新型コロナ 自粛太りで糖質制限を始める方への注意!
コロナ外出自粛で太る人が続出
2020年4月7日、緊急事態宣言が発令されました。
これより前からスポーツジムでは営業を自粛したり、利用する側も感染を心配してジム通うを中止していた方が多かったのではないかと思います。
緊急事態宣言下でも「運動や散歩のための外出」は可、とされていますが、実際のところ急に散歩やジョギングを始めることは難しいですよね。
特に昨今は筋トレブームのため、「筋トレは好きだがジョギングは嫌だ」と言う方も多いのではないでしょうか。
私の本業である生活習慣病外来においても、この数ヶ月で体重が2kgほど増えている方が多いです。糖尿病の患者さんは血糖値が上がっている方が多いです。
糖質制限の有効性は証明済
もはや完全なる市民権を得た「糖質制限食」
多くの著名人が糖質制限食で大胆な減量に成功しています。
例えば、経済学者の森永卓郎さん、タレントの松村邦洋さんなど、20-30kgの減量に成功していることなども有名です。
糖質制限の有効性は、医学的にも多くの研究から証明されています。
実際に医療現場でも糖質制限で減量に成功したり、血糖値が改善する患者さんが多くいます。また、医師自身が糖質制限で減量に成功する例も多くみています。
もはや、糖質制限の効果は疑う余地はあまりないかと思います。
糖質制限の有効性と具体的な方法については多くのサイトで紹介されていますので、こちらでは触れません。
詳細をお知りになりたい方は、下記へサイトをどうぞ。
ロカボオフィシャルサイト https://locabo.net/
(本題) 糖質制限を成功させるために知っておくべきこと
繰り返しますが、糖質制限は有効性が科学的に証明されている上、その方法がわかりやすいため誰でも取り組みやすいツールです。
しかし、実際に取り組む上で知っておくべき懸念点を敢えてあげてみます
・継続するのに意志力が必要
・食費がかかる
・医学的・健康面での懸念:ガンや心血管病が増える?
継続するには意志力が必要
そうなんです。巷では糖質制限はわかりやすく簡単な方法と認識されています。確かに開始するのは簡単です。今日から主食を減らせばいいだけですから。
しかし、正直日本人、コメが好きなんです。
平均的な日本人の炭水化物のエネルギー比率は60%弱と言われ、栄養の半分以上が炭水化物から摂取されています。
いい意味でも悪い意味でも、これらを制限することのインパクトの大きさが想像されます。
私の印象では、高齢者ほど炭水化物好きなようです。
その一因として、昔の食習慣(かつての日本ではエネルギー比率70%以上であった)に慣れていることや、咀嚼の問題で炭水化物以外の食品が食べにくい、などの原因も挙げられます。
糖質制限食ではその明確な定義はありませんが、少なくとも炭水化物比率を45%以下、より高度のものでは25%以下にまで制限することになります。
結果、高齢者で糖質制限を上手に続けられる方を私はあまり見たことがありません。
糖質制限論者の傾向として、自身の成功体験を元に人にも推奨する方が多いですが、成功する方は意志力の強い方が多いです。社会的にも成功されている有名人や経営者、医師たちが糖質制限で成功しやすいのは、もともと意志力が強いことが一因と考えます。
食費がかかる
それなりの強度の糖質制限を行うとすると、炭水化物での栄養摂取を1日あたり、500kcal減らす形になります。では白米で500kcalとはどの程度になるでしょうか。
https://ameblo.jp/nonn0602/entry-12238967312.html (「のんのブログ」より筆者加工して引用)
上記の写真がご飯150gでカロリー計算では240kcalとなります。
したがって、500kcal減らすためには毎日写真のご飯約2杯分減らすことに相当します。
この替わりに、野菜や肉類、卵、乳製品などを購入することになります。
ご想像の通り、お金がかかりますよね。糖質制限でお金のかからないものとして思いつく食品は、豆腐と納豆ぐらいでしょうか。
しかもこれらにも糖質が入っていない訳ではありません。特に芋類や豆類、乳製品の一部には無視できない量の糖質が含まれてしまっています。
つまり、経済的な余力がない方は、特に糖質制限食の継続が厳しい可能性があります。
糖質制限 健康面での懸念点と医学的議論
この件については、以前より賛否両論があります。
日本糖尿病学会においても、下記URLで示される通り、その賛否の立場を保留している状態である(2013年3月時点)。
科学的な賛否があるため詳細は避け、端的に以下のような健康上の懸念があることのみ記述します。
・脂肪摂取過剰となり、血液脂質異常(コレステロール、中性脂肪)を招く
・ガンや心血管病が増え、死亡率が上昇する(?)
ある研究によると、糖質制限の程度にはよるものの、ガンによる死亡率、心血管死(心臓病や脳卒中)、ひいては死亡危険度が上昇することが懸念されている。(Ann.Intern.Med.153(5),2010,289-98)
また、全く科学的ではないのですが、よく話題に挙がるのは、
糖質制限を基本としているプロレスラーや格闘家は短命であることや、糖質制限ダイエットの第一人者と言われていたライターの桐山氏が61才でホテル室内で急逝された件などがあります(科学的データはなく、個別の事例ですので判断は読者に委ねます)。
以上、今回は糖質制限の注意点に重点を置いて記載させていただきました。
結局「食事の取り方も自己責任であり、自分の頭で考えなさい」ってことでしょうか?
執筆者 ウエスト
あなたの人生に役立つ知識と教養を提供します
http://intelligencenerg.sakura.ne.jp/wp/
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