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書評「2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義」

最近20代の若者から「おすすめの本はありませんか」と質問される機会が増えました。ありがたいことです。20代の頃、僕はアラフォーのおじさんに学ぼうなんて気持ちはさらさらなかった。蹴落として、叩き潰してやろうとすら思っていた。そんな僕が質問される立場になったのだ。不思議な感じがします。

僕は「おすすめの本はありませんか」と質問される度にこう答えてきた。「瀧本哲史さんの本を読んでないなら、全部読んでみるとよいよ」と。

自分の力で未来を変える術を教えてくれた人

なぜなら、瀧本哲史さんの書籍には、20代の若者がキャリアを築くために必要なことがすべて書いてあります。「僕は君たちに武器を配りたい」から「ミライの授業」まで、瀧本さんの著書には、自分の力でキャリアを築き、未来を変えていくための方法が書かれています。未来を自分たちで変えていこうとする人にとって、瀧本さんの著書ほど、具体的で、勇気づけるられるものもありません。何度も読み返してきました。

瀧本さんが2012年の6月30日に、29歳以下の若者に対して講義を行いました。講義で話した内容をまとめたのが、本書「2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義」です。

本書は以下のような構成になっています。

第一檄 人のふりした猿にはなるな
第二檄 最重要の学問は「言葉」である
第三檄 世界を変える「学派」をつくれ
第四檄 交渉は「情報戦」
第五檄 人生は「3勝97敗」のゲームだ
第六檄 よき航海をゆけ

自分で考え、言葉を磨き、仲間を増やし、交渉を続け、失敗を繰り返しながら、一歩ずつ前に進んでいく。本書で話されていることは、瀧本さんが著書を通じて、仕事を通じて、あるいは表に出ない取り組みを通じて発信していたことが、講義では凄まじい熱量で話されていたことが、伝わってきます。

そして、この講義は本書のタイトルにもなっている、こんな言葉で終わります。

8年後の今日、2020年の6月30日の火曜日にまたここに再び集まって、みんなで「宿題」の答え合わせをしたいんですよ。どうでしょうか。

本がつないだ不思議な縁

瀧本さんは宿題の答え合わせをすることなく、2019年に帰らぬ人となりました。

この講義を受講した人、そして、瀧本さんの著書を読んだ人が、6月30日にどんな答えを持ってくるのでしょうか。瀧本さんの意志は受け継がれたのか、そうではないのか。あるいは、一度消えた灯に火が灯るのか。2020年4月現在の状況では、集まることすら困難にある状況で、瀧本さんならどんな事を話すのか。本書を読みながら、そんな事を考えてしまいました。

余談ですが、本書にはオーディオブックのサービスを運営している「オトバンク」の名前が出てきます。オトバンクの皆様には、2019年大変お世話になったこともあり、不思議な縁を感じます。

そして、本書で紹介されている瀧本さんの面接官を務めた上山信一さんの教え子に、TWOLAPS Track Clubの横田真人さんがいます。縁とは不思議なものです。

大変な時期に手に取りましたが、本書を読み終えて勇気が湧いてきました。ぜひ多くの人に読んでもらいたい1冊です。


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コメント (2)
すごい
縁とつながり
そこに
いる力ってのも
ありますね
雄一さん、世界の辺境の地、三河屋幾朗を訪ねて頂いてありがとう!!!
瀧本氏の鋭すぎる先見の明に、実際にお会いしてお話を伺いたかった。
帰らぬ人となった今、その思想と思索を追える貴重な本となりました。

コロナ禍のいま、瀧本氏が生きていたら何と言うだろう。

「努力が報われること」はコモデティ化するので絶対にやってはいけない、そう学生に諭した2011年。このポストに目が留まって思わずここまで書いてしまいました。
ご活躍をお祈りいたします。
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