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【入社エントリ】経営者を経て正社員という生き方を選んだのは、夢と愛に溢れた組織に出会えたから

明けましておめでとうございます。

Contrea株式会社Corporate Strategy兼株式会社MAGiC HoUR代表の西尾です。

経営者の2年間、思い描く曲線を描けたか

2020年の年末に起業をし、2年間経営者として自社他社あわせて8つのサービスの立ち上げに関わりました。これが多いのか少ないのかはなんとも言えませんが、自分としては”こんなもんか”と思っています。
また、借り入れも調達もすることなく、なんとか自力のみで生き延びることが出来ました。ここに関しては賛否があると思っていて、結果論としては個人的には英断でした。オードリーのボケとツッコミを入れ替えたくらいの英断でした。

自分なりには色んな想いを持って起業をしたものの、一方で経営者という職業の向いてなさは早くから感じでいました。
経営者は、総合格闘技です。特化型の能力パラメータでは躓くポイントが多く、それを乗り越えるには初期からお金をかけていく必要があります。
ここを突破するために多くの経営者は融資を受けたり調達したりして初期のブーストをかけるのですが、自分にはどうしてもその決断が出来ませんでした。
理由の一つが自信のなさ。僕はそもそも「経営者には向いてないだろうな」と思いながら起業をしています。それでも起業という選択肢をとったのは「まだ見ぬ方程式で世の中に残るものを作りたい」ということと「良い人がちゃんと評価される社会にしたい」という気持ち、そして「いつか最高のサービスと最高のチームに出会えたら、最高の手札として加えてもらう経験値と能力が必要」ということを考えてチャレンジをしました。
もう一つの理由が初期段階で複数の受託をもらえていたからです。起業初期から手を差し伸べてくれて仕事をくれた方々のおかげで、様々なチャレンジングな環境と経済的な安定を持つことが出来ていました。主に事業を立ち上げるフェーズに関わらせてもらっていたため、「受託だから意味がない」とは言えなくくらいの価値ある時間を過ごすことが出来ました。ただ、生活できるラインではあったものの、会社にブーストをかけられるほどではなかったことも確かで、それによってゆるゆると経営に関わる全ての仕事をやっていました。(あとは苦手なことを助けてくれる友人の存在も大きかったです。)

そんな起業初期の段階で他の経営者と目指しているものや、意識の低さみたいなものを自分で感じていたことも事実で、その中でこのまま続けるのか迷っていたことも事実としてはあります。

ただ、そんななかで、「UMI」の構想は自分のなかで感触あるものでした。

クリエイターの良質なプラットホームを作るという思想のもとにつくったこの仕組自体は誰にとってもメリットのある構造で、これを前に進めていくことでようやく経営者としての歩みを進められる、そんなことを考えていたような気がします。

それでも、案件をいただけて関わるクリエイターの方が増えていくなかで、これを大きくしていくことは自分のなかにある欲求と向き合う必要があることを突きつけられました。
「仕組み」は誰かに渡せば社会を前に推進させることは出来るけど、自分のものとして大きくするというのは、自分自身の名誉欲求とか承認欲求とか、金銭的な欲求とかそういうものがなければ自分でやる意味みたいなものはないな、ということです。

「人生に必要な登場人物がそろった」先に何を求めるのか

経営者として迷いながら、半歩ずつ歩を進めるなかで、もう一つ大きなイベントがありました。
それが結婚であり、2022年の秋に開催した結婚式です。

誰かに必要とされなければしんどい人生だなあと思っていた僕にとって、これまでのいろんな挑戦はまさしく「誰かに、欲を言えばまわりの友人に面白いと言ってほしかった」ことのためにあったことでした。
がむしゃらに、あまり周りを見ることも出来ずにとにかく何かユニークなことをしていかないと、実はつまんない人間だってバレることがとても怖くて生きてきた、そんなような気がするのです。

結婚を通じて人生がシングルスではなくダブルスになったこと、そして結婚式というイベントの準備を通じて自分の人生にこんなにも手を離したくない大切な人たちがいたんだということに改めて気付かされました。

