理解不能と評判の映画『リリー・グレイス 魔女に囚われた男』考察~初見ではポカーンだけど、字幕になっていない重要なセリフを発見すると解釈可能に!
※2023/1/9更新
主に【7】のまとめに加筆。その他細々と修正。【8】を追加。
Twitterで「この世に『リリー・グレイス 魔女に囚われた男』のストーリーを理解出来る人間0人説」というのを見かけて、考察できるか試してみようと思って観てみました。
AmazonやFilmarks等では、意味不明、理解不能というレビューが並び、評価も星1点台という恐るべき状態で、本当にストーリーを理解できた人がいなさそうです。
私も初見ではポカーンでした。
終盤に謎解きパートがあって、これまでの出来事の断片映像がフラッシュバックしてきます。普通は「あれはそういうことだったのか!」となる場面なのですが、そこが全くの意味不明で「一体何が解決されているんだ?」と頭が混乱状態になります。
解決編が意味不明って(悪い意味で)斬新だなと思いましたが…。
ですが、考察できないかなと見直しているうちに、解決編で主人公(ロニー)が何かに気付く重要と思われるシーンで、字幕になっていないセリフがあることに気付きました。
そして、このセリフが本当に重要で、これを発見できたことで、この一見理解不能なストーリーを自分なりに解釈することができました。
(実際、このセリフはかなり唐突で、ある程度考察して見ていないとその意味が分からないので、翻訳する人もどうしていいか分からなくてあえて字幕に載せなかったのだと思いますが…)
ではここから、私の考察・ストーリー解釈を以下に整理していきます。
【1】まず、考察抜きに一見して「こうなのかな?」と思うストーリー
まず、考察抜きに初見時に「こうなのかな?」と思ったストーリーは以下のようなものでした。
魔女リリー・グレイスが主人公の父(クライド)を殺した。
父の葬式のため帰郷した主人公(ロニー)にも魔女が襲ってくる。
なくしたバッグを探してロニーの家にやってくるジェイク。なんだかんだあってロニーとジェイクが協力関係になる。
ロニーとジェイクは、父クライドが作りかけていた魔女を焼き殺す装置をDIYで作成する。
そこにジェイクのバッグを狙って強盗3人組がやってくる。
強盗3人組は魔女に殺される。
ロニーは魔女を装置に誘導し、魔女を捕縛する。
そこにジェイクがやってきて、解決編に突入。ジェイクとの会話でロニーは何かを思い出す(これまでの出来事がフラッシュバックしてくる)。
何か疑問が解決したらしいが、観客には意味不明…。ロニーは魔女を焼こうとするが、ジェイクが阻止して、ロニーとジェイクが焼かれてしまう。
BAD END
一見するとこうなのですが、偏執狂的に考察すると、実はそうではないということが分かってきます。
【2】そもそも父クライドの所に魔女はいなかった。そして死因は魔女に殺されたのではなく、自殺だった
解決編のフラッシュバックの3つ目で、ロニーは父クライドからの手紙を思い出します。人生はつらい、痛みに満ちている、お前(ロニー)は俺みたいになるな…みたいな内容で、遺書のようにも思えます。
そして、このフラッシュバックの最後に、字幕になっていないセリフ(父の手紙の最後の一節)があります。
I gave a name to my pain.
バットマンにおけるジョーカーのセリフ
I have given a name to my pain... and it is Batman.
に似ていますが、別に父がジョーカーだったとかそんなはずはなく、このセリフはそのまんまの意味と解釈します。
私はその痛み(つらい人生の痛み)に名前を付けた。
手紙に出てくる名前といえば、リリー(Lily)。
つまりリリーという名前の魔女など存在せず、父クライドはつらい人生の痛みをリリーと名付けていた。そして、つらい人生の痛み(リリー)によって精神を病んで、結果自殺したと解釈しました。
序盤に保安官が、屋上にいるロニー(投身自殺しそうに見えなくもない)に対して、お前が死んだら後処理は俺がすることになるみたいなことを言っていました。
保安官が自殺した父クライドの後処理を行ったことが示唆されていると見えなくもないです。
※このフラッシュバックが分かりにくいのは、雑に作られているせいというのもある気がします…。このフラッシュバックで重要なのはセリフで、映像はあまり関係なさそうです。
おそらく予算が尽きて追加撮影ができなかったとかで、ここまでのシーンや撮影した素材からテキトーにそれっぽい映像を合わせただけではないかと…。苦肉の策だろうけど混乱を招きますよ…!
