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マックで隣に座った美人新人建築家と建築学科女子大生の会話がすごくためになった話

はじめに

マックでたまたま隣に座った新人建築家と建築学科女子大生の会話が耳に入ってきたんだけど、めちゃくちゃためになったので共有したい。念のため、個人情報を特定されないよう、ところどころフェイクを織り込んでいます。

まず、本論とは関係ないけど、2人ともすごく美人だった。新人建築家の方は、のんに似たたぬき顔の美人。建築学科女子大生の方は、芦田愛菜に似たたぬき顔の美人だった。便宜上、2人をここから「のん」と「芦田」と記す。

2人の会話

芦田「先輩、これから大学で建築の勉強をするにあたって、何に気をつけたらいいですか?」

のん「いい? これは大学では絶対に教えてくれないことなんだけど、建築家として社会に出ると、誰もが知らなければいけないことで、正直『もっと早く教えてよー』と思ったことがあるの?」

芦田「え? なんすか?」

のん「実は、建築の勉強をしただけでは、絶っっっ対に建築家になれないの!」

芦田「ええっ!? なんですってぇ!!!」

のん「いい? 新人建築家にはね、『実作の壁』というものがあるの」

芦田「実作の壁?」

のん「そう。建築の依頼を受けるときに、施主さんから必ず『これまでにどんな家を建てたんですか?』って聞かれるの。でも、これまで一度も家を建てたことがないと、その実作を示せないでしょ?」

芦田「確かに!」

のん「そうなると、施主さんも不安になって頼んでくれないの。だから、新人は永遠に家が建てられない。これが『実作の壁』」

芦田「確かに! それって、アパートも職も失っちゃった人が、職探しすると『まず家を見つけてから来てください』って言われて、家探しすると『まず職を探してから来てください』って言われて、完全に詰むパターンと同じですね!!!」

のん「そうなの。だからね、新人はどうにかしてこの壁を乗り越えなければいけないんだけど、その方法を大学では教えてくれないの!」

芦田「そうなんですね!?」

のん「だけどね、今私がいる設計事務所の社長はいい人で、新人の私にもそれを教えてくれたの?」

芦田「え? 何それ? 私も知りたい!」

のん「いい? じゃ教えてあげるね。それは……」

芦田「それは……」

のん「アントレプレナーシップよ!」

芦田「なんですか? それ!」

のん「日本語で言うと、起業家精神」

芦田「……なんしか、それ!」

のん「うーん……もっと簡単に言うなら、発明魂ね」

芦田「……塊魂みたいなもんすか?」

のん「……うちの社長はね、『これからの建築家は、全員なんらかの発明家にならなければダメだ!』と言うの!」

芦田「どうしてですかっ?」

のん「いい? そもそもね、今の日本の建築は、公共建築も住宅も、大手メーカにがっつり抑えられていて、建築家が入っていける隙がほとんどないの!」

芦田「確かに! うちの実家も住林です」

のん「でね、そこに建築家が入っていくとなると、必ず問題になるのが『価格』なの」

芦田「どうしてですか?」

のん「それはね、そもそも建築家が家を設計すると、設計費が余計にかかりがちな上に、規格化されていない家を作る分、メーカよりも高くつくのよね」

芦田「ふむう」

のん「その問題を解決するには、思い切って『メーカーよりも低価格の提案』をしなければならないって」

芦田「そんなことできるんですか!?」

のん「『できる』じゃなくて『する』の。例えば、壁を全部取っ払った家とか」

芦田「壁がない?」

のん「そう。現代人はライフスタイルの変化で、一人暮らしが増えているでしょ? 本来、そういう人には壁がいらないはずなんだけど、メーカーってそういう規格外の設計が苦手だから、そこのところで低コストの建築的にも魅力的な設計を発明をしたら、新人建築家にも入っていける隙があるって。それこそ、実作の壁を越えられるって、社長が言ってた」

芦田「なるほどぉ……。しかし、しかしですよ、先輩。そんな発明って、新人には荷が重くないすか?」

のん「だからこそ、アントレプレナーシップなのよぉ」

芦田「塊魂ですね?」

のん「アントレプレナーシップっていうのは、むしろ経験が浅い、新人の方が得意なはずだって。なぜなら、下手に経験があると、かえってそれに縛られてしまうでしょ? だからね、できれば学生のうちから、アントレプレナーシップは学んでおいた方がいいと思うわ。私も今、猛勉強中なの。芦田ちゃんも、今のうちから学んでおいた方がいいわよ」

芦田「なるほどぉ! でも、その塊魂は、どのように学べばいいのでしょうか?」

のん「社長が言うには、次の3冊の本を読めって」

芦田「3冊の本!」

のん「うん。それはね、こちらよ!」

3冊の本

芦田「ほほう。これらを読むと、どういいんですか?」

のん「うん。まずアントレプレナーシップは、『大胆な発想』より、『たゆまざる試行錯誤の中』から生まれるんだって。だから、『トヨタ生産方式』はマストって言ってた」

芦田「なるほどぉ」

のん「それから、アントレプレナーシップは、単なる思いつきではなく、2つ以上の問題を同時に解決する『アイデア』でなければならないって」

芦田「どういう意味ですか?」

のん「例えば、無駄を省いた低コスト設計が、空間的にも魅力的にもなっていると、一石二鳥でしょ。そういうこと。それについて詳しく知るなら『岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。』もやっぱりマストだって。

芦田「そうなんですね!」

のん「そして3冊目は、『いい発明は、技術者のペアから生まれる』ってこと。だから、あなたも技術者を探さないとダメね」

芦田「技術者ですか?」

のん「そうなのよ。Appleを発明したジョブズにウォズニアックが必要だったように、世界を変えるような発明は、必ず技術者のコンビなのよね。それは、『イノベーターズ』を読むと良く分かるわ。

芦田「なるほどぉ。早速読んでみます!」

のん「うん!」

おわりに

そんなわけで、思わぬところで面白そうな本を3冊も教えてもらった。早速、Amazonで買って読んでみるつもりだ。

おしらせ

今度、「第8回岩崎夏海クリエイター塾」という私塾を開講します。こちらでは、建築や住宅についての議論もしていますので、ご興味のある方は、よろしければこちらの記事をご覧ください。


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