自分には大事な人たちがいて、その人たちが幸せな人生というのは、結構いい人生なんじゃないかと思っていて、それならば、僕の人生に必要な登場人物はすでに揃っていて、みんなの幸せを祈り、時にサポートして、時に助けられるような人生ならばそれ以上望むものはないよな、というのが僕の一つの人生観として結論が出されたのです。

そうなると、改めて我欲にまつわるあらゆることへの関心は落ち、これまで以上に「自分がどうこうなるためには頑張れない」という精神状態になっていました。
ただ、最低限生活するだけの仕事はあるし、まあこのままなんとなく過ごしていても辛くもないし焦りもないしいいか、、、みたいなそういう低空飛行の感情が地面スレスレで飛んでいました。

美大でも行くか、暇だし

最低限の仕事と生活できるだけの収入、大事な家族と友人、あとは日々供給されるお笑いやバラエティ、映画や本や漫画があれば十分幸福に生きていけるということがわかったなかで、かくも珍しい多幸感のある無気力が爆誕し、ふわふわと日々を浮遊していたわけですが、さすがに30歳という年齢でこれをそのまま続けることに疑問を持たないわけでもなかったのでした。

友人も同時期、もしくはあとを追うように起業家が増え、彼らの何らかの役に立つことができればキャリアプラン的にもそこまで曲がっていもいないし、なんだかやりたいことはだいたい叶えられてしまったなという感覚。

そうなると、やり残していた気がする「美大生になりたかった」という過去の夢でも精算しようかなと考えていた矢先、妻からある会社の相談に乗ってもらえないかと言われたのでした。

あの、僕で良ければやりましょうか?どこまで役に立つかはわからないんですけど

Contrea株式会社という社名は聞いたこともなかったし、医療に関するドメイン知識も薄かったのですが、相談内容は「一人目コーポレートの採用要件」でした。

ここは会社の思想によりけりだと思うのですが、僕は大きく分けて「内製化を最速で終わらせる」か「組織に投資をしていく」かの二択だと思っています。前者はCFO的な人に入ってもらいながら会社の健康状態の把握を最速で行える仕組みをつくること、後者は経理などを外部にお願いしながら組織のルールや風土形成を重視して動くことという認識です。

Contreaという会社、そしてその代表である川端は迷わず後者を選び、そのうえで「いいサービスを世の中に普及させることと同じくらい良い組織を作ることにこだわりたい。だけど、自分にはその知見が何もない」ということを言っていました。

これまで、多くの経営者を見てきたつもり(人より転職回数も多いし)ですが、これを社員一桁の段階で真摯に悩み、多くの人からアドバイスを受け、しかも一人目コーポレートを組織に比重を置いた人にするというのを即答で答える人はあまり見てこなかったし、何よりもそこに対して「自分が変わらないといけないものは全部変えるから教えてほしい」と言える人って今後もそんないないんじゃないかなって感心したことを覚えています。

組織型とはいえ、経理や財務、法務にも知見があって、事業推進の経験もある人が良いのでは、という要件を伝えていくなかで正直むちゃくちゃなこと言ってんなって自分でも感じていたのですが、「そういう人をここから短期で探さないと…!」と前のめりになっていた川端の姿を見て、僕の起業の原点はこういう人が報われる社会だったよなということを思い出しました。
自然と「あの、僕で良ければやりましょうか?どこまで役に立つかはわからないんですけど」と口走っていて、その翌週にリアルでの会食、翌日からまずは請負で仕事を始めることにしました。

圧倒的バリュードリブンの組織での感動体験

働いてみてまず本当に驚いたのは、川端以外の7人の社員全員が「良い組織」をつくるために心血を注いでいることでした。

社員は7名とはいえ、業務委託・インターンのメンバーが30人ほど、その全員がContreaという会社に帰属意識を持ち、互いを尊敬し、助け合い、大きな成果のために労力を惜しまないという姿はちょっとした奇跡を見ているような気分でした。
今となっては自分の会社なのであまり褒めるのも気持ち悪いのですが、それでも、わけわからないぐらい、いい人たちがそこにはいました。

Contreaには3つのバリューがあります
・Reach Hands
・Go V Flight
・Make Domino Wave
簡単に言うと、「困っているメンバーがいたらすぐに手を差し伸べる」「ミッション達成のためにひとりひとりがオーナーシップを持つ」「大きな成果のために探索的に小さな有効打を打ち続ける」みたいなことなのですが、全員が日々これに沿った行動をして、日々この言葉が飛び交い、自分を律して事業を組織をつくっています。大げさでもなんでもなく、本当に日々、です。

