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実録:某一流企業の私設売春クラブ【2/3】

前回【1/3】はこちら

 ずいぶん前置きが長くなってしまいました。
 ようやくこの企業の私設売春クラブの話です。

 とりあえず、わたしがそれに関わることになったきっかけについて話しておきましょう。

 これまで申し上げてきたように、わたしの勤めていた会社は、実に有名な、有名な、有名な、日本でも有数の損害保険会社でしたが、その内情はまるでソドムゴモラでした。

 先述しましたが、わたしを含め同期でほぼ数名の女子を除き、ほぼ太いコネで入社しています。

 しかし、私を含めてコネを持たない女性一般職社員は、ルックスがいいか親父ウケするか、それともエロいかです。

 先述の先輩女子……あの、不倫の末に懐妊してクソ男と結婚し、今は幸せに親子三人暮らしている先輩です……が、わたしの同期の女子二人とともに、非公式の接待に呼ばれたことがありました。

 先輩女子は言うまでもなくエロい人でした。 
 わたしの同期である女の子のうちの一人は、かなりの巨乳
 どちらかというと親父好みのするルックスとスタイルです。

 あと一人は、ある地方銀行の支店長の娘……ですが、その会社においてはあまり太いコネではありません。

 わたしたちが呼ばれた接待は、会社の営業マンがよく接待に使用している、古都(日本にはいくつもありませんが、しいて言えば日本でも代表的な古都です)の由緒正しい料亭のご主人への接待でした。

 そして、名うての専属損害調査員も同席。

 ようするに、接待のための接待です。

 それをセッティングしたのは、わたしの会社の中堅営業男性社員です。 
 ふだんは法人向けに保険を売っている男ですが、そういう接待ともなれば…… 彼はまさに、スーツを着た女衒でした。

 料亭の主人の目当ては、わたしの巨乳同僚。 
 名うての専属損害調査員の目当ては、わたしのスケベすぎる先輩。

 二人はぐでんぐでんに酔わされて、それぞれスーツが来た女衒が呼んだタクシーに乗せられ、連れ去られて行きました。

 わたしはさすがに言葉を失っていました……
 わたしたちのようにコネのない女性一般職社員がこの会社の男どもにとってどんな存在かを改めて思い知ったのです。

 男性社員が歩兵なら、わたしたちコネのない一般女性社員はまるで従軍慰安婦です。

 しかし、その席に同席していた地方銀行支店長の娘…… 
 仮に、名前をキタザワにしておきましょう。

 彼女が言いました。

「なあ……あんたもちょっと、お金儲けてみとうない……?」

 イマイチな銀行の支店長の娘……キタザワは、はっきり言って……
 それほど魅力的な女の子ではありませんでした。

  私と違って身長は低く、全体的にもったりしていて、肌は浅黒く、顔はたぬきのようで、喋りはバカっぽく、しょっちゅう週の初めには「体調不良」で仕事を休み、出勤していてもボンヤリしているばかりでわたしたちに迷惑を掛けまくるような女の子でした。

 彼女が、わたしをこの会社にいる私設売春クラブに誘ったのです。

「いま、彼氏おらんねんやろ? ……べつにおってもええけど……ちゅーか彼氏おる子のほうがお客さんに喜ばれるけど(笑)……なあ、うちらと一緒に稼がへん?」

 キタザワは、この企業の複数の支社からなる一般職女子社員数十名で構成される私設売春クラブのリーダー……いわゆるヤリテババアでした。

「あんた、すっごいスタイルええやん……? けっこう関係会社のおっさんどもの間で、あんたのこと狙っとる奴多いんやで……ほんなら、それでお金稼げたらええと思わへん……?」

