ラグナロクに至る道(長い)

1 女尊男卑の男女平等の理想世界

身も蓋もないのである。

いや、バービー人形の支配するフェミニズムの社会をnoteでも多くの人たちが求めているようである。

その「理想的な」女尊男卑の男女平等社会ではもちろん、女性が全ての決定権と権利を持つわけである。そして責任は男が持つのである。

危機が来た時には「なんの権利も持たない」男たちが義務として危機の責任を取り、危機の克服、解決を行うことが求められているわけである。

当然ながら権限は全部女性が持っているわけであるから男は徒手空拳で危機に立ち向かえというわけである。そして、危機の解決に成功したら手柄は女性のもの、失敗したら男が悪いということで男は責任をとって死刑になるというのが彼女たちフェミニストが夢想するバービーの世界であろう。どっちに転んでも女性は損しないという世界である。

いや例の映画は見ていないのだけれど、これまでのフェミさんの発言からはそういうことは想定済みである。

そういう世界で生きる男はイケメンで爽やかで女性のわがままをなんでも受け入れて颯爽と解決する役割ということであろう。今までも同じじゃんという人もいるだろうが、昭和の時代はそういう男が威張っていたわけである。これからの来るべき女尊男卑の社会では男を顎でこき使う女性が威張るという男女平等の社会になるわけである。

2 嫌ならやめろ代わりはいくらでもいる

昭和の時代であれば団塊の世代のように大量生産された人事が豊富だったのでそういう理不尽を上司が行った時に下っ端戦闘員が反抗したとしても「嫌ならやめろ、代わりはいくらでもいる」と言えたわけである。ただ、問題は、少子化である。団塊ジュニアの時まではまだまだ「嫌ならやめろ、代わりはいくらでもいる」と言えたわけである。しかし、その後の平成年代では人不足の方が重大になってきた。そういうやばい職場はブラック企業ということでデフレ期の民主党政権くらいまでは隆盛を誇ったわけである。

けれどもその後は「もっと良い条件の職場」にさっさと転職する人が続出して悪条件の職場は継続が困難になってきているわけである。少子化が進んでいるわけなので、雇用条件の悪い職場の淘汰はこれからもどんどん進んでゆくことだろう。徒弟制度であり、「就業時間?美味しいのそれ?」という代表的な職場であった医療業界も今では研修医が9時〜5時の勤務で爽やかに帰って行くし、過労死した医師がニュースになる時代である。

そういう時代に「女尊男卑なのだから男は自ら人権を投げ捨てて奴隷になるのが当然だろう。男を降りろ、女性様と言え。けれども危機の時には女性を男性が身を挺して守るのが当然だろう」と言われても、多分、男性の方が逃げ出す時代になっているのである。男女平等なのだから男も女も自分の身は自分で守りましょうということになる。

3 ルッキズムに対する反発とインセル

ルッキズムは害悪だというかもしれない。かぐや姫のような美人ちゃんなら男は身を挺して守るが、十人並みの自分は守ってくれないというのはルッキズムだ!とフェミニストは力を込めて叫ぶかもしれない。けれどもルッキズムのない社会では女性たちはかぐや姫並みの美人ちゃんも十人並みの自分も平等に保護されるべきだと力強く叫ぶかもしれない。けれども真の非ルッキズムの日本になればかぐや姫並みの美人ちゃんも十人並みの女性も平等に守られない、女性も自分の身は自分で守れということになるだけではないか。

どこかで読んだが、欧州の国々では難民を無制限に受け入れた結果、女性への性加害事件が増加し、特にブロンド美女が狙われるため、金髪の女性たちは髪の毛を黒く染めているそうである。(嘘か本当かは知らないが)

欧州では男女カップルになるべきという社会的圧力が強いため、男も彼女を持つのが当然ということになる。なので彼女を作らない男は同性愛者かnerd、オタクくんであるとみなされるわけである。オタクくんは彼女を作りたいけれどそれができない非モテ、不本意な非婚者つまりインセルとして馬鹿にされるわけである。少し前までは同性愛者たちは聖書の教えに反するとして場合によっては男同士で仲良く歩いているだけでぶん殴られたりしていたかもしれないのである。

幸か不幸か日本ではそういうカップル成立の圧力は強くないし、男同士で歩いていたとしても殴られることはない。欧州の基準は当てはまらないのである。

4 「結婚を全ての人に」の欺瞞〜MGTOWの道

左派の弁護士たちが「結婚を全ての人に!同性婚の推進!」とやっているが、家父長の役を降りた男たちはもはや結婚する積極的な意味はない。左派の弁護士さんだって同性愛者は「全ての人」に入ると認識しているだろうが、非モテの男たちについては別に人類の範疇に入れていない可能性だってあるのである。非モテ男たちが人間ではない動物であれば人と結婚させる必要はないであろう。「全ての人」に含まれているのはおそらく同性愛者たち性的マイノリティと女性、そしてバービー人形のケンのような爽やかなイケメン男性だけなのではないか。インセルと馬鹿にされる非モテ男たちについて彼女たちが「全ての人に結婚を」の中で言及した事例はほぼないのではないかと思うのである。

