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「君はレフティ」を読んだ

「君はレフティ」 額賀澪  小学館文庫 を読んだ。

良かった。超良かった。

高校2年生の古谷野真樹は夏休み中に交通事故に遭い、記憶喪失になる。そんな古谷野を、同じ写真部に所属する生駒桂佑と春日まどかは温かく迎えてくれた。
文化祭の準備に明け暮れる中、ある日校内で落書き事件が発生する。他愛のないいたずらかと思われていた落書きだったが、古谷野はそれが自分へ向けられたメッセージに思えてならない。
事件の真相と失われた自分の記憶を求め、古谷野は事件を調べ始める
(額賀澪 公式サイトより)

文庫の裏には「学園ミステリー×純愛小説」とあるんだけど、純愛はちょっと違和感。
やっぱり青春小説の方が良いと思う。
あとがきを読むと、編集者から「恋愛もの」と言われて…とあるから、そこを強調したかったのかもしれないけど。

確かに、高校生の恋愛要素あるけど。もっと深い感情が描かれているし、そこに、こちらの感情も揺さぶられる。
記憶喪失前の古谷野真樹、お前は、なんて思慮深く、いい奴なんだ。

ミステリーとしても面白かった。
落書きの意味を探るうちに、次々と過去の自分を知らされる。
それを知らされた私は、先に読み進めたい一方で、もう一度ページを戻して心当たりの文章を確認したくなる。
とりあえず、進む方を優先したけどさ(笑)

読み終わったら、もう一度そこかしこを振り返ったよ。
あー、これはあれじゃん、とか、イヤだ、こんなところにこんなこと書いてたなんて、とか。

いや、それよりも題名の意味だよね。
「君はレフティ」

これはね、二回読んでも面白いと思う。
一回目は古谷野真樹の立場で読むと思うんだけど、二回目は生駒、春日、前園、それぞれの立場で場面を捉えると、また、ちょっと切ないよな。きっと。

ぜひ、読んでもらいたい本の一つ。

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