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御書印プロジェクト、集客に成果「ふだんと違うお客様が来られる」

書店アンケートを実施 御書印、合計3221回に

小学館と小学館パブリッシング・サービス(PS)が3月1日から書店とともに取り組む「御書印プロジェクト」の事務局は7月28日、参加する書店へのアンケート結果をまとめ、発表した。

それによると、7月8日までに配布した御書印帖の部数は1,960冊、御書印を押印した回数は3221回に上ることが分かった。

さらに、実施書店からは「ふだんと違うお客様が来られるようになった」「お客様との交流が深まった」「お店を知っていただくきっかけになっている」と集客や顧客との関係強化などに成果が得られたとの声が挙がっている。

同プロジェクトは、御書印参加店を訪問した読者に対し、各店が「御書印」として3つの印を押し、店が薦める本のタイトルや作家名などの一筆文と来店日を「御書印帖」に書き加えるというもの。寺社仏閣を巡って集める御朱印と同じ仕組みで、御書印代は1回200円。代金は全額、書店の収入となる。3つの印と御書印帖は小学館と小学館PSが作成し、無料で参加書店に配布している。書店の集客アップと新たな収入源の獲得など書店経営を支援するのが目的だ。

青山山陽堂書店の店頭

▲御書印参加店を掲示する東京・表参道の山陽堂書店

3月1日からの第1次実施書店は、東京、大阪を中心に全国12都道府県の46店。その後、6月8日からは第2次として91店が参加し、合計32都道府県の137店が登録。アンケートは6月16日に閉店した自由書房EX高島屋店を除く、136店に実施した。

御書印最多は200回 来店ついでに物品購入は34.7%

アンケート結果によると、御書印帖を最も配布した店は87冊、最も御書印を押印した店舗は200回だった。第1次実施店の平均押印回数は57回、第2次店は8回だった。100~200回押印した店舗は7店。50~99回は16店。6月スタートの第2次店でも3店が50回を超えているという。

御書印客の男女比は4:6と女性が多いが、第1次スタート時に比べて、男性客も増えてきているという。また、御書印客のうち、来店ついでに本や雑貨などの物品を購入した割合は34.7%(有効カウント2630人中914人)。御書印の一筆で取り上げている単行本や短歌集などのほか、その他の書籍、雑誌、文房具、店舗のオリジナルグッズなどが売れたという。

一筆文に関して書店側が工夫している点については、「御書印の『一筆』のバージョンを2つ用意してお客さんに選んでもらっている。時々、両方欲しいという方もいて、1人で2口400円いただいている」「初回と2回目のお客さんでバージョンを変えている」「一筆を書きながら、ハンコの絵の説明や店の歴史を説明している」「文豪の命日にあわせて3日間、一筆の文章を変更した」など。

賽銭箱を設置するなど、工夫さまざま

そのほかの書店側の運用上の工夫については、「1冊の御書印帖に、地元の名のある人が来たら書き込みをもらって寄せ書き帖として店頭に置いている」「お賽銭箱を作って、そこに『御書印代』を入れてもらっている」「御書印の隅に何人目かを書いて、オリジナル感を出している」「店オリジナルのスタンプを作成し、日替わりで押している」「限定でアマビエのハンコを押している」など。

神保町東京堂書店の店頭

▲御書印の受付時間や御書印代も告知。東京・神保町の東京堂書店

さらに、同事務局には御書印全体の運営に対する相談も寄せられている。中でも、「客の前で御書印を押すのが緊張していまい、難しい」といった声が挙がっているが、事務局では「『でき上りましたらお呼びしますので、店内をご覧ください』と言って回遊してもらってはどうか」と提案している。

同事務局はアンケート結果について、「開始から3年くらいでようやく一般的な認知がすすみ、持続的な活動になると思っています。まだ、半年足らずなので、参加店が少ない地域の反応は鈍いですが、御書印帖を手にした方が全国あちこちのお店を徐々に訪れるはずです。こんなご時世ですから、焦らずにゆっくり御書印の和を広げていきましょう」と話している。

10月5日から第3次実施店加入、200店超の規模に

10月5日には第3次実施店が加わって、合計で200店を超える規模になるという。現在は第4次募集を始めており、100店を上限に参加を受け付けている。

御書印実施書店は公式サイトの通り。

問合せは、御書印プロジェクト事務局(小学館PS営業企画部内、℡03-5281-1627)まで。

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