見出し画像

今日はナンパの日

登場モノ

モヤシもや雄:モヤシの妖精

スッパ君:レモンの妖精

今はもう、すっかり鼠色に変色した結婚式用のタキシードを着たモヤシもや雄君と

目の覚めるようなレモンイエローの上下姿をしたスッパ君。

コンビニの前でしゃがんで1本のジュースを二人で交代に飲んでいる。

スッパ君:もや雄君、もっとジュースを飲みなよ。疲れた時には甘いものが一番だ。

もや雄君:うん、ありがとうね、でもこれはスッパ君のジュースじゃないか…それに僕、

スッパ君の足を引っ張っちゃたしさ。

スッパ君:ああ、今日のナンパも難破状態だったね。お茶でも飲みに行きませんか?

そう言うところをさ、

もや雄君:お茶でも見に行きませんか?「の」が抜けちゃったんだ。

緊張して、なにを言っているのか分からなくなっちゃって。

スッパ君:よく知らないけど、お茶を見に行くにはここからは遠いね。多分ね。

もや雄君:うん、僕、お茶を見てもお茶と分かる自信はないよ。

スッパ君:アハハ、僕もだよ。スッゴイ、変な顔して女の子は行っちゃったね。

もや雄君:元々、変な顔の子だったんだよ。

スッパ君:次の子にさ、公園レビューしませんか?って誘ったね。

もや雄君:そうだね、それも言い間違いで、公園デビューって、言いたかった。

スッパ君:それにしても意味が不明だよ。公園デビューって、子供を地域の子供コミュニティに顔見せをすることじゃないの?公園デートのデビューは含まれないよ。

もや雄君:ウワッ、やっぱ、スッパ君は凄いね、博学だよ。君に聞いてから言えばよかった。

スッパ君:なんでも僕に言ってよ。

もや雄君:そうだね、そうするよ。でも君もひねりすぎちゃって女の子を逃がしたね。

スッパ君:うん、僕も逃がした。そのヘアスタイル素敵ですねと言うところをさ、サービスして、そのヘアスタイルステーキですねって、言っちゃった。

もや雄君:「―」をサービスしたんだ。けど、ステーキにしか聞こえなかったよ。この子も変な顔して行っちゃったね。

スッパ君:あの子も元々、変な顔なんだよ。

もや雄君:僕らさ、変な顔の子ばっかりに声かけてるの?

スッパ君:僕らはね、変な顔だからナンパ経験もない子たちが自信と勇気をもって生きられるための…これは、慈善事業さ。

もや雄君:僕らにも慈善事業で逆ナンあったらいいのにね。



この記事が参加している募集

大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!