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失ってから気づく

 人はなぜ失う前に気付くことが出来ないのだろう。当たり前だった存在が、ある日突然、自分の元から離れる。二度と帰らぬ存在になった時、どんなに嘆き悲しんでも戻ってこない。そんな悲しみと後悔を経験したにも関わらず、また繰り返す人の愚かさ。
  
 少し前、お世話になった人がすごく落ち込んでいた。これまでやってきた研究は無意味だったのではないか、そして、もう研究を止めようかと思っていると言った。
 似たようなことを私も言ったことがある。その時、相談に乗ってくれ、励ましてくれたのは、この方だった。だから私も全力で励ました。
 数日後、以前のように明るく、何事もなかったかのように研究を続けるという言葉を聞き嬉しかった。

 大切な人との別れは突然くるかもしれない。当たり前の存在が当たり前でなくなる時、後悔したくないと願う。

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