関わって3日目、毎月月初の金曜日にはMEGA Dominoと呼ばれる成果報告の時間があり、そこでは各チーム成果を競い合うということはせず、単純にそれぞれがやったことをバリューに沿って褒め称え、また自分たちのやっていることを全員がわかるように丁寧に資料を使って説明するということをやっていました。
コーポレートが主体で、とか。
ビジネスチームが先陣を切って、とか。
コンテンツをつくっているチームだけがすごく資料がいい、とか。
そういう光景はいろんな会社で見たことがあるのですが、コーポレートもまだない会社で、ものすごい高い質の共有と称賛の文化。何よりもエンジニアのチームがこの文化の濃い組織の根幹を担うかのように、こうした社内横断のプロジェクトを先導している姿は、感動以上のなにかがありました。

ああそうだよな。
僕は自分の欲求の有無なんていうつまらないところで躓いちゃったけど、本当はこういう良い組織をつくって、いい人たちの作るものが世の中に出て、誰かを助けるということをやりたかったんだよな。

 ピアボーナスを社内のエンジニアが主導で運用され、毎日何かしらの称賛が飛び交う様子(あむさん本当にありがとう)
会社の根幹はバリューだから、それを体現出来ないなら会社の意味がないと言い切れるエンジニアが会社のものづくりを支え(飛龍さんは本当にえらい)
バリュー体現は自分の生き方に近いからと誰よりも見本であろうとするPdMがプロダクトの基幹を支え(ヒデさんがいないとここまでバリュードリブンにならなかった)
医学部生中心のインターン組織を超文化浸透した主体的な組織でコンテンツの制作基盤をつくり(響さん、元医師でこんなこと出来るのあなただけだと思うよ)
Bizチームの大きな巻き込み力で全社の文化浸透を本当に”毎日死ぬほど”目にするような環境をつくり(夢さんと中里さんの超絶強いエネルギーのおかげ)
役員チームが何よりもメンバーとミッションとバリューを大事にする利他の精神があるこの組織が自分の知らない誰かと夢を叶えるのを見るのは少し嫌だなという欲が自分のなかで出てきました。

バリュー合宿とか、業務委託のメンバー交えた日々の交流や文化の醸成については一つ一つが膨大な文字数になるほど緻密で熱量に溢れたものになるため、ここでは割愛するけれど、とにもかくにも、会社という組織体に関わってここまでの感動体験があったのは初めてでした。
請負で働いて3ヶ月、川端から「正社員でやってもらえますか?」というオファーを快諾し、2023年1月より正社員になることを決めました。

医療を通じた安心の醸成はマイナスをゼロにするのではなく、大いなるプラスだと思う

Contrea株式会社は「医療にかかわる全ての人に安心を。」というミッションでIC領域のプラットフォームの構築を行っています。

MediOSは医療者が患者さんとの本質的な説明に注力できるように支援するクラウド型 インフォームド・コンセント (IC) 支援システムです。
患者さんが納得・安心して治療を受けられるよう、多くの医師が説明時間を大切にし、時間をかけて説明しています。
一方で、厚生労働省の調査では、医師の時間外労働の発生理由の第3位に「患者(家族)への説明」があがり、働き方改革を推進する上での課題となっています。
私たちは医師と患者さんの対話によって生まれる信頼関係を重視しており、限られた時間の中で最大限引き出せるよう取り組んでいます。
業務効率化は勿論のことながら、患者さんとの信頼関係構築に集中していただきたいと願っております。


この業界に関わってからよく、「医療というものはマイナスをゼロに戻す領域である」ということを耳にします。
しかし、医療関係者ではないからこそ、それは違うのではないかと思っています。
例えば、インフルエンザが不治の病だとしたら、僕たちは家から出ることをやめ、他者との関係を限りなく最小限に留めるのではないでしょうか。
薬で、予防で、医療を通じて病に対抗する方法があるから僕たちは安心して外に出て働き、あるいは娯楽に興じ、大切な人たちと惜しむことなく時間をともにすることが出来ます。
安心の最大化というテーマはこの「可能性」を最大限に広げるものであり、当たり前のように蓋をしている可能性がまだまだあるのではないか、ということに挑戦するのがContreaのミッションの真髄だと考えています。

