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「カチャカチャ!ッターーン!」に憧れて

これは私がPCのキーボードのブラインドタッチ(手元を見ずにタイピングすること)に憧れて、習得するまでのお話です。

私の学生時代、まだネットがなく
パソコンが都会の会社に普及し始めた頃の話。

テレビドラマでは
都会のオフィスでの仕事風景として
パソコンを操作するシーンがよく見られました。

やり手のボディコン上司に話しかけられ
キーボードを打つ手を止めずに
顔を上げる
かっちり眼鏡のスーツ君。

タタタタタタタッ

そのままちょっとした会話に突入。

かっちり眼鏡スーツ君の手はなおも動き続けます。
まるで頭と手が別々の生き物のよう。

え、何あれ!

手元を全く見てない!
かっこいい!
あれ、やりたい!

単純な私はすっかり
理想のオフィスワーカーな自分を
頭に描いていました。

高校に入って、晴れて
パソコンを触れる環境に出会えた私。

授業でパソコン、ワープロ
それぞれを触ることができました。

そこで気づいたことなんですが
パソコンって
マウスを動かしたり
数値を打ち込んだり
するのがメイン

あまり

カチャカチャ
ッターーン!

みたいな場面は起きないんですね。

えぇ・・・

じゃああのテレビドラマの憧れのシーンは
一体どこに・・・?

そうそれ、実はワープロの仕事だったんです。

ワープロは文章を打つことが主体の機械

「歓送迎会のお知らせ」のような
文を作る練習をしました。

ああ、こっちだったんだ!

当時は授業でワープロ検定に合格しよう
というものがあり
4級から受けることになりました。

今思うと4級って取る意味ないのでは
と感じますが
テレビでよく聞く「資格」というものに
初めて触れた私は
その基準まではよく分かってなく

憧れのアレカチャカチャターン!ができるうえに
できる証明までもらえる
という事実に
ひたすらワクワクしていました。

ワープロ検定4級の合格基準は

・10分間に200文字以上のタイピング。
(文章が用意されていて、それを打っていきます)

・ビジネス文章の作成
(誰が誰宛てに、内容はこれでという指定があり
ビジネス文章の形式に沿って作っていきます。
「各位」とか「貴社」とか「時下ますますご清栄のことと・・・」
の言葉選びや形式がきちんとできているかを見られます。)

まあ高校ですし、授業の一環なので
全員が受かる基準でということだったんでしょう。

とはいえ初めて触るキーボード
人差し指でチマチマ、どころか
どこに何の文字のキーがあるのかすら分からなく
最初はキーボードとにらめっこでした。

指の配置を覚える「ホームポジション」の練習で
両手の人差し指を交互に使って
FJFJFJFJ・・・
次は中指で
DKDKDKDK・・・
ひたすらそんな練習をさせられました。

やがてワープロに付属している
タイピングゲームをやるように。

ダンジョンの中を地下に地下に進み
モンスターを倒しながら攻略していきます。

モンスターが現れると「FU」とか「KA」とか
単語をぶつけてくるのでタイピングで
返り討ちにしていきます。

下層に行けば行くほど単語が長くなり
難易度が上がって
いきます。

これに夢中になって
結構な階層をクリアしたおかげで
タイピングが身に付きました。

ちなみに当時はゲームデータをセーブするのに
フロッピーを使っていました。

ワープロ内には保存できなかったんですね。
時代を感じます。

合わせて放課後にワープロ室を開放してもらい
友達と小説モドキを作って遊んでいました。

毎日放課後に、2時間ほどワープロに向かっていました。

でまあ

気が付いたら憧れの
かっちり眼鏡のスーツ君くらいに
タイピングができるようになっていました

といっても就職先はオフィスではなかったので
パソコンもちょっと触るくらいでしたが
当時は周りに触れる人もあまりおらず
地味に重宝されました。

ある日

事務員さんから
「hanamoroさーん!」
と呼ばれ
「はい!」
と返事はしたものの、あと10文字くらいで
打ち終わるというところだったので
顔をあげつつタイプしました。

カチャカチャ!ッターーン!

「え、ちょ、凄い!画面見ないで打てるの」
「えへへ・・・」

おおお
憧れたシーンやん!

かくして憧れを手に入れたのでした。
・・・タイピングだけね!
他のパソコン操作はボチボチです・・・。


待って

この若いころの情熱
もっとマシなものに向けていたら
もっといい人生だったんじゃ

頑張りどころがおかしいと
思わなくもないです(;'∀')

* * *

そんなわけで
いつも読ませていただいている
pimさんのnoteから
「PC」「憧れ」にインスピレーションを受けて
書いてみました。

いつも思いがけない記事を読ませてくれるpimさん。

こちらの記事では
カフェでスマートにPCを触る人に憧れて
実際にやってみた体験を記事にされています。
理想と現実、はたして結果は?
ぜひ記事を読んでみてくださいね!

憧れっていいものですよね・・・!

この記事はまと。《まとまる》さんの企画
『つながりことば』に参加したものです。

またまた面白い企画、ありがとうございます!
そしてまたまたギリギリの参加で失礼します!

間に合ってよかった(;'∀')


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