見出し画像

会社の立て直しが得意?

 2008年7月、新潟時代の日記です。
 
 53歳で新潟に赴任して8年経ち、今61歳になる。普通なら、あと2,3年で相談役になり常勤をリタイアすることになる。グループ会社トップの定年は67歳程度が暗黙の了解になっている。ところが、意外にもJ社(親会社、鉄鋼大手)のトップから、東京本社の上場企業N社の社長を引き受けてもらえないかと打診された。勿論、打診は単なる形式、了解せざるを得ないのはサラリーマンの常だ。 
 
 新潟の会社は長年低収益に苦しんでいて、就任直後は苦労したが、2年程で業績が急回復し、7年後の現在はグループ内きっての好業績、無借金の優良企業に変身した。新潟の奇跡と呼ばれている(かもしれない)。
 
 業績が好転するにつれて、精神的、物理的余裕が生じ、新潟の酒を楽しみ、新鮮な魚と野菜を味わい、監視人とともに、近隣の散策、旅行、等、新潟人ではないが故に、逆に新鮮な新潟を堪能出来た。
 
 数年後に社長を辞任して相談役になれば、横浜の自宅に戻り、月に1,2度新潟に顔を出す。それが普通なのだが、人生は意外なことの連続・・・らしい。
 
 打診されたN社は戦前から続く世に知られた上場企業で、現在はJ社が、株式の30%を持ち、代々の社長を送っている。しかしながら、この数年は業績不振にあえいでいる。原因は明らかに経営判断の誤り。昨年は赤字をごまかす粉飾決算(まがい)もしており、後がない状況だ。おまけに、今の社長は諸々のプレッシャーに耐えかねて精神を病み、出社できない状態、社長不在状態だとか。諸般の状況から、立て直しは容易ではないが、会社の立て直しなら○○(私のこと)だろう、と言うことらしい。
 
 歴史ある上場企業だが、株価は低迷し一般株主の評判が悪い。特に経営陣に対する内外の風当たりも相当なようだ。規模は新潟の会社の数倍、厄介ではあるが深刻に考えても仕方がない。なんとかなるはずだと信じることにしている。
 
 就任は3か月後の10月、それまでに新潟の次の社長を決めて、申し送りをする。しっかりと後を継いでもらわねばならない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?