離婚後単独親権絶対維持派はアンシャンレジーム

離婚後単独親権絶対維持派の人は「犠牲者を一人でも出さないために離婚後単独親権絶対維持」を主張しているわけである。そこで出てくるのは親権を持って子供を確保したシングルマザーであって、元夫を「お前はただの種馬だから子供ができたらもう不要だ!出てけ!」ってキックする女性ということであろう。

で、彼女たちの「被害救済」というのは元夫に「お前は親でもない他人だけれど、名目上は親だから養育費として言い値を払え。お前の収入など知らん。ひたすら財布として金を払え。人間としてのお前などいらない。財布でいいんだ。」と申し渡すことである。

つまりこれが女性へのエンパワメントということである。男が人間であることをやめてただの財布になれば犠牲者が一人救われたということになる。

彼女たちのシンプルな視線の中ではこれで全て解決ということになる。

男は彼女たちにとっては敵だからどれほど犠牲が出てもゼロ扱いである。世界的にはこの日本女性が国際結婚して離婚に至った時、「実家に帰らせていただきます」と子供を連れて日本に帰ってしまい、外国人の夫が妻とは離婚するけれど子供は俺の子供なんだ!と言ったところで「シャラップ!男は黙れ!」で解決させるという問題があったわけである。戦後日本の司法は離婚事務は女性を単独親権者とする不文律があったわけである。それで西欧各国はハーグ条約を結び、国際結婚の離婚事務は居住国で行うことという原則にしてそれを日本に飲ませたわけである。

だからこそあの卓球選手の日台カップルが離婚した時には居住国である台湾の裁判所が父親を親権者としたわけである。日本人の元奥さんは隙を見て長男を取り返して拉致したわけだが、それは日本のフェミニストたちには支持されたかもしれないが、日本の司法当局も子供はきちんと親権者である父親のもとに返すようにという裁定が出てめでたく和議が成立して長男は父親のもとに戻ったようである。

一方で、フランス人のフィショさんの事例では日本に居住していたため、ハーグ条約でも日本の司法が離婚事務を司ることになって親権はめでたく母親側のものになったということである。

でも最高裁まで行ったとは知らなかった。最高裁まで行ったとしても夫の方には軍配が上がらなかったというのが日本の司法の特徴であろう。実際、離婚における親権争いでは9割近くが母親に親権が渡るということになっている。

そこで最近出てきたのは夫側からの連れ去り別居である。司法の原則は「監護の継続性」である。つまり、母親が子供を連れ去り別居すると子の監護については父親を排除することができる。そうなると離婚後も監護の継続性の観点から母親に親権が渡されるということになる。そのことに気づいた夫側は母親に連れ去り別居される前に子供を連れ去り、母親を排除して監護を行うという手法である。そうすると、司法は同じように「監護の継続性」の観点から父親に親権を渡すということになる。司法はこの観点から平等だと言っている訳だろう。これは父親にとって子供の親権を得る切り札的方法になっている。

そうなると、離婚により親権を得られない妻が増加しているということになっているのだろう。けれども、離婚後単独親権絶対維持派にとっては離婚後親権を得た妻あるいは母親だけが人間としてカウントされる訳である。別居親の父親は人間としてはカウントされない。だからこそ別居親の父親が親子交流ができなくて不幸に陥ってもそのために自ら命を絶ったとしても、それは「被害者」ではない訳である。むしろ人間である親権者の母親から見れば一段劣る奴隷として金を貢げ、お前らに人権などあると思うな、さっさと金を払えと搾取される存在でしかない。

離婚後親権を得られなかった別居母もこういう離婚後単独親権絶対維持派から見れば不可視化された存在ということになる。まあ、父親の所得の方が多いため、離婚母に対しては養育費などいらんからもう二度とうちの敷居を跨ぐなという扱いをされることが多いようで、7割以上の離婚事例で別居母とは養育費の取り決めはなされていないし、現実に養育費を支払っている別居母は8%ほどであったと思う。

