見出し画像

今日は母親大会記念日

登場モノ

三段腹バラ美:バラ煮込みの妖精

プル也:卵の妖精

その他妖精

光陰矢の如し、三段腹バラ美(さんだんばらばらみ)が登場しだいぶ時間が経過してしまいました。

今日はバラ美についてのお話をしましょう。ここで訂正とお詫び。名前、間違ってんじゃね?と思い、

過去を振り返ったところ、三段腹バラ美ではなく、三段腹バラ煮でした。

が、

バラ美の方が名前らしいので、改名いたします。申し訳ありませんでした。

カジュアル和食料理屋の「ヘレマシ!」に勤める三段腹バラ美は幼いころからコンプレックスの塊だった。

色白で、七分丈の作業着から覗く足首は薄っすらとピンク色で、はっとさせられるものの、

顔には年中、油汗をかいていたし、

目は金壺眼で暗い印象、鼻は全方位、360度から真っ暗な洞窟のような穴が見えていた。

朝に産毛をそっても夕方には白い剛毛が生えていた。彼女は自分のそんな姿が大嫌いで

人前にも立ちたくないとは思ったけれど、他のモノを不快にさせるのも嫌で、

いつもありったけの笑顔を作っていた。

その笑顔とともに大量のよだれが垂れていたので、モノたちは陰日向で悪口を言っていた。

そんな彼女だったので、もちろん、男性には縁がなく、たまたまやって来たフリーの客

新玉中茶(しんたまなかちゃ)に優しい言葉をかけられてコロッと騙された。

玉ねぎ族とポーク族は相性の良い事で知られていたけれど、どんな世界にも

性根の腐っているモノはいるもので、この中茶は家庭内暴力を振るう男で、前妻にも逃げられていた。

そして前妻との間に小学一年生になるつぶらな瞳がかわいらしい

プル也と言う名の子供もいたが、この子供にも暴力をふるう男だった。

前妻は男の暴力に嫌気がさし、子供を置いて逃げ出したので、男は自分と子供の面倒を見てくれそうな

弱い女を探していた。そして罠にはまったのがバラ美だった。

当初はバラ美も男の暴力に怯えていたけれど、幼い我が子にまで非道な行為をすることに

はらわたが煮えくり返り、男をその強力な蹄で叩きのめし、ミンチにして追い出した。

プル也はバラ実をお母さんと呼び、慕ってくれた。

これまでは仕事をして帰っても暗い部屋の電気を無言で付ける生活だったけれど、

今や、ただ今と言うとお帰りと声が帰って来る生活になり、

バラ実は自然な笑顔で笑える自分に驚き喜び、プル也にも感謝し、立派に育てなくてはと決意するようになった。

そんなある日、警察から連絡があり、交番に行って見るとそこには

バラ美より少し年上の女性とプル也、にハーリーデカがいた。

ハーリーデカは路上で言い争う二人を見て通報するモノがあったので、二人を保護してきたと話した。

プル也はお母さん、お母さんが僕を連れに来たんだよ、でも僕のお母さんはお母さんだよねと、

バラ実を見た。バラ実はその言葉でこの女性がプル也の本当の母親であると分かった。

バラ実が事情をハーリーデカに説明していると女は、

プル也の手を強引に引っ張り、お前のお母さんはほら、顔を見て、思い出して、私だよ。

お父さんがあんなだったから、逃げるしかなかったけれどお前を忘れた日は一日たりともなかったよ。

こんな見ず知らずのモノと一緒にいないで、お母さんと帰ろうと言った。

プル也は嫌だ、嫌だ、お母さんだって、お父さんと一緒に僕を殴ったじゃないかと白身をプルプルさせて泣いた。

このやり取りを見ていたハーリーデカはバラ実にプル也を連れて帰るように言った。

私が腹を痛めて生んだ本当の母親だよ!!と怒鳴り散らす女には

一晩、ムショで頭を冷やすかい?と話して事件は一応の解決を見た。

そこに夜勤用の弁当を買ってきた貝紐パンデカが戻ってきた。

二人は早速弁当を広げ、貝紐パンデカはやっぱり親子丼は最高ねと言い、

ハーリーデカはたまには他人丼も美味いよと笑った。


この記事が参加している募集

私のコーヒー時間

大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!