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【無料記事】アニメと実写
井出 あぐり様の素敵なイラストを使わせて頂きます。ありがとうございます。
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実写とアニメの本質的な違いというのは、画面を絵や CGで描いているかどうかではありません。
最大の違いは、「画面に対する支配欲求」にあります。
実写映画は舞台演劇から、舞台演劇は戯曲から発生しています。
いちばん最初の詩の朗読、あるいは戯曲の段階では、作者一人の世界観を語るものでしたが、それが舞台や映画になり、出演する役者の個性も含めた作品になっていきました。
一方で、アニメはどうでしょう。
一つのフレームに複数のキャラクターが映っていれば、アニメーターはそれぞれの表情を描きますよね。
これは、演技者ではなく演出家の発想です。
アニメに演技はなく、表現しか存在しないんです。
『シン・ゴジラ』では、役者に演技の自由を与えません。
背景にはどんなかたちの雲があるのか、画面にはどんなセットが映り込んでいるのか。
監督のイメージを一〇〇%実現し、画面の支配率を上げたいという欲求によってつくられた映画。
それがアニメであるということです。
演劇の延長線上の映画ではなくて、アニメの延長線上の映画になっていく。
CMなのか、映画なのか、ゲームなのか、アニメなのか、わからないような映像が増えていくと思います。
—『大人の教養として知りたい すごすぎる日本のアニメ』岡田 斗司夫著
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