見出し画像

6. Haruki Murakamiは、アイルランドでもっとも有名な日本人のひとり

2018/12/4 Dublin

語学学校2日目。朝9時前に到着した。ぼくより早く教室にいたのは、アルゼンチン人の20代半ばくらいの女性生徒。残念ながら名前はまだわからず。「モーニン!」と声をかけ、昨日と同じ席に座る。

9時を回ったころに先生と生徒がポツポツと現れはじめる。チャイムも鳴らないし、特に時間厳守というわけではなさそうだ。全員が揃った9時10分くらいになって、「じゃあ始めようか!」とグラマーの授業がおもむろにスタートした。

グラマーの先生は中国系で、元々はロンドンにいたとのこと。アイルランドに移住してきたようだ。

このひとはともかく話すのが速い。グラマーの授業は2時間あるのだけど、ほとんど早口でしゃべりまくっている。

もちろん一人でまくしたてるわけではなく、生徒の顔を見て反応を見ながら話を進めていく。おそらく性格がせっかちなのだろう。基本的には彼の話すスピードについてこれる生徒のみとやり取りをする。

会話がまだぎこちない生徒だと、スピードが失われるからね。このひとから相づちを求められるようになれば、リスニングに関してはそこそこできるようになっているのかもしれない。

2時間の授業が終わると、30分の休憩を挟んで今度はリスニングとスピーキングの科目がはじまる。こちらの先生は正反対にテンポがゆるい。冗談を交えながら、ゆっくりと授業を進めていく。

この授業のときに、他の生徒や先生がぼくの名前をうまく発音できないという話になった。「コウイチロウ」というのは日本人でもちょっと口の中で引っかかる感じがする。まして日本語を知らない人が呼びづらいのは当然である。

そのため「コウと呼んでくれればいいですよ」と申し出た。「おお、それは呼びやすいね。それでいこう」とあっさり決まった。

午後からは「ダブリンのお城巡り」というオリエンテーションに参加しようと思ったが、人数が少なくて中止になったとのこと。しょうがないのでホスト家庭のある家の方面へ歩きつつ、途中で本屋による。

アンジェラと昨日話していて、日本の小説家の話になった。アンジェラは谷崎潤一郎と村上春樹、そして「世界から猫が消えたなら」を書いた川村元気が好きだという。それらの良さを聞いているうちに、村上春樹の英訳を読みたくなったのだ。

ここから先は

656字 / 1画像
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?