オートリーズってなんだ?
オートリーズはパン作りの製法のひとつ
もしかするとお家でパン作りをされている方なら聞いたことがあるかもしれませんが、そうでない方はなかなか出会わない言葉かなと思います。
パン作りの製法の一つなのですが、これをすると「甘味」と「旨味」が増したり、こねる時間が短縮できたりといった効果があります。すごい!!
今回は、そんな【オートリーズ】というものについて自分の言葉でお話しさせていただければなと思います。
オートリーズとは
【オートリーズ】を一言で言うと「小麦が自分の酵素で自分のデンプンやタンパク質を分解する」という意味になります。
では、ひとつづつ解説していきますね。
オートリーズの作業自体は、例えば小麦粉・水・砂糖・イースト・塩を使ってパンを作る際に、それらをいっぺんに混ぜてしまうのではなくて
はじめに小麦粉・水・砂糖だけを混ぜてそのまま数十分ほど置いておく作業をいいます。
その後、イーストと塩を混ぜてこねます。
この置いている間に小麦が持つ酵素が働くという感じなんですね。
言い換えると「酵素の働く時間を用意してあげること」がオートリーズと言えますね。
酵素ってなんだっけ?
「酵素」という言葉が何度か出てきましたが、「酵素」は「食べ物を分解するもの」と思ってください。唾液に含まれるアミラーゼが一般的ですね。理科の授業でやりましたが、ご飯を噛んでるとだんだん甘くなるってやつです。
これはご飯(デンプン)が唾液(アミラーゼ)によって糖(麦芽糖)に分解されたから甘く感じるというものです。
そして、小麦もデンプンを分解するアミラーゼや、はたまたタンパク質を分解するプロテアーゼという酵素を含んでいてそれらが作用するわけです。
タンパク質はプロアテーゼによって分解されるとアミノ酸となり、これが旨味の元となります。
オートリーズのもう一つの効果
そしてもうひとつオートリーズの効果として「こねる時間を短縮できる」というものがあります。
これは、粉を水と合わせて置いておくと「水和」が進み、こねなくても自然とグルテンが形成されるからです。そのため結果的にこねる時間が短縮されるというわけですね。
「水和」とは「水とよく混ざること」だと解釈してください。時間をおくことで小麦粉の中までしっかり水が浸透するんですね。
どうして勝手にグルテンが形成されるの?
製パンに関する本を読むと、グルテンを形成するためには生地をこねたり、台に打ちつけたりすることが必要とあります。
なので、パン作りをされる方は勝手にグルテンが形成されるということに疑問をもたれるかもしれません。
これについては、どうもグルテン同士はお互いにまとまろうとする性質を持っているようです。あまり詳しいことは研究されてないようなので、そういうものという風に思ってください。
こねなくてもパンはできる?
「じゃあ、こねる必要ないじゃん!」と思われるかもしれません。そうなんです!実はこねなくてもパンは作れるんです。
お店でもカンパーニュなんかはこねることはせずに、時間によってグルテンを形成する方法をとっています。
ですが、食パンなんかはしっかりこねないといけないパンだと思います。
どうしてかというと、①時間によってグルテンを形成するのか、②こねることによってグルテンを形成するのかによってグルテンの質が変わるからです。
①時間によって形成されたグルテンは「しなやか」なんですが、引っ張る力が弱いです。カンパーニュやバゲット、リュスティックといったハード系のパンを作ることはできるのですが、食パンやあんぱんなどの菓子パンを作るのは難しいかなと思います。
対して②こねることで形成されたグルテンは「コシ」がしっかりしています。引っ張る力があり、生地に張りやツヤがあってプリッとしています。
食パンなんかはこういった生地で作るのが一般的かなと思います。
おわりに
途中から脱線してしまいましたが、今回はオートリーズとは何かについてお話しさせて頂きました。
また機会があれば、オートリーズに関してもっとディープなお話をさせていただければな思います。
読んでいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?