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【無料eBook付】 「とりあえずPoC」ではないDX推進・AI導入のあり方

昨今はDX推進の活動の一環として、AI導入についても再度積極的に検討しよう、という企業様が増えているように思います。

本記事は、以下のようなお悩みをお持ちの、AI導入を検討されている企業のご担当者様を読者に想定しています。

・過去にAI導入を一度失敗してしまった経験があり、次は失敗できない
・AIベンダーの提案を色々聞いたが、結局どのベンダーを選ぶべきか分からない
・AIや機械学習にこだわりすぎず、課題解決に必要十分な技術を選んで導入したい

こんにちは。Nishika CTOの松田です。

弊社Nishikaは、弊社が運営するデータ分析コミュニティNishikaに所属するデータサイエンティストの力を結集して、最高精度・最先端のモデル開発を行っております。

もちろん、実際にはモデル開発から入るケースばかりではなく、これからAIを導入するというステージのお客様からご相談を受けるケースも多々あります。

しかし、AIブームが興ってから既に数年が経ち、一昔前のように「とりあえずPoCをやってみましょう!」というような形でプロジェクトがスタートすることはまずなくなりました。

以前は、少なくない金額をかけて投資をし、AI導入のPoCを行ったが、蓋を開けてみると上手くいかず。上手くいかなかった原因は、そもそも今回の用途ではAIが向いているものではなかった、という「それってやる前から分かっていたことでしょう…」というお粗末なお話も散見されました。

しかし今は、自分たちの目的・用途に照らして、AIと呼ばれる技術を導入することが効果・技術的実現可能性・運用可能性などの観点で本当に適切なのか、判断してからプロジェクトがスタートする、という形になってきています。

実際、我々も商談を重ねる中で、必ずお客様が気にされるポイント、また我々から必ずお伺いするポイントというのが明確になってきました。

このような、AI開発着手前に行うフェーズを弊社ではAI活用診断と呼んでいますが、現時点のその内容をチェックリストの形で公開いたします。

note用CTA画像_AI活用診断 (1)

以下、その一部を抜粋してご紹介いたします。

導入したいAIの用途は何ですか?

当然ながら、導入したいAIの用途が何か、お客様が考えていないケースはありませんし、我々もお伺いしないことはあり得ません。

しかし、当然と思われるこの質問にお答えいただくのは、意外に容易でないと考えています。それは、以下の難しさがあるからです。

何がAIで実現できるのかよく分からない
・AIって何でもできそうで、一方で意外に何もできないという印象があって、何がAIで実現できるのかがよく分かっていない。
自分たちのやりたいことがAIで実現できるのかよく分からない
・そもそもAIというのはどういう技術を指しているのかよく分からない。例えば教師データを用意して学習させるという話をよく聞くけど、教師データがないとAIは作れないと思った方が良いのか。自分たちの用途がAIで実現できるのかよく分からない。

ですので、我々としてはこの質問を特に重視します。

実際、一口にAIと言っても様々です。

需要予測、画像認識、自動翻訳、実在しない人間の顔画像の生成など、よくメディアでも取り上げられるような用途もあれば、
個人情報をマスキングする、フォーマットの違うCSVデータを名寄せする、単語の意味で検索するエンジンなど、あまり知られていませんが実用性のある用途まで、本当に様々な用途にAIが使われる時代になっています。

しかし、全ての用途の根底にある技術は共通です。ディープラーニング、機械学習が使われるばかりではなく、数理最適化と呼ばれる手法や、昔ながらの言語処理・画像処理技術との組み合わせで解決することもあります。

このように、現代の技術の掛け合わせでできることが幅広いのは事実で、同時に、できる/できないをお客様側で判断するのがより難しくなっているのも事実です。

やわらかいアイデア段階でも、Nishikaまでお気軽にご相談いただければ、解決手段の緒をご提示できるかと思います。

AIに対して求める性能、最低限これ以上は欲しいという性能はどの程度ですか?できる限り定量的に表現してください。

「AIの性能がどのくらいになりそうか」は、AI導入を考える多くの皆様の唯一にして最大の懸念事項だと思います。

一方で、作り手のデータサイエンティストやエンジニアからは「AIの性能は作ってみるまで分からない」と言われることが多いと思います。実際のところ事実ではあります。

そうは言っても、作る前に大筋の見立ては欲しいというのが皆様の本音だと思います。

そこでまずは、過去の類似事例でどの程度の性能に達したのかから推測することをおすすめします。
Nishikaは、コンペティションというAIの精度を最高レベルにまで高める手法によってAI開発を行っておりますので、逆に言えば現状技術で到達できる限界も認識しております。
過去の類似事例および到達した性能につきましては、Nishikaまでお問い合わせいただければお答えが可能です。

