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正解よりも探求することを楽しむ

昨夜は、ちくまQブックス小泉武夫さん著『くさい食べもの』について話した。

中学生ぐらいの人たちを対象に書かれているシリーズだけど、ほんとにおもしろい。

今回の本は、特に好きだった。

それは、やはり正解に近いポイントを整理して伝える本が多いなかで、今回の本は著者が体験したクサイ食べものを淡々と紹介していく構成だから。

例えばホンオ・フェというくさい食べものと出会ったときの感想はこんな感じ。

あまりのくささに開き直って、思いきり深呼吸をしてみたら、もっと大変なことになった。目の前がスパークして急にぱ ーっと明るくなり、次の瞬間には突然暗くなって、意識を失いそうになったのだ。まさに気絶寸前のにおいだった。涙に加えて咳まで止まらなくなり、もはや食事をしているというより、拷問にあっているような感じである。「小泉先生ったら、また笑わせようとして大げさな話をしてる」  
そんなふうに疑う読者もいるだろうが、いやいや、本当の話で、ちゃんと科学的裏付けも取ってきてある。  
ホンオ・フェを口に入れたとき、日本から持参した pH(水素イオン指数)試験紙をポケットから取り出し、鼻の穴のところにもっていって、鼻息をフーン!  
と吹きかけてみたのである。するとどうだ。瞬時のうちに濃い青色になったのである。

『世界一くさい食べもの ──なぜ食べられないような食べものがあるのか?

とにかく好きさが伝わってくる。

自然と興味が湧いてくる

くさい食べものには発酵食品が多い。

その世界中にある、くさい食べものに興味を持ち探求していく姿を見て、『おもしろそう』と感じるようになっていく。

そのような在り方は、ぼくはすごくよいと感じている。

最後に、くさい食べものを紹介したよだけでは終わらないポイントもしっかり記載されていた。

くさい発酵食品は、制約のある暮らしの中、必要に迫られて生み出された、人類の知恵の結晶なのである。発酵食品以外のくさい食べもの、例えばニンニクやニラなどの野菜類にしても、獣肉のくさみを消すためにそのにおいを応用したという、これまた人類の知恵から選ばれた食材といえるだろう。  
あまりのにおいに尻込みしてしまうものもあるけれど、食べず嫌いはもったいない!  
ぜひこの本を読んだ諸君には、世界中の先人たちの知恵を実際に、その鼻と舌で感じていただきたい。一口食べれば、世界の見え方が、そしてにおいとの距離感が、きっと変わるに違いない。

『世界一くさい食べもの ──なぜ食べられないような食べものがあるのか?

だけど、全体を見るとほんとに一部。

あとは、各々で感じとってというスタイルは、受け付けない人もいるだろう。

だけど、ぼくはたまらなくいいなと思ったし、ぼくは大切なことをどのように伝えるだろうと考えていた。

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