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満員電車①

サイボウズ株式会社が現在流しているCMが話題を呼んでいる。


『通勤をがんばらせることは、必要ですか?』
『がんばるな、ニッポン。』
という心に残りやすいワードが注目を集めた。

それまでは「仕事はがんばるものだ」「仕事が第一」という文化があって、30年程前には『24時間戦えますか』というCMが流れていた。

「ホントに同じ国なのか」と思うくらいだ。

仕事(働き方)に関する価値観自体は大きく変わった。しかし、仕事の仕組みがそれに追いついていない状況を、私は感じている。それが一番表れているのが、朝の「通勤ラッシュ」だ。

「通勤ラッシュ」が中々なくならない

※ここからは私個人の感覚での表現が含まれます。

2週間前から、週のほとんどをテレワークに移行したが、それまでは毎日30℃を超える蒸し暑い中、満員電車に揺られながら出勤していた。

出勤しながら毎朝思っていたのが、
『いつまでこの通勤ラッシュ地獄が続くのか』

私は電車に乗るのが好きだ(自己紹介で記載)。しかし「満員電車」に乗るのが好きだとは言っていない(笑)。車内に人がぎゅうぎゅうに詰められているだけで、そこに電車に乗ることで感じる醍醐味は微塵もない。

そしてもう1つ思っていたのが、
『この通勤ラッシュをなくすつもりが企業にはないのか』

これだけ「テレワーク」や「時差出勤」がホットワードになっているにもかかわらず、通勤ラッシュ(満員電車)は中々なくならない。なぜなのかと考察すると、そこには企業の行動にあった。

「社会全体の総意」でしか動かない日本企業

今回の「テレワーク」や「時差出勤」が社会全体に言われ始めたのは、コロナウイルス感染者が増え始め、政府から学校の休校要請が出された2月末からだ。車内アナウンスで「国土交通省からのお願い」として、テレワークや時差出勤が奨励され始めた。
それでも、通勤客は減らなかった。
これまでそのような勤務体制がなかったため、すぐには対応できないということで、『(行政の動きを)様子見て今後の動きを検討する』という流れがほとんどの企業でできた。私が勤務している会社でも、その時はテレワークに向けた動きは何も生まれなかった。

ようやく変化が出始めたのは、政府からの緊急事態宣言が発令された4月初旬からだった。テレワークや時差出勤自体は法的な強制力はなく、奨励レベルであるが、「事実上の外出禁止令」が発せられたということで、テレワークをしたことのない企業でも無理やりテレワークの仕組みを作って、社員をテレワークに移行させた。しかし、ノウハウのない状態でテレワークを始めたことで「ネットワークがつながらない」などのトラブルが発生したほか、決裁などをハンコで行っている企業はいわゆる「ハンコ出社」という、テレワークとは矛盾した状況が生まれた。


こうしたトラブルが続くと、いつしか経営者の心の中には「早く通常出社に戻したいな」という気持ちが生まれ、それは緊急事態宣言の解除とともに露呈された。解除されるとすぐに「明日から通常出社に戻します」というアナウンスが流れ、社員は再びあの満員電車に揺られる日々が続くことになっていった。

現在はテレワークの仕組みを構築してテレワークに移った会社と、通常出社に戻しきった会社とに分かれている状況である。

2月~現在までの企業の動きを見てみると、ほとんどの企業が「社会全体に流れている空気が同じである(=テレワークをしてもいいという総意が得られている)ことを確認してから動いている」ことがうかがえた。やはり同調圧力の強い日本にある企業では、他の企業と違う行動が「社会から浮いた存在になってしまう」という解釈に繋がり、違う行動をとることを嫌い、最終的には「受身的」というか、「社会(行政)からの指示待ち」になってしまうのだろうなと私は感じた。

「通勤ラッシュ」をなくすには企業&社会を根本的に変える必要がある

現在、週に1回(主に月曜日)だけ出社しているのだが、通勤ラッシュの状況はコロナ前とほとんど変わっていない。「ソーシャルディスタンスを保つように」といわれているにも関わらず、通勤ラッシュだけは「密」な状態が続いている。

「通勤ラッシュ」をなくすことは、すぐにできるものではないということは私も同感する。しかし、それは企業&社会が「自発的に行っていない」だけであって、自律的に動けば、いずれ通勤ラッシュをなくすことはできるのだと私は考察する。

次回は『通勤ラッシュをなくすための企業&社会を根本的に変える方策があるかどうか』について述べていきたい。

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