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随想

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棲み分けは不明。もしエッセイ集を編纂するならば入れたい記事をカテゴライズ。
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#日記

解像度の高い、春

解像度の高い、春

桜のつぼみが膨らんでいたのに、空気も温いのに、なぜか空気だけは澄んでいて、遠くの山並みまで見渡せた。

山麓に広がる街と夕闇に照らされるアスファルトの道。
街灯の光が連なる様子は、点描された絵画のようであった。
それはフィクショナルな、という意味でも絵画のようであった。

あの景色は、実はまるで嘘で、蜃気楼だったと言われても驚きはしない。
解像度が高まると、かえって嘘らしくなるのかもしれない。

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距離もやさしさの一つ

大学時代は、自己承認欲求に溢れた4年間だった。
高校時代まで交友関係が狭く、目立たないように生きてきた反動で、大学に入って多少無理をした。

知り合いゼロからのスタートは小学時代の転校で経験していたので、さほどの抵抗はなかったものの、今まで所属していたコミュニティと物理的に隔たった場所に来てしまったため、頑張った。
SNS、学生組織、アルバイト、その他諸々の交友関係。趣味。留学。研究。

高校卒業

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