見出し画像

よい発想をする(アイデアをたくさん出す)ためにやるべきこと

ようこそ、Kaiの思考実験場へ…!

前回記事では、なんでもないアイデアをいいアイデアにするまでの4段階をベースに、第1ステージ『着想』の段階でやるべきことについて考えました。今回は、第2ステージ『発想』段階でやるべきことについて考えます。

この時点で、「個人」あるいは「チーム」の課題感が明らかになっているという前提で進めますので、過去note未読の方は先に下記noteをご参照ください。

🔗 いいアイデアができるまで(概論)〜4つのステージ〜
🔗 よい着想(フラッシュアイデア)を得たいアナタがやるべき3つのこと

『発想』のステージでは、着想段階で明らかになった「課題感」を軸に据えて、扱うべき領域とそうでない領域を切り分けるための素材となるアイデアを発想し、次の『育想』ステージへとつなげていきます。

------ ✂ ------

なんのために発想(たくさんアイデアを出す)をするのか?

会社やチームで、一度でもアイデア出しにトライしたことのある皆さんなら、"アイデアは質より量"という言葉は、きっともう耳タコになっていることでしょう。
でもなぜ、そんなに数を出さなければいけないのでしょうか?

私が思うに、この理由は アイデアの良し悪しの判断に使うため なのです。

たくさんアイデアがあれば、それらを見比べることで「どんなアイデアが良くてどんなアイデアは良くないか?」を判断し、扱うべき領域を見極めることが可能になります。つまり『発想』段階のアイデアは、良いアイデアの傾向を見極めるための素材になるのです。

そのためには、ただ数を出せばいいというものでもありません。

------ ✂ ------

“沢山"にも種類がある

ちょっと考えてみてください。
例えば リンゴに付加価値をつける フラッシュアイデアで、

(食べても安全な塗料で)金色にしたリンゴを売る

みたいなアイデアが出てきたとします。このフラッシュアイデアが「良し」とされ、フォーカスをあてたい価値基準は

見た目が斬新なリンゴ

ということで合意したと仮定しましょう。

それをさらにここから『発想』して広げよう!という時に、次のようなアイデアが並んだらどうでしょうか。

緑ではなく本当に青い青リンゴ
ゴールドではなくシルバーのリンゴ
黄色から赤のグラデーションのリンゴ…

これはこれで必ずしも間違いではありませんが、この調子で続けても当分は「色」に関するアイデアしか出てこなさそうですよね。

『発想』の段階で我々が求めているのは、(元のアイデアは色に関するものでしたが)

丸ではなく三角の形をしたリンゴ とか
「祝」りんごの反対で「ドクロマーク」が施されたリンゴ とか
スイカくらい大きいリンゴ とか

そういう広がりです。

つまり、『発想』ステージにおけるいいアイデアとは、様々な切り口から発想されたアイデアのことなのです。

そのためにやるべきなのは、発想の切り口を次々と切り替えていくこと。

これは自主努力でもできますが、ツールに頼るのもOKです。

✐ POINT
『発想』段階で本当に求められているのは、切り口の量である。

------ ✂ ------

1. 発想ための準備💡

よい発想をするための準備は、そんなに難しくありません。
この発想フェーズはアイデア出し業界(というのがあるのかわかりませんが)ではとても人気。

少しのコツで効果が出やすく扱いやすいため、様々な「アイデア発想法」や、「アイデア発想ツール」が提供されています(ぜひググってみてください)。それらの方法をお勉強するのも良いですし、ツールを入手してみるのも良いでしょう。

一番有名で手軽な方法は、複数人で行なう「ブレスト」です。

▼ やり方は下記を御覧ください。

▼ カードゲーム方式だと、こういったツールも販売されています

------ ✂ ------

2. 発想の実践💡

さぁ、いよいよ『発想』の実践です。何度も言うようですが、この段階の着地点が、「良さげなアイデアの方向性を決めるために、切り口を沢山出す」ことだということを忘れずにプレイしてください。

STEP 1. お題決定
『着想』で得られた価値基準を軸に、まずは正しいお題を立てましょう。地味にここが一番大事です。その際、どのくらいの粒度のアイデアがほしいのかも定めておくと後の工程が楽です。(※必要に応じて下記noteを参考にしてください)

🔗 いいアイデアの条件①-アイデアの粒度を攻略しよう!

