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組織のデザイン実行力を高めるデザインプログラムマネジメント

こんにちは。root代表の西村です。
この記事はroot アドベントカレンダー2日目の記事です。

先日、日本最大級のデザインカンファレンス「Designship 2022」に参加し、「組織のデザイン実行力を高めるデザインプログラムマネジメント」というテーマで講演を行いました。

弊社はこの1年でデザインプログラムマネジメントに取り組んできたのですが、まだデザインプログラムマネジメントについて聞き慣れていない人も多いと思います。そこで今回は、Designship 2022での講演内容をもとに、この1年rootで実際に取り組んできた内容も踏まえながら、デザインプログラムマネジメントの概念について紹介します。

rootがどんな支援を行っているか

まずはじめに、rootがどのような支援を行うデザインファームか紹介します。rootは「Startup」「事業と組織」「伴走」の3つに注力し、デザイン面からクライアント組織の成長支援を手がけるデザインファームです。11月で10周年を迎え、11期目のスタートを切りました。

rootでは、組織におけるデザイン戦略から実行を伴走支援するアプローチを取っています。事業会社の中でもデザイン組織を持たない会社はたくさんあり、そういった会社が外部にあるデザイン戦略組織を活用してデザイン組織の機能を補う位置づけと捉えてください。

デザイナーはいるけれど、デザイン組織的な機能は果たせていないという会社も非常に多いのが現状です。その課題を解決すべく、私たちは外部からクライアント組織のデザイン内製化を支援する役割を担います。

デザインプログラムマネジメントとはなにか?

今回のテーマでもある「デザインプログラムマネジメント」とは、組織のデザインオペレーションを円滑にするための仕組みづくりと捉えると理解しやすいでしょう。

いわばデザイナーがパフォーマンスを発揮しやすくするための取り組みです。大きい企業の場合、デザイン戦略室がそれにあたります。

詳しくはnoteで記事も書いていますので僕の話で興味を持った人はぜひご覧ください。

この活動における課題

なぜ、この取り組みをしているのか。日本には「デザイナーとうまく協働できない」「組織内でUX推進がうまく進まない」という課題を抱えているチームがとても多くあります。

デザインはブラウザ上で簡単に共同作業ができるツール「Figma」の登場によって、オープンコラボレーションを求められるものに変化しつつあります。これまで特定のデザイナーの中で閉じて創発されていた活動が組織や事業に関わる者全体へ適応される構造へ変化している。これが1つの大きなイノベーションです。

デザイン活動にはコラボレーションが求められており、協働することがUX推進のキモであるとも言えます。これを解決するための取り組みの1つがrootが考えるデザインプログラムです。

rootのDesign Program Management

この1年、rootでは外部からの支援という形ではありますが、デザインプログラムマネージャーを組成し、複数のプロジェクトで実際に支援を行ってきました。今日は、その中で最も効果のあった取り組みを2つ紹介します。

2つのアプローチ

1つ目はデザインプロセスの導入です。デザイナーのみなさんはデザインプロセスを意識した業務を行っていると思います。これをプロダクトチームや組織全体で実行できているところは、どれくらいあるでしょうか? rootではこのデザインプロセスをチームの開発サイクルへ導入する取り組みを行っています。

まず前提として、デザインプロセスを3つのダイヤモンドに分け開発サイクルを定義します。ここで重要になってくるのは、各工程ごとの検討や企画過程に発散と収束のステップを折り込み、関係者内で足並みを揃えながら進行していくことです。

次に各ダイヤモンドの結節点となる工程にドキュメント運用を導入します。そうすると、関係者間で方針や決定事項に対しての共通認識を取ることができるようになり、ここにユーザーフィードバックを加えることでデザインプロセスが循環します。

2つ目は、戦略目標の設定です。

プロダクトチームにおいて事業計画や開発ロードマップは必ず立案されていると思います。
デザイナーのみなさんもよく目にするものだと思いますが、その一方でデザイン計画は立案されているでしょうか?

これは、よくあるスプリントサイクルです。

このスプリントサイクルの課題は、戦略を決めているのはデザインを理解した人ではない点、投資活動は戦略的に投資判断を行わない限りは実行されないという点にあります。

これを解消するため、rootでは時間軸を2つに分けデザイナーとデザインプログラムマネージャー(以下、DPM)で活動目標のベクトルをズラし、DPMはデザイン投資に対する戦略や目標設計を担い、プロダクトデザイナーのスコープに抽象度の高い戦略設計業務を負わない体制を整備するようにしています。
いわば、クオーター毎の開発計画にデザイン計画を織り込むアプローチを取っているのです。

この2つのアプローチを通じて、実行支援と中長期の投資判断の2軸を推進します。ただし、これを実行するだけでは取り組み自体は上手く定着していきません。重要なのは、この一連の取り組みを実践と振り返りのサイクルを構築し運用していくことです。これが組織へデザインプロセスを定着させる土台となる考え方になります。

過去取り組んできた事例ではデザインプロセスの定着を目標設定と連動させて運用してきたケースもあります。詳しくは実績ページもご覧ください。

rootが行っている支援モデル

rootでは事業と組織の2軸で成長フェーズを捉え、若い組織にデザイン支援を行います。スタートアップの創業期から伴走するケースもあれば、大企業で新規事業を作りながら複数事業へ活動を広げるケースも存在します。どちらにも共通しているのは、クライアント組織内にデザイン活動を内製化し自走できる体制の構築を促すという点です。私たちは組織のデザイン活動を伴走しながら強化することに大きな強みを持っています。

最後に

私たちがなぜこんな取り組みをしているかというと、自分もデザイナーであり、ものづくりが大好きだからです。誰かに自分が出掛けたものが届く瞬間って最高ですよね。そういう体験をできる人を組織内に増やしたいという思いがあります。

デザインは1人のデザイナーが扱うには大きすぎる役割となっており、オープンコラボレーションが求められる時代において、組織でデザイン活動を行える環境を作ることが必要だと捉え、私たちは組織のデザイン活動を支援する役割を担っています。

それを実現することが我々のビジョン。
Design Doing for Moreへつながると考えています。

デザイン組織を運営されている方やデザインプログラムマネージャーに関心ある方、ぜひ情報交換させてください。今後インハウス化が進んでいく中でDPMの存在は非常に重要なポジションになってくると捉えています。
まだまだ期待される役割や活動成果において事例が少ないため国内でもデザイン組織の運用と合わせ人材を増やす取り組みをしたいと考えています。

ご興味ある方はお気軽にTwitterのDMでコンタクトください!

明日はrootのマネージャーになった古里からのエントリーです!
お楽しみに


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