(父からの手紙を思い出すフラッシュバックで、父から息子への「幸せになれ」のところで強盗の笑顔を合わせるの何なんだ…。テキトーに幸せそうな表情の映像を合わせただけとしか思えない…)
フラッシュバックの3つ目(父からの手紙を思い出す)とかは、本当は父と子の過去の幸せだった頃の映像を合わせたかったのかもしれないですね。
※超余談
この人生のつらさに名前を付けるという感覚、私も頭の中にアキラ君とメルちゃんがいるので、なんとなく理解はできます…。
【3】父クライドにとっての魔女とロニーにとっての魔女は違う。ロニーにとっての魔女は、父の死の原因を押し付けるための幻想
一方、ロニーには魔女リリー・グレイスが見えていますが、これはロニーの幻想だと思いました。
▼ロニーは父クライドの死を悲しんでいる
冒頭で、父とは子供のころに離れていて、気にしていなかった。父は俺の人生に関係なかったみたいなことを言っていますが、その一方で、父の死を悲しんでいるように見えるシーンもありました。
▼ロニーは父クライドの望みを叶えたと思っている
魔女を焼こうとするシーンで、「お前のせいだ。俺は努力したのに」とロニーは魔女に言っています。この「努力」が一見何なのか分からないのですが、おそらく前半の保安官の会話「父親は息子に望みを抱くものなんだ」「息子が家業を継ぐか家名を守ることだ」からつながっていると思います。
ロニーは弁護士なので、父と同じ職業につき家業を継いだのではないかと推測できなくもないです。
それを、父の望みを叶えた=努力したと言っていて、父が死んだ(孤独死/自殺した?)原因は他にある、魔女のせいだと言いたいのだと思います。
▼ジェイクには魔女が見えていないようにも思える
ロニーが魔女を焼こうとするシーンで、ジェイクには魔女見えていないように思えます。
まず、このシーンでジェイクの持つ銃の銃口は魔女の方を向いていないように見えます。むしろロニーの方に近いような…。
そして、ジェイクは探していた「女の子の写真立て」を発見します。ロニーは「魔女が盗んだものを取り返した」と言っていますが、ジェイクは何言ってんだこいつという感じで、ロニーが持っていたものだと考えます。
このとき、ジェイクには魔女が見えておらず、ロニーだけが見えていた。だから「女の子の写真立て」はロニーが持っていたと確信した。
しかしロニーの様子が明らかにおかしいので、それよりもロニーに考え直すよう諭すことを優先した。
…そんなところかなと思います。
その後、ロニーとジェイクが箱に入って焼かれるシーンで、拘束されていたはずの魔女がいなくなっている事も、この説に符合すると思います。
▼魔女は幻想か?
魔女がロニーにしか見えていない幻想だとすると、上述の通り父クライドの死の原因を押し付ける相手としてロニーが作り出したものだと思います。
(ロニーも父クライドをずっと放っておいたことを気に病んでいる可能性はあります)
なお、魔女の外見は、ロニーがあそこに住んでいた頃に会ったことのある(夢に出てきた)女性がベースになっていると思います。
(ひょっとすると、クライドの後妻とかかもしれません)
魔女が土地の権利書(?)を求めていたのも、ロニーがそういうキャラ付けをしたのかもしれません。
あと、最後のロニーのセリフ
彼女は本物かって?
なら聞こう
現実は幻想か?
