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ゲーミフィケーション 序章の最後!ゲーム屋は何をする人なの?

いよいよ、次回から具体的な手法の話をしていきます。

なんでここまで前段を引っ張ったか。

それは、

『手法を覚えても、適用範囲は狭い』

ということです。

本日は、実際にどのように手を動かしてきたか、をご紹介します。

ここまでで、

・出てきた理由、意味
・それを具体的な行動として何をしたか

で説明できることになりますので、次回以降の具体的な手法が、一例であることが分かると思います。

誤解されがちなゲーム開発、その中身を見てみる

ゲーム開発という行為自体があまり理解されていないのでは?ということを考えることもあります。

割と世の中では浮かれた職業的な取り扱いもされてきました。

でも、作業をみると、地味に課題を解決するために頑張っています。

ゲーム開発の現場に入ってきたばかりの初心者は、そのあたりを全く理解していないこともあります。

いったいどんな内容の仕事なのか?どの分野でも通用する業務内容の言葉に置き換えてみたいと思います。

カフェで作業

こんなおしゃれじゃないです…

いったい何をする人たち?


現実はかなりシステマチックで緻密で地味な作業です。

なにやらポップな作業してるみたいですが・・・

こんなゲームを作る、と決めてから発生する作業を順番に、できるだけ一般名称に置き換えてみます。

こんな具合になるでしょうか。

①新たな行動ルールを作る
②それを成立させる新たな世界観を作る
③その世界の行動にふさわしい新たなUIを作る

なんと、これらをゲームタイトルを一つ作るごとにやっている訳です。

デザインやキャラクターを適用する

が注目されがちですが、実は上の要素が基本。こちらははまた別の要素として分離できます。

というのも、有名なゲームも、最初は灰色の素体が戦う形でプロトタイプは作られる場合があります。つまり、上の3つが作業として「ゲームシステム」を作っていることになります。

それぞれの作業を確認

これらの3つの作業を分解してみます。

①新たな行動ルールを作る

ゲームが題材にする舞台は、しばしば架空の世界が用いられます。

そのため、我々が住んでいる世界とは違う現象を設定でき、それをゲームに生かすわけです。

その違う現象。適当にランダム発生していてはゲームとして成立しません。

そこでルールを作っていくのです。

例えばポケモンを例にとると…

①新たな行動ルールを作る…共通部分

人間が生活する世界は我々の世界に割と似ているように作られています。

貨幣があり、仕事があり、老若男女がいて、異なる国や文化があり。

①新たな行動ルールを作る…新規追加要素

そこに違いをプラス。

「カプセルで捕まえられる成長するモンスターがいる」

ということです。

前者の共通部分には、我々の世界の共通ルールを使う方が合理的です。

説明の手間も省けます。

すると、ポイントは、新たに付け加えられた「モンスターがいる」ということを、システム的に破綻しないような決め事に収めることになります。

具体的には

成長に関するルール
バトルに関するルール
捕まえ方に関するルール
モンスターのスペックを決めるルール

などです。

これらは全く新しい概念が多いため、スクラッチから破綻無く作る作業が不可欠です。

ゲーム屋がふざけたことばかりやってる、というご意見が的外れであることが分かるかと思います。

地味です。

エクセルの表なんか畳何畳分にもなります。

企画書作成中

②それを成立させる新たな世界観を作る

物事の行動規範は、それだけで発生して存在している訳ではありません。

それを許容する社会的なバックボーンも、自然に架空の設定が受け入れられるよう、整合性をとったち密な設計が必要です。

今回、日常生活+モンスター、ということでゲームが成立していますが、これだけではまとめきれません。

例えば、モンスターは敵にも味方にも設定できます。ポケモンでは、基本的にはトレーナーと仲が良いという設定にすることで、色々なストーリー展開を作りました。ゲームによっては、人間とモンスターが敵対した状態を作ることでゲーム性を説明するものもあります。モンハンとかですね。

つまり、現代のこの世界にもしこんなモンスターが存在したら?という仮定を、どんどん具体的なシステムに落とし込む作業もしていかないと、違和感だらけで感情移入してくれないゲームになってしまうのです。

仮面ライダーの怪人デザインなども、その時のライダーの立ち位置によって、むちゃくちゃグロテスクな時もあったし、割とポップなデザインの敵だったり、なども同じような「世界観」が統一的に朝用するからそれが選択されたわけです。

③その世界の行動にふさわしい新たなUIを作る

ルール、世界観、ができて、それが実社会を模したシステムに実装されれば、生身でも暮らしていくことができます。

しかし、それらはゲームマシンの上にバーチャルに作られます。

つまり、どのゲームでも共通のボタンしか使えないゲームマシン上で、ゲームごとに全く違うシステムを動かす必要があります。

タイトルごとにUI(=ユーザーインターフェース)を専用に考える必要があります。

リアルタイムのサッカーゲームに要求される操作体系と、RPGのような対話型で進むゲームに要求される操作体系は全く違います。

さらに、同じPRGでも、リアルタイムな反応が要求される場面が多いタイプと、じっくりとユーザーのペースで進められるもの、さらに大きいDBを参照しながら進むもの、画面内の情報だけで進むもの、など、様々な要因で、最適なUIは異なります。

こんなシステマチックなことを

機動戦士ガンダムオンラインにある、パッドの説明です。

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ゲーム屋さんは、なんと、1つのタイトルを生み出すごとにこんなことを決める作業をしているのです。

少し褒めてあげてもいいかもしれません。

これが、手元を見ることなく習得してもらうための、チュートリアルを用意することもあります。

何度も何度も操作するボタン、たまにしか使わないけど重要なボタン、それぞれをどこに配置すべきか。

これを決めるだけでも大変、ということがお分かりになるかと思います。

さらにこれが(いよいよ佳境!)

一般的なサービス設計に使える、ということがゲーミフィケーションの成立理由になると考えています。

敢えてゲームを例に説明をしてしまいましたが、上記の説明、例えばモンスターの代わりに、

バーチャル貨幣が市場に普及したらどうなる?

などと読み替えると、作業自体の汎用性が高いことが分かります。

次回は、これらの一般的な作業から、さらに具体的な作業を成立させるための「目的」を説明していきます。

(まだ続くのか!)


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