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小説家の頭の中

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日々のこと。書籍化にいたるまでの話など。
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#エッセイ

国が乳母になることで少子化問題は解決する

 子供は宝。その宝が減っていくと、日本がこれまでの日本でなくなる。海の向こうから来る人々の数が増えると当然、国のありかたが変わってくる。日本人は数で負けるからだ。  生物の世界では、親が生まれたばかりの子供を食べてしまったり、子育てを放棄し死なせてしまうものがいる。 人間界でもそうじゃないだろうか。 人間は、動物と違い、みんな自制心があるわけではない。不倫が蔓延していること一つを取っても納得する。 子供を作る、産むはできても 子育てができない人は一定数いる。  人間は、親

テレビ撮影クルーとお店にムカッ💢

 ランチ開始時間に合わせて店の前に着いた。ガラス扉からテレビクルーとテーブル席についている子供連れのママ友達が入口付近を陣取っているのが見えた。 ドアが閉まっていたので撮影中で入れないのかと思い立ち止まる。 同じように男女二人組も店の前に立っていた。 ふと見ると、ランチの看板が立ってある。 もしかして、やってんのかな?🤔 すると、男女二人組が声をかけてきた。 さっきから私の視界に入っていたこの二人組。てっきりカップルなのかと思ったらテレビ制作の関係者だったのだ。 この男女は、

隠れ貧困

 スマホを持って、ブランドロゴが入ったシャッを着る、そこそこの車、もしくは高級車を所有。こうしていれば普通の人に見られる。  自分をよく見せたいため、稼ぎ以上の生活をするとランニングコストがかかる。 それを維持するのは大変だ。 実は常にお金に困っている。 でも人に知られたくない。 そして、高額報酬のうたい文句につられ闇バイトに手を染め、逮捕され刑務所行き。 報酬に見合ってないのに人生を棒にふるなんてアホとしか言いようがないが、そういう人たちは目先のお金がどうしても必要なのだ

脳内麻薬とミス日本

 恋愛は脳内麻薬が出ているので、止めようとすると、すごい勢いで引き戻されるから苦しむ。それでも苦しみ抜いた後には、嘘みたいに冷める。早い段階でそれに気づくとができれば傷は浅い。ほとんどの場合、それができないから苦しむ。 不倫に苦しむ人は、薬抜きのような治療が必要だ。 苦労して手に入れたミス日本グランプリ。 1人の既婚男性に惹かれたばかりに辞退しなければならなくなった。掴んだものが一瞬で抜け去る。そして既婚男性は離婚しない。 彼女は何を掴み取ったのだろう。  昭和と違い令和

猪木さんがつくった新日本プロレス

ファンになった経緯 こんな私でもストレスがあるそうで、しばらく体調を崩す。食事に気を付けること、薬、薬、薬。 突然死の可能性があると言われ、検査でわかって良かったと思う。  そんな時、知り合いに「元気になって」と紙袋を渡された。中身は新日本プロレスのDVD。 これを機に、私がプロレスファンになったら一緒に語れる、最終的には一緒に観戦できるかもと期待したか?と思いつつ笑顔で受け取った。  ながらく使っていなかったDVDにディスクを挿入。 最初の3試合は、はっきり言って大学

研究に参加する

 最近、身の周りで起きる良いことも悪いことも全て自分の糧になると思えるようになった。 自分がどうなりたい、どんなときに幸せだと思えるのか。決めてしまえば、その場所にいけるよう自動的に道ができる。途中、辛く苦しいことがあったときは流れに逆らわない。 まだ、ここからエベレストは見えないし、富士山も見えない。  10月になってから、ある人に声をかけていただき、研究に参加することになった。 研究の内容について詳しくは書けないが、私にできることがあるならと返事をした。  研究室に入

コンビニ店員さんの時給を上げるべき

ふと、新しいことを試してみたくなった。世間の人から今頃なに言ってんの?と思われるかも知れない。普段、昭和な生き方をしている私が最近、2つのことをやってみた。 1.アマゾンで注文した商品をコンビニで受け取る。 2.コンビニでの買い物をラインペイで支払う。 この日のために、スマホでマニュアルを熟読。 ドキドキしながらレジの前に立つ。 できた! その瞬間、心の中でガッツポーズ。店員さんの前では冷静な態度をする自分がおかしかった。 ここ数年でコンビニで出来ることが一気に増えたよ