 たしかに……わたしにそのとき、彼氏はいませんでした。
 2か月前に別れた男は、ミツマタを掛けてたようなクソ虫でした。 

 そしてわたしは…… 

 169センチとけっこう長身であり、中高とバレー部で活躍し、いまもジムに通っているので身体つきは引き締まってスレンダーです。 

 顔は……まあまあでしょう。 

 そうですね、わたしの顔は……しいて言うなら……中国系ハリウッド俳優のルーシー・リューに似ています。 
 わかっています……自分でも好みの分かれる顔だということは。

 しかまあ、わたしのスレンダーな体形が、どっかの男の欲望の対象となりっており……キタザワは、それに『商品価値』がある、と見込んだようです。

 ぶっといコネがある女の子たちは、総務や人事で毎日……入社案内の『欲望のページ』に乗っているみたいな、キラキラ、ウキウキした会社生活を送っています。

 それに引きかえ事故受付係であるわたしは……

 毎日電話の前に座り、インカムで電話を受け、

だりゃワレこりゃ! なんぞうらオドレいてまうぞ! うじゃらこじゃら△●×■÷@△●×■÷@△●×!!!!

 とわけもなく理解不能な言葉で怒鳴られる日々……

 となると、このような会社で性玩具扱いされながらも不本意な毎日を生きている立場からすると……状況をプラマイゼロにするためには、この状況を逆手にとってお金を稼ぐ……というのはそれほど悪い考えとおも思えませんでした。

 そしてわたしは……キタザワの勧めるままに、彼女の私設売春クラブの一員となったのです。

  ところでキタザワは短大出身で、わたしより2歳年下でした。
  彼女の「私設売春クラブ」の原型は、彼女の短大時代にあります。

 彼女は短大時代から……どうやってコネをつけたのかは本当にわかりません……●●地域の農協の組合員のおっさん達と……売春、いや、当時の言い方でいうと援助交際、略して援交、今でいうパパ活をしていました。

 そして彼女が通っていた短大の同級生たちを巻き込んで、組織を拡大していったのです。

 そのままわたしの勤めるとても有名な、有名な、有名な、有名な、損害保険会社に中くらいのコネで入社し、その組織を社内でひそかに拡大していたのです。

 彼女の顧客は短大時代と同じ、地元農協のおっさんたち。
 とにかく農協のおっさんというのはいかなる地にあろうと品性下劣です。

 彼女は社会人になってからさらに拡大させてきた私設売春組織を、知り合いの農協のおっさんたちの人脈で拡大させた顧客層とマッチングさせ、女の子たちに払われる報酬の何割かをピンハネしていました。

 もう、素人ではありません。
 完全なプロでした。

 ある日、そのキタザワがわたしに言います。

「あんた……またドウヤマさんからまた指名入ったんやんかあ……今週末、空いてる? ウチも一緒やし! な! な! 大丈夫やろ?」

「え? ウチも一緒って……どゆこと?」

 ドウヤマ……わたしのことを気に入っている顧客の一人で、もう、わたしの祖父くらいの歳のじじいでした。

 シワシワでヨレヨレで、縁側で孫でも抱いていそうなじじいのくせに……ドウヤマはものすごいスケベでした。

 とにかくしつこい。
 前戯がこってり、ねっとりとしつこく、しかも遅漏でした……

 たくさんお金はくれるのですが……

「それがー……ウチのことお気に入りのタナハシのおっさんおるやん? あのおっさんが●●ホテルのスイート取ってくれて、わたしら四人でヤらへんか、ちゅーてきたんやんかー……」

「よ、四人で……」

 タナハシは、キタザワの短大時代の太客でした。
 ちんちくりんのデブ男で、ドウヤマとは違ってやたら脂ぎっています。

 キタザワはタナハシのことを、陰で「アブラだるま」と呼んでいました。

「まあ、こーいうんも経験やん? お金もけっこうくれるみたいやし……な? 行こ! 行こ! 来るんやで!

「う、うん……」

 べつに暴力で脅されていたわけでも、弱みを握られていたわけではありませんが……キタザワの誘いには有無を言わせないものがありました。


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