ちかごろのわかい娘と「雪」 こどもオレンジページnet連載第3話
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以下は、こどもオレンジページnet連載分を少し遅らせてnoteに転載したものになります。
ただ描き下ろし以外はそのまま転載しても同じになってしまうので、そのエピソードに関する、ちょっとした文章やリライト前との比較や解説なども添える形にしようかなと思っています。こちらもお付き合いいただけると嬉しいです。
今回は描き下ろし回になります。
第3話 ちかごろのわかい娘と「雪」
久しぶりの積雪
ひさしぶりに東京都内に雪が積もった日のことをマンガにしました。
わりと雪国育ちの自分にとって雪は日常だったんですが、娘にとって雪は完全に非日常の世界。
娘と雪遊びする機会もなかなかないので、というか娘と雪遊びしたかったので、その日は保育園と仕事を休んで娘と雪遊びすることにしました。
ボツページ
実は最初のネーム(マンガのラフ画、設計図のようなもの)の段階では冒頭にこんなページがありました。
何を描いて何を描かないか
ただこれはラフを提出する前段階でカットしました。
このマンガのメインは、あくまで娘のキャラクター。なのでなるべく描きすぎずシンプルに作りたい。だとすると、この冒頭は自分が出すぎているし、今回の「雪の思い出」というテーマのフリにもなってなくて、単にテーマがぼやけるかなと思いカットしました。
どこまで効果的にできているか自分ではよくわかりませんが、実際にあったことをそのまま描くのではなく、どこを描いてどこを描かないかということに頭を悩ませたり、そうでなかったり。
何を覚えていて何を忘れるか
ただ、実際の記憶のほうはマンガと違いそんなに都合よく編集できませんよね。
人間は同じ過ちを繰り返さないためにそういうふうにできているのか、嫌なことのほうが記憶に残っていたりしがちだし、自分も子供時代を振り返るとそういう記憶のほうが覚えていたりします。
あと、なぜそれを覚えているのかわからない何気ない生活の断片とか。
もちろんうれしかったことや楽しかったことの記憶もあるけど、何が基準で記憶に残ってるのかはさっぱり。
娘の記憶にどのシーンが残されるかわからないからこそ、生活は常に本番の連続だなと。
思い出とは・・・!?
娘とは、2年前に積雪したときも雪遊びをしたんですが、案の定そんなことはすっかり忘れて、今の雪遊びに夢中になってました。そのことは少し寂しく思うけど、大抵の記憶はそれこそ雪のようにとけてしまうもの。そもそも子供は常に次々新しい世界に向かっていくので、後ろを振り返る暇なんかないはず。
ただ、いつか後ろを振り返る日がきたときに、思い出が一息つける場所だったり、自分の現在地や行き先を教えてくれる場所だったらいいよね。
とかなんとかいいつつ、思い出を欲しがっているのは親である自分自身。いい思い出でもないと生きられないんや。
思い出の二次創作
そもそもこのマンガを描き始めた動機の一つに、何気ない日常を忘れないように描きとめるということがあります。
そしてマンガ描きのはしくれとしては描くからには読者の方にも楽しんでもらえる形で描けたらいいなと思っておりますのでお付き合いいただけると嬉しいです。
つまりこれは思い出の二次創作みたいなものかもしれません。
てなわけで、何が思い出に残るかわからないけど、残したいものを面白おかしく描ければなと思っています。