている人がいるように見受けられます。しかし、私のこの学の無さから生まれたファンタジーが、こと『雪国』に関しては、ある種物語を読みやすくしてくれたのかもしれないと考えています。

 そういえば、感想で思い出しましたが、主人公の島村がダメ人間具合が〜とか、ヒロインの駒子の激しさが〜受け付けなくてといったような意見を見たのですが、ダメな部分が受け入れてもらえないことほどリアリティのある人物像ってないんじゃないかなと思ったりしました。ちなみに、私はこの2人になんとなしの好意がありました。不倫はダメだけどね。でも、なんか受け入れやすかったですね。

 お話全体に戻しまして、この物語は、少しずつ各章が断片的に色々な雑誌にのったものをまとめて一冊にするという形で出版されたので、明確に1つの物語としての起承転結が作られていないと言われているそうです。が、私は全体的の流れで起承転結を感じた部分がありました。それは色です。
 ここからは更に完全に私の主観として、この物語は、タイトルが『雪国』ですので、もちろん白が基調で、夜のシーンも多いため、基本的に私の頭の中ではモノクロで話が進んでいきました。ですが例外的に色を感じたのは、初めの汽車の窓に映る火の赤、駒子に出会った時の駒子の色、後半に近くの街へ出かけた時の街並みや風景、それから、ラストシーンの赤という部分でした。この色の流れというのが、私にとっての、この物語の起承転結でした。先ほど、ファンタジーとして〜という文言を書きましたが、私がこのお話を、あの終わり方を物語としてすんなり受け入れられたのは、この部分も大きいのかもしれません。

 さて、今回ちょっと長くなってしまいましたが、川端康成作『雪国』でした。こんな大名作が、そういえば読んだことなかったに入ってしまう自分ですが、今後も様々な名作に挑戦してみたいと思います、
 もし、なにかオススメがあれば、教えてください。

では、このへんで。





 



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