『共産主義革命論』第8章

第8章 共産主義の生き方と愛および高度な人間性、精神


共産主義が実現したとき、人々は1日24時間のうち、8時間を睡眠に、4時間を労働、4時間を社会活動、4時間を友人と家族と共に過ごし、4時間を自分のために使います。

さて、ここまで議論してきた必要とは肉体を維持するための必要に偏っていました。
しかし、必要とはなにも肉体に限った話ではありません。精神性を維持するための必要についてはどうでしょうか?
これが実はかなりの難問です。というのも、個人の精神的健康を維持するためには、多くあるものが必要だからです。そして、このあるものは現代社会においては圧倒的に供給不足となっており、共産主義以降においてまず解決されなければならないものです。
それは愛情、あるいは承認欲求を満たすことです。
人間の精神的満足、さらなる向上を目指すために必要なのはほかでもない愛であり、承認欲求を満たすことです。しかし、現代ではこの愛が不足しており、承認欲求が満たされることは極めてまれです。資本主義社会を生きる人々は承認欲求を満たすために、自分がいかに他社と比べて優れているかを主張し、根拠づけようとし、そのために他者を貶めようとする無限地獄に陥っています。

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