STEP 2. アイデアをたくさん出す

ブレストでなくても構いません。とにかく色んな種類のアイデアが出ればそれでOKです。ただ、ここでの最大の敵は「アイデアが出てこなくて悩んでしまう」状態なので、それを避けるためにフレームワークを使うのは賢い選択だと思います(特に複数人でやる場合はフレームワークに頼ると余計なルールを決めなくて良いので楽です)。

ちなみに、私は「悩まずに様々な切り口から発想するためのツール」として、下記のような「限界突破カード(※Twitter投稿時はアイデアお助けカードと言う名で呼んでいました)」というのを作っていたりします。

ご興味ある方はコメントください。複数名からお声がかかれば、いずれnoteで詳細について記事にします。


アイデアを"沢山"出すコツ

これはブレストのルールでも書かれていますが、たくさんアイデアを出すためには、「アイデアを出す瞬間」にいいか悪いかの判断をしてはいけません。

とにかく思いついたことは紙に書く!
それがBAD IDEAでもGOOD IDEAでも、です。

GOOD IDEAの場合はそれを活かすために。BAD IDEAの場合はそれを「忘れる」ために、紙に書き写すことが有効です。

私は過去に、アイデア出しをしている最中の人の動画を撮影して観察してみたことがあります。そのほとんど全員が、発想が止まってしまっている時…つまり「悩んでいる」最中に「ペンで紙をコツコツ叩く」「うんうん唸る」「左右に揺れる」などの反復行動をしていました。

あとで話を聞いてみたところ、彼らはその時「イマイチなアイデアを思いつき、それが頭から離れない」状態になってしまっていたそうです。彼らが「次のアイデア」に進めたのは、一様にそのBAD IDEAを紙に「吐き出した」直後でした。

✐ POINT
思いついたことは「全て」メモせよ。

------ ✂ ------

3.発想の検証💡

思うがままにアイデアを書き出したあとは、ゆったりとした気持ちでそれらを眺めてみましょう。どのアイデアを良いと感じ、どのアイデアはいまいちだと感じますか?

それぞれに色違いのペンで印をつけ、その「良さ」について言語化しましょう。「いまいち」な方も同様に、そのアイデアの「どこが」いまいちなのかを言語化してみると良いでしょう。

重要なのは、これらを「クールに」行なうことです。

出したアイデアを批判されるのは誰にとってもうれしいことではありません。ここでやりたいのはアイデア論評や人格批判ではないので、持つべきはどのアイデアが今回のお題にふさわしい要素を持っているのかという観点です。

・斬新さがあるのがいい
・ユーザー像にマッチしていていい
・おもしろいけど、実現が難しそうだからいまいち
・ユーザー像のふるまいと相性が合わなそう
・気持ちにアプローチするアイデアだからいい

といった風に、言語化できると良いです。

アイデアの評価軸にはコスト感/実現可能性/ユニークさ…などなど色々考えられるので、参加者同士何を重視するのか?という対話を重ねることが重要です。

ここで出てきたものが、下記記事で書いたアイデア出しのスコープに当たるものになります。

🔗 いいアイデアの条件②-アイデア出しの範囲(スコープ)を攻略しよう!

------ ✂ -----

4. 神領域到達💡

よいアイデアの傾向がわかった状態でのアイデア出しを私は神領域と呼んでいます。ここまででくれば、あとは「良い」と判断した要素をもつアイデアを量産していくだけです。

次の『育想』ステージで、「良さそうなアイデア」を「良いアイデア」に育てていきましょう。


次に読みたいのはどっち?

➢ よい育想のためにやるべきこと
➢ よい伝想のためにできること

書き手:あそび屋Kai


応援いただきありがとうございます♪ 私の記事が少しでもお役にたてていたらうれしいです!もしよかったら、SNSなどでシェアしてお友達にも広めてくださいな。