見出し画像

自分で買いたいデザイン。

それ、自分のお金出して買う?

商品の取材をしたとき、必ず自問自答。デザインライターと名乗る以上、真剣に見て考えます。

買う。買わない。

どちらでも、その理由を考える。どこかいいと思った? どこが好き? なぜいいと思わない? どこが、どうして気になるの? 価格? 機能? デザイン? ブランド?

日頃から、本当に思ったことしか言わないと決めています。いいと思わなければ何も言わない。意見を求められたら、自分の考えを伝える。審美眼を磨き続けるためにも、信頼されるためにも。そのためには、ちゃんと見て考えなくちゃ。

特に最近、気になっているのが、ブランドやイベントのロゴマーク入りの商品。シャネルのようなパワーのあるブランドではなく、立ち上がったばかりだったり、まだブランド力が高まっていないところのもの。

そのロゴマーク入りの商品、自分で買って自分で着る? 

自分で買って友だちにプレゼントしたいと思える?


自腹を切れるかどうか。

この考え方は、D&DEPARTMENTが発行する「d design travel」の「編集の考え方」に影響を受けたものです。

編集の考え方。
-必ず自腹でまず利用すること。実際に泊まり、所在し、買って、確かめること。
- 感動しないものは取り上げないこと。本音で、自分の言葉で書くこと。
- 問題があっても、素晴らしければ、問題を指摘しながら薦めること。
- 取材相手の原稿チェックは、事実確認だけにとどめること。
- ロングライフデザインの視点で、長く続くものだけを取り上げること。
- 写真撮影は特殊レンズを使って誇張しない。ありのままを撮ること。
- 取り上げた場所や人とは、発刊後も継続的に交流を持つこと。    (「d design travel」より)

ちなみに「ありのままを撮る」という編集の考え方にも共感。特に最近、写真映えしすぎて、本物見てがっかり=ブランド力を下げているケースが増えていると思う。

・・・

最近、自分で買ったものでお気に入りは、D&DEPARTMENTのリサイクルエゴバッグ。

廃棄されたエコバッグをレスキューして、丁寧に洗濯後、dのリサイクルのメッセージをプリントしたもの。店頭で買い物をすると購入できます。

仕組みもいい!

ちょっと見えづらいですが、私が選んだものはミネラルウォーター・ボルヴィックのロゴとイラスト入りのエコバッグです。

ボルヴィックのエコバッグのままなら「タダでもいらない(だから誰かが捨てたのだろう)」。

だけど、dのメッセージロゴが入ることで「お金出してでも欲しい!」と思える。

デザインの素晴らしさであり、面白さ。

dの社会性のある活動にも、心から共感しています。

でも、dで販売している商品全てが好きかといえば、そうとも限らない。かなりたくさん買っているので、大半は好きですけどね。

長年コムデギャルソンの服も好きですが、好きなものが多いだけ。コムデギャルソンであれば何でもいいわけじゃない。

今はなき文化屋雑貨店は、ある時期からお土産を意識したようなロゴ入り商品をたくさん販売するようになり、なんかダサくて嫌だった。ファンだったけど熱が冷めて、次第にお店にも行かなくなっちゃった。

ロゴ自体がダサいとかじゃなくて、ロゴ入りがダサかった。きっと大人の事情があったのだろうなぁ。

ロゴマークのデザイン性と商品の価値がイコールになるとは限らないし、ブランド認知のための商品展開がブランド力を下げてしまう可能性も含んでいる。ロゴ入りの商品展開は、とても難しいことなのだと思う。

デザイン会社で働いていると、サンプルをもらえたりするから自分で買う機会は少なかったりもする。だからこそ、自分で買うかどうか考えることって大切なはず。それは出版の仕事でも同じ。有料メディアに携わる、私自身にも言えることです。

それってお金払って読む価値ある?


さて。今日はめちゃ早起きして書きました。このあと、締め切りの原稿を仕上げて送り、11時からはオンラインミーティング。午後はアポ取りや画像の取り寄せ、原稿書きなど、やることは山積みです。ありがたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?