離婚後単独親権絶対維持派も女性が多いのでフェミニズムからは別居母も養育費を払えなどとは口が裂けても言えない訳であろうし、だからといって母親にも共同親権者として離婚後にも親の権利を!ということもできない。そのために彼ら彼女らは離婚後親権を失った別居母を消してしまわざるを得ないのである。

維新の会の議員もそういう不可視化された存在について国会で質問した模様である。

まあ、離婚後単独親権絶対維持派も「犠牲者を一人も出さないために!」って鼻息荒く主張しているのだけれど、そもそも見えなくなっている人が多過ぎやしないか。で見えない人の人権など無視してしまっているのではないかというところがヤバすぎである。システムを決める時にはできるだけ多くの人が利益を得られるように組み上げるべきだと思うけれど、それを一部の人だけが利益を得られるようなシステムにしてしまうと、矛盾はどんどん大きくなって制度自体が壊れてしまうだろうことが予想されるのである。

一部の人だけが利益を得られて、それ以外の人が我慢を強いられる世界、これは世界的に有名なのはフランス革命前のアンシャンレジームの世界である。この世界では第一身分である教会の坊さんと王様以下の貴族たちが権力を握っていて庶民たちを搾取していた訳である。

そりゃ教会に楯突くと地獄に落とされるやん、という宗教権威と武力を持つ王様や貴族たちの力で庶民から搾取していた支配階級はマリーアントワネットが「パンがなければお菓子を食べればいいじゃないの」とか能天気なことを言っていたわけである。で、庶民の我慢が限界に達したことで庶民の恨みの的であったバスチーユ牢獄の襲撃が始まり、フランス革命は実行されたわけである。会われマリーアントワネットはその夫のフランス国王ルイ十六世と共にギロチン台の露と消えたわけである。

まあ、そんなことを言うと、「革命なんて暴力じゃないですか。暴力反対!男は女性から殴られてもありがとうと言うべき!それよりモラハラDV男は自分を反省しろ!」と言うフェミさんが大挙して騒ぐだろうし、それに媚を売るサヨクさんも「女性から男性への暴力は正義!たとえ包丁で刺されても熱湯を頭肩かけられてもそれは女性から男どもに振るわれる限り暴力でもDVでもない。DVは男性から女性に振るわれる暴力だけだ!男はそんなこと言う暇があれば射精責任だ!男は女性を妊娠させた罪で罰金を払え!」とか調子に乗って叫び出すことだろう。

そうなると、男の取りうる手段は逃散ということになる。「いやいやあなたには僕よりもっと相応しい男が、王子様がきっといますよ。僕なんて安月給のサラリーマンに過ぎないのであなたには相応しくないんですよ」というのが殺し文句ということになる。別に家制度もないわけで、男には子供を持つ意味などもうどこにもないわけである。わざわざ女性にデートで奢ったとしてもそれは単なる浪費である。結婚費用も無駄金で、一生懸命頑張った挙句に女性に子連れ別居されれば正義のサヨクやフェミさんからモラハラDV男!とボロクソに言われた挙句、二度と会えない子供のために養育費だけ払えと言われる羽目に陥るわけである。

当然ながら被害者の方は元妻、母親側である。元夫側は踏んだり蹴ったりの目にあってもあくまでも加害者側ということになる。それってちょっと考えるだけでも割に合わないことは明白である。そんな制度であれば利用しないに越したことはない。子供がいなかったとしても公式には家制度なんてないのだからもう死ぬ時に残ったお金は国にお返しして潔く家を潰せば良いのである。どうしてもというなら養子でも取って跡を継がせればよい。フェミさんにしてみれば家制度もないのに無理に後継などおかなくてもいいのにと呆れられるかもしれない。

フェミニストさんの意見を聞くと結婚も妊娠出産子育ても全く無駄なことになるわけである。それなら結婚する意味もないよねというのは至極当然のことではないか。

彼らのアンシャンレジームに囚われるならもう韓国を追いかけて超少子化の道を突き進むしかないわけである。

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