書店がいずれ必ず終わる理由
ぼくが出版社の社長をしていたとき、感じていた最大の欺瞞が「大量のムダを出す」ということだった。今の本は、例えば5000部刷ったとしたら、割合は色々あるものの、だいたい3000部——60%売れたら採算が取れるようになっていた。つまり、後の40%は廃棄されてもいいようになっているのだ。
なぜそうなっているかというと、そもそも本は、売れるか売れないか分からない状態で作り、本屋さんに卸さなければならない。そうして読者に買っていただく。もしそこで売れなかったら、本は出版社に戻ってくる