光陰矢の如し

 楽しい時間は一瞬にして過ぎ去る。  その日の夜、朝が来るのが待ち遠しかった。一晩なんて寝てしまえば一瞬で朝になる。 そして朝が来て、楽しい時間が始まると瞬く間に時は過ぎ、あっという間に夜になり別れの時間がやって来る。  この一瞬で過ぎ去る時間感覚を何度も体感すると、まるで誰かに魔法をかけられたような不思議な感覚に陥る。  この時間感覚、どうすれば長く感じることができるのだろうと考えたことがあったが、時を止める術はない。 目の前にある楽しい、嬉しい、幸せ、といった感情。そ

失ってから気づく

 人はなぜ失う前に気付くことが出来ないのだろう。当たり前だった存在が、ある日突然、自分の元から離れる。二度と帰らぬ存在になった時、どんなに嘆き悲しんでも戻ってこない。そんな悲しみと後悔を経験したにも関わらず、また繰り返す人の愚かさ。     少し前、お世話になった人がすごく落ち込んでいた。これまでやってきた研究は無意味だったのではないか、そして、もう研究を止めようかと思っていると言った。  似たようなことを私も言ったことがある。その時、相談に乗ってくれ、励ましてくれたのは、こ

山中伸弥さんも読んだ科学者のエッセイ

 当時住んでいた街には古本屋が多くあった。山側へ上がったところの古本屋は、本の種類が多く珍しい洋書がたくさんある。 適当に積み上げられた本が乱雑に置かれていて通路も狭い。 ここの店主は、買い付けばかりして整理が追いついていないのだろうと、奥に座って店番をしているおじいさんに目をやった。  とりあえず、手前の山から物色する。 よく見ると、それぞれの山が分類されていることに気が付く。 「お、やるな!」 おまけに古くて見たこともない洋書がある。年代ものだと感じるくらい、少し茶色か

太宰治について

 芥川龍之介「鼻」 この話、好きです。 長い鼻のお坊さんは、色んな方法で鼻を小さくすることに成功する。 これでみんなに笑われない。 そう確信していたのに、前より笑われるているような気がする。 悩んでいるうちに、ある日、元の鼻に戻ってしまう。 これで、もう誰にも笑われない。    世間は、長い鼻を気にしているお坊さんのことを笑っていたということ。 コンプレックスを悟られまいとするお坊さんに人間らしさを感じます。 短編なのに深い内容で、さすが!芥川龍之介です。

小説の技法

 以前はどこにでも本を持って出かけていたが今はスマホで読むことが多くなった。 お蔭でカバンが軽くなり肩こり解消に繋がっている。  短編小説が、一次審査を通過して、まず読んだ本は ・書くことについて(スティーブンキング) ・文章読本 (三島由紀夫) この2冊だった。  三島由紀夫の文章読本には、いい情景が書かれている。 とてもじゃないけど、真似できない。 一流の作家は、情景で人を唸らせることができると理解した。  ネットで小説講座と題して読者の質問に答えている作家の意見を

博士号取得、その後は

 博士とは、大学卒業後に大学院の博士後期課程を終えた人が得られる称号で、研究職や教授職を目指す人が進む道です。 日本では、ほとんどの人が学士や修士のまま就職する人が多いかと思います。  博士は、研究者として出発します。ポスドク(博士研究員)から始まるのですが、博士号を取得できたとしても、すぐに仕事ができるかどうかわからない厳しい世界です。 「かざみどり」は、最初、大学生が抱えている悩みや奨学金 (学費ローン)について書こうと思い始めました。  瀬戸颯太(せとそうた)は、

濹東綺譚で永井荷風が言いたかっこと

 濹東綺譚(ぼくとうきたん)は、永井荷風の短編小説です。 作家 (荷風)が一人の娼婦に入れ込み、足しげく通うという内容ですが、完全に割り切った間柄でなく会話が粋です。 商売なんだから、お金を払ってお世話になったら「はい!さようなら!」でいいはずなのに。 遊び慣れた荷風だから、娼婦に対しても愛を持って接していたのかも知れません。  さんざん女遊びをしてきた荷風ですが性欲の衰えを感じる年齢になっていきます。 「花の散るが如く、葉の落(おつ)るが如く、わたくしには親しかっ