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山中伸弥さんも読んだ科学者のエッセイ

 当時住んでいた街には古本屋が多くあった。山側へ上がったところの古本屋は、本の種類が多く珍しい洋書がたくさんある。
適当に積み上げられた本が乱雑に置かれていて通路も狭い。
ここの店主は、買い付けばかりして整理が追いついていないのだろうと、奥に座って店番をしているおじいさんに目をやった。

 とりあえず、手前の山から物色する。
よく見ると、それぞれの山が分類されていることに気が付く。
「お、やるな!」
おまけに古くて見たこともない洋書がある。年代ものだと感じるくらい、少し茶色かかっていて作者も聞いたことがない人の名前が書かれている。
遠い昔、誰かが書いた書物が、現代人の手の中にある。そう思うとワクワクする。

 奥に座っている店主をちらりと見る。
ぼーっとしているように見せかけて、実はすごいおじいさんなのかも。
おじいさんは、片手に本を持って首を少し傾け読みながら店番をしている。
おじいさんの時間だけ、ゆっくり流れているようで羨ましかった。
それを感じたくて、週末になると必ずここの古本屋に出向いて行った。

 
以下の2冊は科学者が書いたエッセイ。

①Surely You're Joking,Mr.Feynman!(ご冗談でしょ、ファインマンさん)
有名科学者のエッセイ。英文が読みやすく辞書がなくても理解できる。
幼少期から、「なぜ?」と思ったことは、とことん突き詰めるファインマンさん。
だから、あなたは天才なのね、と感心する。

 洋書を読むのが苦手な方は、電子書籍版をおすすめする。
分からない単語を指でタッチすると、その単語の意味が出てくるからスムーズに読める。




②君たちに伝えたい3つのこと 
一流科学者が書いたエッセイで、iPS細胞の山中伸弥さんも読んだという本。


 安定した平凡なルーチンワーカーか、それともハイリスクなクリエイターか1度きりの人生、君ならどっちを選ぶ?
ルーチンワーカーではなく、クリエイターを目指そう!と著者は言っている。

クリエイターとは、作家、画家、作曲家、プロスポーツ選手など。
最近だと、You tuberもクリエイター。
とはいえ、世の中のほとんどの人は、ルーチンワーカーだ。
夢や理想があっても、現実はそうではない。

『大リーグで力を試したいと言いながら、草野球をしてはいないか』

この言葉、胸がズキッと傷む。
時間と才能が欲しい。


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