ちょっと何とも言えないセリフですが、幻想解釈も可能な気がしてきます。
▼魔女が幻想だとすると、強盗3人を殺したのはロニーか
魔女が幻想だとすると、強盗3人を殺したのは誰かという話になりますが、あれはロニーだと思います。
ロニーとしてはあれは魔女がやったという認知で、映像は客観的な映像ではなくロニーの認知の映像化だと思えば、理解できる気がします。
魔女の殺し方が怪異の割にはフィジカルで、暗殺者っぽい感じがします。
それに、一人目を殺した後、相手が倒れて音をたてないようにそっと床に横たえるのとか、怪異がそんなの気にするなよ!と初めは思いましたが、やっているのはロニーだと思うと納得できます。
その後、魔女焼きマシーンの所に行く前、ロニーが屋敷から出てきたっぽく見えるのも、この説に何となく符合します。
※強盗のボスが殺される前に「マム…」と言っているのがちょっとツボでした(これも字幕になっていないセリフ)。
【4】魔女焼きマシーンの意味
父クライドが途中まで作っていて、ロニーとジェイクがDIYで完成させた魔女焼きマシーン。終盤の謎解きパートで、ジェイクは「これが何かわからないのか?」とロニーに問いかけます。その後、ロニーのフラッシュバックが始まりますが、何が何だかさっぱり分かりません。
そもそも「これ」が何なのか初見では分かりません。
「これ」はおそらく魔女焼きマシーンを指していると思います。
このマシーンには、罠にかかった魔女をロープで拘束するマシーンと、閉じ込める箱があります。ですが、ロープで拘束した後、箱へどうやって移すのか分かりませんし(一旦ロープ外したら逃げられるだろうし)、ロープで拘束したまま焼けばよいので箱の必要性がありません。
これは魔女を焼くマシーンではなく、自殺マシーンなのかと思いました。
誰か人を拘束した後、自分は箱に入って自殺する。拘束した人にはその様を見せつける、あるいはその人にも火が回って心中する…。
そういうものかと思いました。
設計図にあった「her」は、魔女ではなく自殺を見せつけたい誰かなのだと思いました。設計図上に「her」が二人いたのも、「her」は一人しか現れない魔女ではない、死を見せつけたい相手が二人いたということなのかもしれません。
※二人ともそうとは知らず、魔女焼きマシーンだと思って父クライドの設計図の通りにDIYしていたけど、ジェイクはあの場面になってそうじゃないと気付いた、ロニーは最後まで気付かなかったと解釈しました。
父クライドは手紙の中で、ロニーに向けてこれを完成させるなと言っていましたが、それは自分のように自殺するなと言いたかったのかもしれません。
【5】ジェイクと強盗3人組の関係性
強盗3人組がジェイクを追って襲撃してきますが、これはその前のジェイクの告白との相似形だろうと思いました。
ジェイクは告白します。高校時代に仲間と一緒に老人のエンジンを盗んだ後、怖くなってエンジンを老人に返した、それがバレると仲間に仕返しされるので高校を辞めて逃げたと。
ああいうエピソードが何の意味もないはずがないので、今回の件も同じだという匂わせだと解釈しました。
ジェイクは強盗3人組と一緒に悪さをしていて、町で女の子の襲撃もした。
(保安官がロニーに情報はないかと訊いていたこと)
だがジェイクは怖くなって(あるいは罪悪感にかられて)女の子から盗った写真立てを返そうとした。
そのとき、ジェイクは写真立てと一緒にあった金も持って行ってしまったので、強盗3人組に追われることになった。
そんな流れかなと思います。
【6】その他の小ネタ
序盤にジェイクがロニーの家に入るところ、ジェイクの拳銃に弾丸が入っていないとロニーが見破ったのは、正面からリボルバーの弾倉部分を見て、弾丸が入っていないのを確認したからだと思います。
前述の、強盗3人組を倒す手口が暗殺者っぽいというのもありますし、実は「表の顔は弁護士、裏の顔は暗殺者」みたいな妄想も可能ですね…。ブロークンドリーム通りが何なのかよく分からなかったですが、Green Day に「Boulevard Of Broken Dreams」という曲があるので、父クライド(あるいは監督)がグリーン・デイのファンだったんだろうなと解釈しました…。
父クライドの本棚に原爆ドームと平和祈念像の写真がありましたが、何の意味があるのか謎ですね…。
大量の写真立てとかが捨ててある場所は、父クライドが精神を病んでここに色々なものを捨てていたのかと思いました。
自殺を見せつけたかった相手と映っていた写真、それを写真立てから外してビリビリに破いて、写真立ては捨てた…そんな想像をしました。最後、保安官が燃える箱を見つけるところで横に魔女が見えるのが謎ですね。ロニーは死んだはずなのに…。
あれは、保安官がロニーの死の原因を押し付けるための魔女なのでしょうか…??
