南極からのはがき

先日、「南極観測船しらせ船内分室」と「昭和基地内分室」の郵便風景印（消印）押印サービスに申し込んでいたはがきが届いた。
丁寧に押された観測船デザインの消印と昭和基地の前を歩いているペンギンの消印。以前からこの風景印が気になってはいたが、観測船の出港に併せたサービスなのでチャンスは年に１度だけ。また、風景印を頂くには押印指示書なるものが必要で、聞き慣れない専門用語も多く、すんなりとは理解しがたい。ネットで調べ、何度も国内の郵便局で風景印を頂く練習を重ね、気合い十分で挑んだ。なにせチャンスは年に１度。失敗は許されない。

果たして無事に観測船と共に11月に日本を離れ、３月末日に大阪に戻って来たこのはがき。長旅おつかれさまとコーヒー飲みながら眺める。
ぎゅうぎゅうに積められたのか指示書を止めていたクリップの跡がはがきにしっかりと残っている。どこでついたのか角もぐしゃっと折れておる。こうゆうのがいいんだよ。デジタルでは得られないロマンを感じる。

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そういえば南極でもコーヒーが大人気という記事を以前、読んだことがある。
とある隊の時にコーヒーの消費が予想よりも早く、最後の１カ月くらいはコーヒーがなかったという。もしかして隊員の中にコーヒー好きの方がいらっしゃったのかもしれない。しかしそこは南極。なくなったからと簡単に入手はできないのだから、そのコーヒー好きの方にはさぞ辛い１ヶ月だったのだろう。どうやって堪えたんだろう。コーヒー好きなら個人で持参しているのかもしれないが。

そして南極といえば沸点が低いイメージだが、この風景印が押された昭和基地の沸点は90度程度。NINOVAL COFFEE(ニノーバルコーヒー)が推奨するコーヒーを入れる最適な温度は85～93度。なぜなら、お湯の温度が高いと苦味や雑味が出やすいからだ。
その点、昭和基地なら沸騰してすぐのお湯でも苦みや雑味が出にくく美味しいコーヒーがいれられる。昭和基地でない一般のご家庭では沸騰したお湯を他の容器に移し変えると、90度ぐらいまで下がり丁度良い温度になるのでおススメだ。

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あの壮大な景色の中でコーヒーを飲んだらたまらなく美味しいんだろうな。いや、あの外気では飲食はできないか。そんなことを想像しながら、フレンチプレスでもう一杯。待っている間も飲んでいる間も、はがきを眺めながら南極への思いを馳せている。

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