一方で、「過去の事例はあくまで1つの事例に過ぎず、自分たちのケースと全く同一ではないので参考になるのか」とおっしゃっていただくこともございます。これも事実です。

お客様ご自身のケースでAIが達成できる性能は、
今人間が実現できている水準を基準に推測するのもおすすめです。
そして、AIの性能が人間の水準に達するか・超えるかは、ひとえにAIに充分なデータを与えられるかに依って決まります。

人間が普段判断をする際に参考にする情報を"全て"AIに与えられるなら、人間の水準と同等以上の性能が期待できます。
さらに言えば、一人の人間がインプットできる情報以上のものをAIに与えられるなら、人間の水準を明らかに超えます。音声認識や囲碁の世界では、人間が出せる水準以上の性能をAIが示しています。音声認識であれば音声とテキストの対データ、囲碁では対戦結果のデータを、一人の人間がインプットするよりも圧倒的に多い量学習させることが可能だからです。

しかし、実際の現場では「職人技」のように暗黙知で解決していたりして、人間が参考にしている情報をAIに与えられない、つまりデータが足りない場合がほとんどだと思います。
この場合、重要なデータが欠けているほど、AIの性能が下がる可能性が増す、と考えていただくのが良いです。

最後に、AIの性能に対する期待値について、陥りがちな罠について述べておきます。

AIは0/1ではない判定をすることに長けた技術です。従って、絶対に間違って欲しくない用途に対して、AIだけで対応しようとするのは誤っています。
絶対に間違って欲しくない用途では、AIの判断に加えて人間が最終チェックするようなダブルチェックの体制を作り、AIはあくまで人間の支援として使うべきです。

また、トレードオフの関係にも注意してください。
AIに抜け漏れなく検出させることと、検出すべきものだけを検出させることは、トレードオフの関係にあります。
PCR検査で、陽性を漏れなく検出することを重視すればするほど、陰性を陽性と言ってしまう(偽陽性)、というのがわかりやすい例かと思います。
お考えの用途においてどちらが重要なのか、ある程度取捨選択いただく必要があります。

期待値に対して、AIが適切な解決手段なのかを考えることが重要です。

AIに学習させるデータを蓄積し続けるフローは整っていますか?

最後に、少し毛色の異なる質問を抜粋しました。

「最低限欲しい性能はどの程度か」「どんな種類・量のデータが蓄積されているか」といったイニシャルのAI開発時に重要な論点は注目されがちですが、
AIは一度作れば後は面倒を見なくても良いというものではなく、少なくとも日々新たに蓄積・更新されていくデータによって再学習を行い、AIを更新していく必要があります。

そのため、AIを学習させる度にデータを手作業で集める必要があるようだと、なかなか継続しないことが危惧されます。

データが継続的に収集できる体制を作る見込みを立てた上で、AI開発に取り組むことが重要です。

おわりに

以上、抜粋して3点をご紹介しましたが、AI活用診断のフェーズで最低限チェックすべきポイントは、現時点で10強あると考えています。

我々の思いとしては、「とりあえずPoC」という安易な考え方は良くないとは言え、このチェックリストをAI導入を諦める理由を探すのには使っていただきたくないなと思っています。

AIと言ってしまうと様々な技術が包含され本質が見えにくくなるのがバズワードの辛いところですが、一方で様々な技術が包含されているだけあって、本当に多様な用途を実現できます。
AIブームはすぐに去ると永らく言われつつも、未だにその2文字が紙面上から消えないのは、実用性があるからです。

こんなことにAIが使えるかもしれない!という探索にお役立ていただけると本望です。

以下からチェックリストを入手いただき、改めて自社にとって適切なAIの活用方法について、ご検討いただければと思います。

また、チェックリストだけではなかなか自己診断が難しい、というお客様もいらっしゃるかと思います。
やわらかい段階でも、お気軽にNishikaまでご相談いただければと思います。


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