あるいは、あの箱の下が開いてロニーとジェイクは生きているとか(マジシャンじゃあるまいし…)
それにしても、昼間の青空の下に魔女がいるのはちょっとシュール…。
【7】まとめ:私の解釈したストーリー
私はこの映画のストーリーを以下のような流れだと解釈しました。
※2023/1/9若干加筆
ロニー5歳の時に家を出ていく母についていき、父クライドと離れる。
父クライドは人生のつらさ、痛みにさいなまれ精神を病む。
自分の心の痛みを「リリー」と名付ける。父クライドは自殺する。
(保安官が後処理をする)父の葬式のため、ロニーが帰郷する。
ロニーと保安官は世間話をする。
(保安官は、屋上に上っているロニーが投身自殺しないかと心配して優しく接している。父親が自殺しているのでなおさら気にかけている)ロニーは父の遺品を整理しながら、父からの手紙を見つける。
また、冒頭では悪態もついていたが、なんだかんだで父の死を悲しむ。
(終盤のフラッシュバック2つ目で判明するが、ロニーも父クライドと同様に精神を病んでいる。ロニーは父クライドの手紙を読んでいるが、自分に都合よく解釈しており、気に入らないところはスルーしている)ロニーの元に魔女リリー・グレイスが現れる。
(ロニーには父の死についてずっと放っておいた引け目があり、死の原因を他に求めたかった。ロニーは手紙や過去の記憶をベースに、父の死の原因を押し付けるための存在として「魔女リリー・グレイス」を幻想した。しかしロニー自身はそれとは気づかず、父を殺した魔女が自分の元にも現れたのだと思っている)ジェイクと強盗3人組はつるんで悪さをしていて、町で女の子を襲撃したりしていた。
ジェイクは恐怖(あるいは罪悪感)にさいなまれ、女の子から盗った写真立てを返そうと思い立つ。ジェイクは写真立てを持ち出して強盗3人組から離れるが、金も一緒に持っていってしまったので、強盗3人組から追われることになる
(高校の時の「仲間と一緒に老人からエンジンを盗んだが、その後一人怖くなって盗んだものを返し、仲間から仕返しを恐れて高校を辞めて逃げる」というエピソードを繰り返している)ジェイクは森で迷い、一旦女の子のバッグを隠して逃げ道を探す。
ロニーは森(ブロークン・ドリーム通り)でバッグを見つける。
ジェイクはバッグがなくなったことに気付き、見かけたロニーが持って行ったものと思い込む。
(実際ロニーが持って行っている)ジェイクはロニー(クライド)の家に乗り込んでバッグを探すが、見つからない。
話がこじれてジェイクはロニーを拳銃で脅すが、ロニーは装弾されていないことに気付いて抵抗、揉み合いになる。
なんだかんだでロニーとジェイクが共闘関係になる。ロニーがジェイクのバッグ探しを手伝う代わりに、ジェイクには魔女の撃退を手伝ってもらうことになる。
(本当はロニーがバッグを持っているが、ジェイクには隠している)夜、ロニーとジェイクが寝ているところに魔女が襲撃。魔女は中身を抜いたバッグを置いていく。
(しかし、魔女はロニーにとっては幻想。ジェイクは夜闇の中でロニーの演技を見聞きして勘違いしている)ジェイクは魔女に殴りかかろうとするが、そこにいたのはロニー。
(魔女はロニーの幻想であると同時に、ロニー自身が無意識になりきった存在でもある。ジェイクは暗闇の中で声を頼りに魔女に殴りかかろうとするが、そこにいるのは声マネをしていたロニー。ジェイクは殴る直前でそこにロニーがいると気付くが、結局何が起こっていたのかわからずモヤモヤした感じになる)ロニーは魔女を撃退するため、(父クライドが途中まで作っていて、手紙にも遺していた)魔女焼きマシーンをDIYで完成させることにする。
ジェイクにも手伝ってもらう。強盗3人組がジェイクを追ってきて、ロニーの家を襲撃する。
強盗の襲撃の最中に、魔女が現れる(サイレンが鳴る)。
魔女は強盗3人組を順番に殺害していく。
しかし、魔女は幻想であり、実際に殺しているのは魔女になりきったロニーである。
(だが、ロニーは魔女が殺していると思い込んでいる。映像は客観映像ではなくロニーの認知の映像化なので、魔女が殺しているように見える)ロニーは魔女を魔女焼きマシーンに誘い込み、罠を使ってロープで拘束する。
ロニーは魔女を糾弾する。糾弾のセリフ「お前のせいだ。俺は努力したのに」は、父の死の原因を魔女のせいにしようとしてのものである。
