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コロナ疲れ。ルール破りのアメリカ人。

ワクチン接種三回目(ブースター)をしたのが11月末。クリスマス休暇で大学から帰ってきたムスコは、ブースター接種をしてないと1月半ばからの春学期の授業に出られないとのことで、帰省してすぐに接種を済ませ、どんな注射でも腕が痛くなって泳げなくなるのが嫌なムスメが、年明けにようやく接種を終えて、我が家は「やるべきことはした」体制を整えた。

アメリカは疲弊して混乱している。CDCは自粛と隔離のルールを10日から5日へと緩和したけれど、残り5日はマスク着用。学校はともかくスポーツをマスク着用で5日間?マスクしながら泳げないけど?などと、そのルールをどう適用するかで学校をはじめとしてあらゆる組織が混乱し、各地域の保健所の指示を待っている間にも、陽性ケースはすごい勢いで増え続け、30分で結果が出るrapid (antigen) testはほとんど入手できず、48時間後には結果が出ると言われているPCRの検査結果は72時間待ち。

うちの学校区は11月から凄まじい勢いで陽性がでた。どうも教会が主催する若者対象の宗教行事で感染が広がり、それが学校に持ち込まれたらしい。もちろん若者のパーティは常に感染の原因。あれよあれよという間に、4000人の生徒と職員がいる学校区で400人陽性。それでもリモート授業による子どもたちの精神面への影響を理由に、学校は頑として対面授業を続けている。隣接の学校区はその半分くらいの陽性で、年明けの最初の1-2週間をリモートにしたり、学校主催のクラブ活動を中止したり、しているのに、である。つまり各学校区が父兄の反応を見ながらそれぞれに対応を決めているから、同じ州内でも同じ郡内でも、一貫性がまるでない。

症状がなくても陽性であることもあるわけで、検査をして陽性になると隔離となるから、敢えて検査をしない輩が出てくる。つまり隠れ陽性で学校にいきスポーツチームの練習にいき、その結果クラスメートやチームメートに感染させても知ったことか、という思考である。

こういう子もいた。高校のミートを欠席。学校を欠席しているから、子供たちの間では「陽性らしい」という話になる。ところが学校とは関係のないクラブチームの練習やミートには平然と出てくる。どうもそもそもコロナを信じていない家族で、マスクの仕方もいい加減。ワクチン接種もしていない。

が、これは噂の範疇を越えず、コーチもビシッと事情を追求することもなく、罰則もない。これがアメリカである。

みんながコロナ疲れ慢性状態である。コロナを信じていようと信じていまいと、ワクチンの効果を信じていようと信じていまいと、接種をしてもしなくても、みんなが疲れている。みんなが早く元の生活に戻りたいと思っている。

でも。戻っていいと言われる前に、自分たちで勝手に判断して戻っていいのか?

日本人の私は、ダメでしょう、ダメだよ、と思う。でも、もう疲れたよー、ねぇ疲れたよねぇ、と言いながら、ずるずるとこっそりと勝手に元の生活に戻る人が多い。そしてそれを面と向かって批判しないのは、なぜか、なぜそういう人が叱責されないのか。

そこがわからない。間違っている人が、じわりじわりと規則を破り、罰則されないから、みんな一緒なら怖くないムードが広がる。

国民の生死、健康に関わる問題なのに、ルール破ったもん勝ちの社会。これが国全体、コミュニティ全体の福利よりも、個人の主張が優先される社会の姿である。こんな社会に育つ子供はどんな大人になるのか、と思う。

だから。オーストラリアがNovak Djokovicの強制送還を決めた時には、私は歓声をあげ、喜びの舞を踊った。そうだ、オーストラリア!それでいい、そうあるべきなのだ!ワクチン接種をしていないだけでなく、ビザ申請書に嘘をついて国外に二度も出た事実を隠していたというではないか。世界ランキング一位のプレーヤーだから、という人を小馬鹿にした態度が気に入らない。傲慢にも程がある。強制送還されると数年は入国できないらしいから、グランドスラムはあり得ない。自業自得である。 

ルールを守らない人が村八分にあわないで、平然としている。ルールを守らない人を指摘し叱責することができない社会。

おかしいでしょう?

こんな現象のせいで、さらにストレス追加される毎日である。




ただただ好きで書いています。書いてお金をもらうようになったら、純粋に好きで書くのとは違ってくるのでしょうか。