【あとがき】ALL ALONE
この記事は、前回の記事「ALL ALONE」のあとがきです。
これは自分と自分の対話のお話
「二人きりでないと話せない」「帰りにイヤホンをしたら急に一人になる」「自分の分しか飲み物を買わない」ということから分かるように、ただ一人で歩いている時間に、頭の中で二つの感情がぶつかっているシーンを対話として表現したこの小説。
基本的には二つの異なる感情同士の意見が対立しているように見えるが、時折、「それは分かる」とシンクロしているシーンで、「諦めなけれな夢は叶う」「自信はある」といった言葉が見られる。
つまり、どんなに頭の中で葛藤があっても主人公の中で揺るがないものがあることを表している。つまり、「諦めなけれな夢は叶う」「自信はある」といった言葉は、主人公の心の根底にある強い意志なのかもしれない。
最後の「夢を追い続けていいか」という質問。
これが「分かっているよな」の一言で解決しているのは、頭の中に「このまま夢を追って良いのか」という自分自身への疑問が生まれた時、夢を追うために悩んでいるのに、怖くなって夢を諦めようとしてする本末転倒な疑問が馬鹿馬鹿しくなってすぐに結果が出たのだと思う。
夢を追っているときの葛藤と、周りの環境
色々な形でスポットライトを浴びている人って、見えている以外の側面も輝いているんではないかと想像してしまう。
でも、いざ夢を追う立場になると、劣等感を感じて上手く周りと馴染めなくなる。明らかに自分だけ周りと別の方向へ歩いている感覚がある。
夢を追うのは辛いと聞いていたけど、周りと全く違う生き方になるということはもっと早く知りたかった。
少しでも自分の夢を軽率に扱われるだけで劣等感が生まれ、押しつぶされそうになる。そもそも口に出す前から、誰も理解されないことも予想がつくのに、いざ理解されなくなっても、責任は自分にしかない。
この小説でも表現しているように、自分は「夢を追いたい」と考えているのに、周りとの人間関係のような、普通に生活していれば得られるであろう幸せを同時に考えている自分がいる。
自分が進む道の障壁となるものが、自分自身だったりする。
でもこんな自分自身について考える経験も夢を追っているからであって、夢を追う人は少しでも自分を許して進んで欲しいと思っている。
書き出し
あとがきには毎度書いている「書き出し」の評価。
今回の書き出しも好きだが、次の文の「夏の暑さも眠りに落ちる午前2時。」は、上手い表現かつキーワードの入れ方が上手かったことも自画自賛している。
なんかこうカッコ付けるのが好きだから、どこかでこうやってドヤ顔して書いている文章がある。それがバレるのが怖い。
内容とか込められた想いとか
今回は会話が多い文章なので、直接的な表現が多かったと思う。
特に裏の意図はなく、「夢を追うのって辛いよね」という感情はほとんど文章通りである。
同級生が落ちていく姿と自分を比べたり、孤独な時は誰もが敵に見えたり、自分の夢を果たすためなのにどこかで他人を見返したいと思ったり、結構素直に書きました。
強いていうなら、この文章を二度見て欲しい。
あとがき・短編小説を読んでくださった方、ありがとうございました。
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