【おすすめのエロ漫画紹介付】私が「こいつ面白くないな」「浅いな」と勝手に判断した人間が誰かにとってはクソ面白い事実に耐えられない

 人間なので、生きていれば「この人ちょっと苦手だな」とか「この人面白くないな」と思うことがある。失礼な話ではあるんだけれど。あとは「前は面白かったけど、なんか最近面白くなくなったなあ」とか、正直思ったりすることもある。その度にすんごい落ち込む。これって別に相手が「面白くない」「浅い」「つまらない」んじゃなくて、そもそも自分が相手の面白い部分を引き出せていなかったり、自分と相手の相性が合わなかったり、会話の守備範囲が違ったりするのが原因なことが多いと思う。私が「この人あんまり面白くないな」と思ってたはずの人でも、誰か他の人にとっては面白い人になっている。私の知らないところで、私には話してくれなかったようなエピソードを話している。私とは盛り上がらなかった話題で盛り上がっている。なぜ私はあの人の面白さを引き出せなかったんだ……と自戒する。

 ちょっとアレに似てるかもしれない。クズ男に引っ掛かりまくって雑な扱いされている女の子も、誰かにとっては可愛い愛すべき娘なのかもしれないと思うと胸が苦しくなるやつ。私が嫌だなと思いながら振ってしまった男の子も、お母さんには本当に可愛がられて愛されていたのかもしれないと思うと叫びたくなるアレ。

 人に対して「この人面白くないなあ」「この人つまんなくなっちゃったな」と勝手に思ってしまう一方で(思ってしまうからこそ?)、他者から自分に向けられる「この人あんまりおもしろくないなあ/おもしろくなくなったなあ」という目に私はとっても敏感です。気づきます。正直分かります。え、分かるよね?そういう時にわたしは内心で「私を!!!勝手に!!!規定すんな!!!!!!クソが!!!!!!!!お前が私をつまんなくしてんだよ!!!!!!」って思ってます。立っているステージが違うと(どっちが良いとか悪いとかじゃなくて)正直お互いの面白さは引き出せないよね、会話ってプロレスだからさ……。同じフィールドにいないと戦えないのよ……。ダンサーとプロレスラーが同じステージに立ったとて、お互いやっぱ「こいつ美しくないな」「こいつナヨナヨしてるな」とか多分思っちゃうじゃん。同じダンサー同士とか同じプロレスラー同士だったらその真価にも気がつくかもしれないけど。やっぱり違うステージにいる人のすごさ面白さって分かんないよ。ええっと、何の話だっけ?

 そう、人に「面白くないなあ」「つまんなくなったなあ」っては無責任に思うくせに(そして「でもこの人も誰かにとっては面白いのかもな」と落ち込む)、自分が「面白くないなあ」「つまんなくなったなあ」みたいな目を向けられるとキレそうになりますっていう話でしたね。

 最後におすすめのエロ漫画なんですけど、いだ天ふにすけ先生の「あなただけの雌になる」に収録されている「ずっと前からあなたのことを」です。きすけくんっていう男の子が出てきて、この男の子がずっと馬鹿にしてた(暗いし地味だしサークルの輪の中に入ってないし)女の子と寝ちゃうんですけど、最後の最後でその子が自分の知らないところですごいアクティブなのを知って「ふ、ふーん、そういうの好きなんだ……」みたいにちょっと微妙な敗北感?みたいなのを感じて終わる話です。この、「どうせ俺より劣っている」って見下していた女が実はそんなに見下す対象でもなかったっぽい、って分かったときの複雑な心情を思いやると「分かる分かるー!」ってなります。エロ漫画としてというより文学として楽しんでました。
これです↓
https://www.wani.com/product/4862698377/

いだ天ふにすけ先生がTwitterでその後日談みたいなのも載せてて、めちゃくちゃ良かったのでぜひどっちも読んでみてくださいな……。


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