挑戦権を得る人の少ない領域だからこそ、直接人の命というテーマに届く領域だからこそ、我欲で押し通すにはあまりにも難しい課題で、それゆえに「いい人」たちでサービスをつくっていくというスキームそのものに大いなるバリュー(価値)があると信じています。

この会社の未来に賭けてみたくて、冬

さて、そんななかで今回こそ長く住み続ける(働き続ける)ことは出来るの?という声もあると思います。少なくとも、僕自身が1番僕に対して懐疑的で、3ヶ月間その確証を探し続けていたように思えます。

これまでの転職とは違うのは、今までは生活の柱=所属企業だったのが、いてもいなくても生活の方法はあるけどわざわざ所属するということで、今までよりもむしろわかりやすくなったのはお金や地位を見て会社を出るという選択肢はないことです。また、この規模だからこそ経営者とソリが合わないということもさすがにないと思います。(さすがにそうだとしたらもっと早く言ってほしい)

だからこそ、やめるときというのは明確に自分の役割がそこにはなくなったとき、つまり自分の能力が組織の拡大するスピードについていけなくなったときに訪れるものだと思っていて、それはむしろ10年先か20年先か、こないと。そしたらなんか、応援団みたいなことやります。
あとは「会社や、経営者や経営陣やメンバーが会社の未来よりも個人の目の前の欲を優先したら」だと思います。改めて、この領域の難しさと意義を考えた時に我欲を優先する組織にそのミッションを成し遂げられる未来は万に一つもないでしょう。
そうならないための僕の役割であり、だからこそ、それもやっぱり自分の力不足で出るということにほかならないのだと思います。

ああ、そうだ。何してるか全然書いてなかったので、一応書いておくと、コーポレートの立ち上げという形でバックオフィスのすべてをやっています。経理や労務の一部を外注先と連携しながらも、それ以外のすべて。若者のすべてくらいすべてやってます。
上場を目指しているなかで、どう考えてもリソース不足ですが、持ち前の明るさとユーモアで日々大量のタスクをこなしています。主にインターン生が。

引くぐらいいい人たちがビビるくらい良いサービスを毎日えんやらこんやらしてるので、興味ある人は一緒に働きましょう。マジで。
あ、いやマジでマジで。

褒め転がして、スタートアップ

褒めて褒めて褒め転がしてますが、そうは言ってもスタートアップ。
去年の今頃は社員0人。
整っているわけもなく、愛と勇気と友情と努力と勝利しかないのですが、アンパンマンもジャンプヒローズもびっくりなスーパーメンバーたちが人力であらゆる苦境を乗り越えています。

文化の血が濃いと言っても、ここから人数が拡大するなかでこの濃さを保つことが出来るのかはここからの大きな課題だし、入ってくる人たちが心地よく馴染めるのかも課題だったりします。もちろん事業面においては課題以外を探すほうが難しいくらいですが、脱出ゲーム行って全部の問題が一桁の足し算だったらわくわくしないように、こういうことは難しいほうが楽しいって相場が決まっているので楽しいです。

抽象度の高いイシューを長期視点の10Xで攻略していくことに楽しみを見いだせる人は本当にたまらない環境です。領域も人も文化も、圧倒的に誇れるものなので。

Contreaで作られる文化や、制度、事業やサービスは必ず将来大きな影響力を持ちます。そんなところの初期メンバーとして参画するチャンスがあるのだとしたら、飛び込まない理由ありますか?いいえ、ないですね。(反語)

会社というもの、組織というもの、仕事というものに期待が出来なくなった人こそ、まだあきらめないで欲しいです。きっと、いい人が良い社会といいサービスを作る未来があるから。だからみんな、いいやつではいてくれ。いいやつにはチャンスが巡る社会を作る。それを諦めたくないから、僕はContreaで頑張るんだ。

2023年1月西尾

メンバーの過去の入社エントリ置き場
① 最強の元脳外科医

② 最高のバリュー体現PdM

③ ピアボーナスでバリュー浸透を司る薬剤師エンジニア


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