彼女たちが求めているのは家父長制の打倒であるから男の権威の失墜である。非モテ男たちを馬鹿にして人間扱いしないというのはフェミニストにとっての一種の勝利(宣言)であるかもしれない。

そういう中では男の取るべき道は爽やかイケメンホストとなって女性に何百万もしくは一千万以上貢がせて新大久保の公園で立ちんぼをやらせるか爽やかに結婚を諦めて別の人生を送る。つまりMGTOWの道に進むことであろう。結婚したいのだけれど不本意に結婚できないのだというインセルは女性たちから蔑まれる存在であるが、「だが断る」と自発的に非婚の道に進む男性はいくらミサンドリーの女性たち、フェミニストの闘士たちでも黙って見送るしかないであろう。

いや私は小児科専門医(更新しちゃった)としては少子化は避けたいという気持ちは山々なのである。これから成人するであろう我が子らにも「幸せな結婚をして、孫の顔を見せて」と言いたい気持ちはないわけではない。けれどもそんなことをリアルで言うとフェミニストの皆さんや左派リベラルの皆さんが「結婚は出産子育てのためではありません」とか要らんことを言いにくる可能性は少なくないわけである。左派リベラルの小梨の皆さんも「自分は子供ができなかったけれど結婚しているのだ。我々を否定するつもりか!子供の生まれない同性婚万歳!少子化万歳!子供など産むな!日本が少子化で滅亡しても私はその時には死んでいるから責任はない!」という呪いの言葉を掛けたくて仕方がない様子である。

こう書くと愚かさの限りであるとは言える。フェミニストさんも「こんなのは非モテ男の妄想。私だけはイケメンな彼ピと幸せな結婚をして子供にも恵まれるのだわ。非モテ男のような人類以外の生命体は近寄ってこないで!」とか言い出しそうである。

実際、寄っていかなかったからこそ今の少子化が起こっているのである。

5 少子化の現状

令和3年の国勢調査のデータから今の生涯未婚率は男では28%である。3割近くの男が45〜55歳の統計において生まれて一度も結婚していないということになる。ここには団塊ジュニアの多くが含まれるであろう。第三次ベビーブームが来なかった大きな原因だということになる。

女性は17%である。男性が再婚するのはおよそ1割であるということであるから女性で男より10%生涯未婚率が少ないのはバツ1男性と結婚したからではないかと推察されるわけである。

それでも例えば200万人/年の団塊ジュニアにおいて女性がそのうち100万人として、83万人しか結婚しなかったということであれば出産数の減少に与えるインパクトは大きいだろう。ちなみに、令和4年度の婚姻件数は50万4873組であるという。(団塊ジュニアが結婚したであろう平成10年ごろは婚姻数は80万組程度であった)多分、今、結婚している1990年代生まれの人は年に120万人くらいいるのでそれくらいなのだろうと思う。もしかすると、コロナの影響で結婚を控えていた人が結婚することでわずかくらいは見かけの婚姻数は増えるかもしれない。

厚労省の人口動態統計を見ても従前の女性の出産年齢のピークであった30代前半の出産数はすでに30万人を切っているし、40代以降の出生数も減少傾向である。これはもしかすると、団塊ジュニアが40代後半〜50代に突入してしまったので流石に生殖可能年齢を卒業してしまったという事実を反映しているのかもしれない。今、不妊治療などで頑張っている年代はおそらくは1980年代生まれの人であろう。この世代は年に150万人程度出生している。今後は1990年代生まれの人が結婚していくだろうけれど、出生数が着実に減っていっている影響で婚姻数も減り続けて出生数も減るという負のスパイラルに陥り続けている。

6 離婚とその対応

今後は団塊ジュニアも高齢化して、2040年には65歳以上の高齢者になるだろうが、子供はどんどん減って行くことは避けられない。個人主義の高まりから平成年代には離婚件数が激増したが、近年は減少傾向にあるようである。やはり離婚では育児の担い手が減るわけで、特に子供のいる家庭では離婚により(母)親が育児負担と生活のための賃労働を一手に引き受けなければならない負担の大きさというのが周知されつつあるのかもしれないし、そもそも婚姻数の減少から離婚件数の減少に至っているのかもしれない。

実家の両親などサポートしてくれる人がいる場合には良いが、そうで無い場合には一般にシングルマザーに比べて高収入とされるシングルファーザーにおいても離職して非正規職に移って貧困に陥ったり、生活保護受給に至る事例があるという。核家族においては他の親族からの救援や援助が望めない場合にはミゼラブルな状態に陥るリスクがあると言えるし、その状況が不適切な養育やネグレクトなどの虐待につながるかもしれないという危険は看過できるものではない。