(序盤に保安官の言っていた「父親は息子に望みを抱くものなんだ」「息子が家業を継ぐか家名を守ることだ」を受けて、俺は努力して父の望みを叶えた。だから父の死の原因は俺ではない。魔女のせいだと言っている)そこにジェイクが現れ、探していた「女の子の写真立て」を発見する。
ジェイクはロニーがバッグを隠していた(そして魔女撃退の手伝いをさせて利用していた)と悟る。ロニーは「魔女が盗んだバッグを自分が取り返したんだ」と主張するが、ジェイクには幻想の魔女は見えていないので、信じない。
しかし、ロニーの様子が明らかにおかしいので、ジェイクはそのことをロニーに問い詰めるのではなく、魔女焼きマシーンの発動をやめさせようとする。
このとき、魔女なんて見えないことから、魔女はロニーの幻想であり、ロニーの父クライドは魔女に殺されたのではなく自殺だったのだとジェイクは気付く。また、マシーンの作成時に自分の手を動かしたことから、マシーンは実は自殺マシーンであることにもなんとなく気付く。ロニーの脳内に過去の記憶がフラッシュバックする。
(ここで重要なのはセリフ。予算が尽きてセリフの内容に合う映像が撮れなかったのか、テキトーな映像がつけられて凄く理解しにくい…)フラッシュバックの1つ目で、ロニーがバッグを隠して噓をつき、ジェイクに魔女焼きマシーンのDIYを手伝わせていたことが分かる。
フラッシュバックの2つ目で、ロニー自身も精神を病んでいることが分かる。
(付いている映像がテキトーなので凄く分かりにくいが、ロニーはスルーしてきたが「イカれているのか?」と言われ続けてきたこと、ロニーの様子が明らかにおかしかったこと等が示されていると思われる)フラッシュバックの3つ目で、父クライドからの手紙を思い出す。父クライドは人生のつらさ、痛みにさいなまれ精神を病んでいたことが分かる。手紙の中で、ロニーに対して俺と同じようになるな、あれを完成させるな(お前は自殺するな)と諭す。
フラッシュバックの3つ目の最後(字幕になっていない英語のセリフ)で、父クライドは自分の心の痛みに「リリー」と名付けていたことが分かる。
(「リリー」は父にとって魔女ではなかったこと、ジェイクに魔女が見えていないことなどから、ロニーの見ていた魔女は幻想と解釈できる)ジェイクは他に方法があるはずだと諭すが、ロニーは結局他の道を見つけられず、魔女を焼こうとする。
ジェイクはロニーの魔女焼きを阻止しようとする。
(存在しない魔女を焼こうとしてロニー自身に火が燃え移ることを恐れてと推測)
そして、ジェイクはロニーを抱えて一緒に自動で閉まる箱に入る。火は箱に燃え移り、ロニーとジェイクは死ぬ。
(ジェイクはそこまで狙ったのか、火が燃え移ったのは偶然かは不明)翌朝、保安官が燃える箱(ロニーとジェイクが死んでいる)を見つける。
BAD END
この映画、人に勧めるかと言われると全然勧めないですが、考察脳を活性化させることができて私は凄く楽しみました。
考察厨にはおすすめ…。
【8】この映画の惜しいところ。最低限これだけでもやっていてくれたら…
※2023/1/9追加
この映画、最低限以下の3点だけでもやっていてくれたら真っ当に楽しめたかもしれないのに…と少し残念に思いました…。
フラッシュバック3つ目の最後のセリフに字幕をつける。
(謎解きのための最重要セリフなのになぜ字幕がないんだ…)フラッシュバックのシーンの映像がテキトーなので、ちゃんとシーンに合った映像をつける。
フラッシュバックで何かを思い出した後のロニーの反応が何もない。
ここで自分が精神を病んでいて、魔女が幻想だと気付いてもおかしくないのだが、全部スルーして元の行動(魔女を焼く)を続けようとしている。どうして…。
ここでフラッシュバックを受けてのロニーの反応を入れてほしい。葛藤したけど結局立ち直れず魔女を殺そうとするでも、何でもいいので…。
ロニーがフラッシュバックを全スルーなので、フラッシュバックが観客の推理のためのものにしかなっていない(しかも上記の1、2のせいで推理難度が理不尽に上がっている…)。
これだけでも改善できていれば、ミステリ部分の不明瞭さ・理不尽さがかなり軽減されるはず。そして、傑作にはならなくても、好事家や考察厨に密かに楽しまれるカルト映画にはなり得たのではないか……そんなことも思いました……。
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