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にっしゃんバキュームで吸われる


出来るだけ毎日note更新7日目。

この前、髪を切りに行った。

最近僕は10分カットのお店を利用している。

大阪にいる時は美容院に行っており東京に来てからも2回ほど美容院に行っていたのだが、資金的に苦しくなり最近は泣く泣く断念している。

というか僕を見た事ある人なら

「あんた美容院行ってたんかい!」

とほぼ100%の確率で言われるのだが

胸を張って言いたい。

「僕は美容院に行ってます」と。

実は僕は大の美容院好きである。

あの快適な空間がいいし

僕の髪型は美容師さんにしか出せないと思っている。

ちょっと髪が伸びるとすぐ角刈りチックになりがちだが

僕の髪型のテーマは

2006年の中田英寿なのだ


2006年の中田英寿を表現するにはやはり美容師さんにしか出来ない。

町の床屋さんには荷が重すぎる。

そう確信しているのだがお金がない事にはどうしようもないので、とりあえず今は10分カットを利用しているのだ。

去年の11月頃、初めて10分カットに行った時はそれはそれは衝撃だった。


まず店に入るとすぐ

券売機が置いてある。


け、券売機!?

と僕は驚いた。

メニューはカット1200円のみ。

ボタンは1つしかない。

まるで醤油ラーメン一筋のがんこ親父のラーメン屋のようだ。

僕はこれ券売機いるんかな?と疑問を感じながらも発券し、すぐ席に案内された。

僕を担当してくれる理容師さんは

推定40代、長身長髪の色黒のおじさん。

静かな迫力を感じる人だった。

どっからどう見ても凄腕の殺し屋である。

「どのようにしますか?」と理容師さんが聞いてくる。

早い。

入店からわずか30秒。

オーダーを聞かれるまで一瞬である。

さすが10分カット。

どんな髪型にするか聞かれ僕は思わず

「2006年の中田英、、、」

と言いかけたが慌てて言葉を飲み込んだ。

10分カットでこのオーダーは酷すぎる。

ていうか2006年の中田英寿を説明するのに10分かかりそうだ。

2005年の中田英寿と何がどう違うのか10分で説明出来る自信は僕にはない。

結局僕は

「前とサイドを短くして後ろをちょっと残しめでお願いします」

とオーダーした。

そうなのである。

2006年の中田英寿とはつまるところ

ただのソフトモヒカンなのである。


オーダーを聞いて殺し屋みたいな理容師さんは言った。

「この長さで短くだと前とサイドはバリカンになりますがよろしいですか?」

バ、バリカン。。

正直10分カットでバリカンは怖い。

取り返しのつかない事になってしまうんじゃないか。

僕は頭の中で映画「タクシードライバー」の主人公トラヴィスをイメージした。

あれはソフトじゃなくてウルトラハードモヒカンである。

東京でウルトラハードモヒカンになるのだけは避けたい。

僕は結局

「じゃあハサミで全体的にちょっと短くでお願いします」

とオーダーを変えた。


殺し屋みたいな理容師さんが軽快にカットしていく。

バサバサと切られた髪が落ちていく。

「出来ました」と理容師さんが言った。

はや!!!

さすが10分カット。

一瞬である。

続けて理容師さんは言った。

「じゃあ頭吸っていきますね〜」



??


吸うて何??

頭を吸うて初めて聞いたんやけども。。


ヴィィィィンンン!!!


けたたましい音とともに天井の方からバキュームが現れ、理容師さんはそれを手に取って僕の頭に近づけた。

ちょ、ちょっと!!

な、何を!?

これで頭吸うの!?

てか、頭吸うて何や!


ヴィィィィンンン!!!


うわああああ!!

吸われてる!

頭吸われてる!

にっしゃんバキュームで頭吸われてる!


"バキュームで頭を吸われる"

みなさんはこの言葉を口にした事があるだろうか?

おそらくないだろう。

大半の人間が言った事ないはずだ。

「バキュームで頭吸われてる!」て言った事あるの

たぶん自我を持ったう○ちぐらいしかいないんじゃないか。


10分カットはシャンプー等の流しがないため頭や額に残った切った髪をバキュームで吸ってくれるのだ。

額についた髪の毛がどんどん吸われていく。

なかなか圧巻の光景である。

そしてかなり効率的だ。

効率的なんだけど。。

この複雑な気持ちは何だろう。。


「お待たせしました」

理容師さんが言う。

僕は改めて鏡を見る。

いい感じだ。

いい感じなんだけど。。


来る前とあまり変わってない気もする。。


おそらくバリカンを恐れた僕が全体的にちょっと短くと言ったのが原因だ。

全体的に髪を空いて整えてくれた感じである。

何だか髪をバサッリ切ってから「3、2、1!」でパッと元の髪型に戻る新手のマジックのような感じだ。

しかし悪いのはヒヨッたオーダーをした僕である。

この理容師さんは何も悪くない。

むしろかなり腕が良さそうだ。

かなりいい感じで整えてくれている。

次はバリカンで頼んでみよう。


そして12月、僕はとうとうバリカンを頼んでみた。

結果。

めっちゃいい感じになった。

完全に2006年の中田英寿である。

初回からバリカン頼んどけばよかった。

美容院の快適な空間も好きだがこっちはこっちで予想以上にいい感じである。

というわけで10分カットおすすめである。

早くカットしたい方、リーズナブルにカットしたい方、バキュームで頭を吸われたい方

ぜひ!









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