それに対しては女性こそがリプロダクティブヘルスライツとして全ての権利を有するために男が全て負担せよという意見はある。今の日本では離婚後単独親権であり、離婚後はその9割近くで母親が単独親権を得ているという現実がある。その中で、父親は別居親として多くが養育費も支払わずに義務を放棄しているという考え方である。この養育費の支払いを義務化して、支払わない場合には預金口座の差し押さえを行なったり、住居を母子のために明け渡させることを義務化して、婚姻時と同じように別居親の財産を母子が自由に使用できるようにすれば別居親は働いても給与がなくなるので餓死するかもしれないが、母子は安心して暮らせることになる。もちろん、別居親の労働は義務であるから勝手に離職したり転職することは禁止にされるべきで、別居親は自発的に収入の全てを母子に差し出して幸せな人生を送ることができる。別居親はホームレスで食費もなしに生きて行くけれど、それはやむを得ないことになる。男女平等の世の中であるから女性の幸せのために全てを捨てて貧困に陥るのは男性の権利ということになる。

逆にちょっと病気したとかいう説得力のない理由で離職したり養育費を支払わない男は例えば、病気療養に払えるお金があるのならそれを母子に渡すのが当然だということで保険を取り上げて病院にかかれないようにすべきだろうし、生活費をとりあげて母子に渡せば母子が幸せになるわけである。そのために男が餓死しても権利は全て女性のもの。母親の親権を尊重して即身成仏するのが男の役目ということをコモンセンスにするべきではないか。男が死んでも死体のままゾンビとなって働いてその給料を母子に送ることは可能なはずである。

今は男だって親であり、離婚したからと言っても父子の関係は存続するのだから新しい関係性を築くために離婚後共同親権という制度を確立してその関係性の中で育児を続けていこうという意見があるが、シングルマザー団体の人は大反対のようである。親権は人権ではないのだから父親に人権は不要である。ただお金を払うマシーンとして債務奴隷となって強制労働に就かせよ。その収入は母子のために使えばいい。そうすれば母子にとっては経済は婚姻中と変わらないし、元父親の小遣いや食費を考慮しなくて良くなる分、離婚弁護士さんへの弁護士費用の支払いにも充てられるはずではないか。共同親権などは元父親の元人間を債務奴隷ではなく自由人として扱う話になるので親権者たる母親に対する侮辱になる。あくまでも奴隷は奴隷らしく人間ではないのだという前提にしなければ家父長制の存続であり、男尊女卑になってしまうので男女平等にはならないというのである。男女平等の女尊男卑の社会では男から人間性の剥奪を行なってこそ男女平等、ジェンダー平等が成り立つし、経済的な自由があってこそ女性の自由が成り立つわけである。古代アテネの直接民主制だって市民を支えるためには多数の奴隷が必要であった。

一つだけ問題点がある。シングルマザー団体や離婚後共同親権反対派が言うように離婚父に対して債務奴隷的な経済的収奪を行なってしまうと、もちろんながらその男は貧困に陥ってしまうのである。シングルマザーたち、フェミニストたちにしてみれば「それで何が悪い。男どもザマアミロだ。」ということになるが、貧困に陥った男たちは再婚する能力を失ってしまうのである。そうなると、今、バツイチ男性と結婚している女性の結婚相手が消えてしまうわけである。つまり、男性と女性の未婚率が一致する方向に行ってしまうことになる。今、男性の生涯未婚率が28%だとしたら、女性の未婚率もそれに近くなってしまう可能性が高くなる。

しかも、男性の中には離婚によって悲惨な末路を遂げた男たちの姿が嫌でも目に入ってくるわけである。女性と結婚すると後が怖すぎるということになれば自発的に結婚しない人生を目指す男性はもっと増えるかもしれないのである。そうなると未婚の女性はもっと増えてしまうかもしれない。

そうなれば婚姻しない、いわゆる内縁関係はどうかということになるが、離婚後共同親権絶対反対の人たちは「強制認知」を叫んでいる人も多い。未婚でも妊娠して生まれた子の父親は強制的にDNA鑑定して父親と認められたら強制的に養育の義務を負わせるというのである。内縁関係ではそもそも母親単独親権である。そうなると、たとえ父親が学生でも強制退学させて強制労働に就かせて搾取するということになるかもしれない。フェミニストさんの想像上の「理想の世界」では男が結婚してもしなくても奴隷として搾取されるリスクは大して変わらないのである。

そういう世界が到来するならば、男の取るべき道は自分の安全を保つ一番の方法はもう女性と共には進まない。我が道をゆくというMGTOWという選択肢が最良のものになるかもしれない。どこかのnoteで読んだけれど、古代ギリシャでも男たちはだが断ると女性との結婚を断って冒険の旅に出かけたそうである。そして古代ギリシャ世界は滅亡の危機に瀕したそうである。現代のフェミニストたちは滅亡万歳!男どもが滅びるぞ!ザマアミロだ!と叫ぶのだろうか。そしてラグナロクが起こるわけである。

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