Engineering Managerを楽しくしたい

VPoEになりました。特に今までとやることは大きく変わらず、私がやるべきことを必死にやる、と思っています。これは姿勢の話ではなく、そもそも私は役職やロールを気にする働き方をしていないと思います。なので、今までやってきたことの延長線だと感じています。ただ、役職が付くと周りへの影響力や周りの納得感は増すとは思います。
そうは言っても「VPoEに就任したので、意気込み等のコメントをお願いします。」というようなことを聞かれたり、また今後イベントでの露出も増やしていきたいこともあり、その準備として意気込みみたいなものを思いついたまま書いてみようと思います。(推敲していないです。すみません。)

私のマネジャーとして自己紹介

1on1でエンジニアと初めて話すときにマネジャーとしての自己紹介をよくしています。チームラーニング的なもので、私と一緒に働くときに知ってもらっているとスムーズかも、と思うことを話しています。
まず私は会社のミッションを果たすために役職やロールに囚われることなく働きます。私が必要であり、かつ優先度が高いと思うことがあれば何でもすると思います。もちろん関係者と適切に相談しながら。例えば、部署Aと部署Bのどっちがすべきか?という話になるようなものは積極的に私がやりますと言っています。
次に私はPDCAが非常に好きです。PDCAは改善プロセスなので、まず始めることが大切です。できる限り早く始めることを意識していますが、思いつきで何かをやることは少ないです。何かをやるときは、1回じっくりと考えて、詳しい人に相談してから始めることが多いです。その後、高速にPDCAを回していきます。たまに「考えがコロコロ変わりすぎ」と思われることがありますが、これは「Aさんに相談したら、新しい観点やデータがインプットされ、その結果考えがアップデートされた」というのが短時間で起こるからだと思います。これは良い面もあります。意見を言えば私の考えは変わる可能性が十分あることに周りは安心できるかなと思います。もちろん、考えが変わった理由を適切に周りに伝える努力をしています。
他にも私は1人での実行能力が非常に低いこともみんなに伝えています。私はもともとクオンツやエンジニアであり、採用人事やPdMを経験し、その後、事業責任者も担っていました。このように書くと「なんでもできそう」と思ってくれる人がいますが、実際には何でもできるわけではなく、同じことをいろいろな場所で繰り返し行っている、という方が正しいです。私はある時を境に私1人では何もできないことを実感しました。それ以降、私はどのような課題をなぜ解くべきかということを考え、その考え自体に対しても周りと議論しながらPDCAを行い、周りの詳しい人たちに巻き込んで物事を前にすすめる、ということを意識しています。これを色んな場面や役職で行っているだけで、いろんなスキルがあるわけではないです。
さらに私は周りを巻き込むことは得意ですが、ファーストペンギンになることは苦手です。私がファーストペンギンのときは盛り上がりませんが、セカンドペンギンになると結構盛り上がると思います。声が大きいからかもしれません。なので意外と私は新しいことを私が言い出してやっているわけではなく、すでに誰かが声をあげているものに乗っかることが多いですね。

マネジャーのあるべき姿はない

私は「理想のマネジャー像」や「マネジャーが必ず行うこと」などは持ち合わせていません。マネジャーのリーダーシップや人間性といったことに関しても「こうあるべき」という考えは私にははないです。もちろん、私個人として「こういう人の下で働きたい」というのはあります。なので、私はマネジャー向けに何かの講義をしたり、教えたり、指示したりすることは得意ではありませんし、あまりやらないです。
「マネジャーはこうあるべき」ということは分かりませんが、マネジャーの成果は「自分がマネジメントしている組織の成果と自分が影響を与えられる組織の成果の合計」だと思います。やり方は本当になんでも良いです。これは何度も紹介していますが、High Output Managementに書かれているとおりです。

私はよく一緒に働いている人に「西場の言っていること・やっていることは西場が紹介して本にすべて書いてありますね。いい意味で。」と言われます。最近も複数人に言われました。まぁそのとおりです。私は私が考えた方法でマネジメントしているわけではなく巨人の肩に乗っています。遠くまで見れるようになると嬉しいですね。
私は「マネジメントはこうすべき」という強い信念がない結果、私はボトムアップでフラットな組織が好きです。私はトップダウンで組織マネジメントができるほど私が何かを適切に意思決定できるわけではないということを痛感しているので。
その結果、私は
・情報をできる限りオープンにする。私がみんなに報告する。
・情報が私やその周辺部署に入ってくるように組織をフラットにする。
・できる限り裁量を現場に渡す(逆に裁量を持たないという選択肢も現場にはある)
・みんなに意見を聞いて回る。
ということをひたすらしている感じです。もちろん1on1などで私が情報提供をできることや私が思ったこと・考えたことは率直に伝えるますが、意思決定は現場にあると思っていますし、それをクドいくらい伝えているつもりです。
これらのことをしながら、私は「彼ら・彼女らをサポートするために私ができることはないか?」ということを全力で考えています。例えば、この半年の間も「ピープルマネジメントが好きではない」というマネジャーには、メンバーの人数を少なくし、マネジャーが直接関わっているプロジェクト以外がを他の人にアサインしました。その結果、テックリード的に組織をマネジメントできるような状況になっています。また今はマネジャーの事務手続きを減らせす努力もしています。多くのマネジャーは無駄に時間のかかる事務手続きが嫌いです。私も嫌いですし。
よくマネジメントは次のような分解を目にします。
・ピープルマネジメント
・プロジェクトマネジメント
・プロダクトマネジメント
・技術マネジメント
この分け方が正しいかはさておき、これらのマネジメントは全然種類が異なるものなので、マネジャーにとって好き嫌いや得意不得意があると思います。私はマネジャー本人と話しながら本人の得意なところで勝負できるように組織のサイズや担当業務を一緒に試行錯誤しながら調整しています。

最後に「やりたいこと」について

マネジメントが楽しいと思える組織にしていきたいと思っています。マネジャーが楽しくなるために、彼ら・彼女らの得意なマネジメントスタイルで勝負できるようにエンジニア組織全体を一緒に上手くマネジメントしていきたいですね。常に自分や周りのバイアスやステレオタイプを減らし、その人自身と向き合っていきたいと思っています。なので、「理想のマネジャー像」や「マネジャーが必ず行うこと」などはないと常に自分に言い続けます。
ちょっと話は変わりますが、最長2年で次にバトンタッチしたいとなんとなく思っています。これは適切なタイミングで私が抜けないと組織の成長の機会を奪ってしまうと思っています。これもなんとなく。今、私は35歳です。周りには30代の人が沢山います。私にできて彼ら・彼女らにできないと決めつける理由はないと思います。変なバイアスが自分にかからないように注意しないと。(もちろん年齢も関係ないと思いますが)

イベントするので良かったら来てください。


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