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「そして誰もゆとらなくなった」を読んだ

「そして誰もゆとらなくなった」 朝井リョウ 文藝春秋 を読んだ。

『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。
怒涛の500枚書き下ろし!頭空っぽで楽しめる本の決定版!

修羅!腹痛との戦い
戦慄!催眠術体験
迷惑!十年ぶりのダンスレッスン
他力本願!引っ越しあれこれ
生活習慣病!スイーツ狂の日々
帰れ!北米&南米への旅etc……

一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。
楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。

文藝春秋BOOKS 

いやぁ、面白かった。
一番好きなのは「空回り戦記~サイン会編~」
なんか思っているのとは違う方向に全降りしている人って、スゴいですね。
サイン会に並んでいる人と作者の温度差が、もう想像しただけで震える(笑)
だけど、やっぱり参加者の方の言い分が正しい。まぎれもなく。

「似合わない店にいこう」の作者の空気ぶち壊し感も良かった。
特に寿司屋。もうね、凍りついた空気がビリビリと伝わってくる。

「作家による本気の余興~人体交換マジック編~」も空回りと空気ぶち壊しの合わせ技と言っても良いのではないだろうか。結果的に。

「蹴りたい背中」の新たな解釈も知ることができる。

作者とトイレ問題。
チャップリンの
「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ。」
を噛みしめさせる。

ほんと、楽しい読書でした。

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