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成長する振り返りとは 振り返る人編

◆はじめに

「振り返りが大事」と言われれば、たぶん誰もが納得すると思います。
ですが、振り返りが正しくできているかどうか、といいわれると「正しい姿」をあまり意識していないのではないでしょうか。

ですが、やはり実感として振り返りができているプロジェクトメンバーは、次のプロジェクトでもうまくいく。
デイリーで振り返りができているチームは問題の対処が早い、という事が目に見えてきています。

プロジェクトの振り返りの方がまだ話題に出ることが多いので。
今回はあえてOJT、ジュニアクラス・3年目位をターゲットにしています。

◆なぜターゲットを絞るのか

これには理由があります。
振り返りは、視点をどう取るか、という思考ロジックでもあります。
学校で振り返りを習った経験はない(今はあるのかな?)ので、イキナリ「振り返ろうぜ!」と言われても困るわけです。
このトレーニングを早めに行った方がいい。できればプロジェクトの振り返りまみれになる前に、です。

◆成長する振り返りとは何か

禅問答みたいですが、「きちんと振り返りができる人は成長できる人」です。
これは実際20年近く色々なメンバーと振り返り面談をしてきての実感です。
自分を成長させようと思ったら、振り返りが上手にできるようになるというのはかなり早道です。

よくある正しいような間違いは、以下の前提を覚えていないことです。
自分が「成長するための」振り返りはプロジェクトとの振り返りとは異なります。まずこの前提を覚えておきましょう。

◆身近にある振り返りをまずは思い出してみます

 RPGでボスに倒されたらどうしますか?

  何をしたかを確認しますよね
  何が弱くて負けたかは考えますよね
  何はなんとかなったか(回復系は足りてる、とか)は考えますよね
  何ができなかったか
  (耐性は足りているのか、ATKは足りるのか HPは?)考えますね。
  その結果、何を強化して挑むか決めますよね。
  勝てる手順を考えますよね。
  そして再度戦いに出る!

十分振り返りだったりします。
明示的に示されないと気付きにくいですが、日常生活でも「目標」が漠然とあれば、トライ&エラーの中では行っているのが振り返りです。
ただ、会社の評価やフォーマットに合わせられると、過去の経験が関連づけられていないので、意識がリンクしてないのというのが多くみられるのはとても勿体ないな、と思います。

日常生活の振り返りを仕事に活かしましょう

◆もう一つの大事な事

「なりたい自分がある」事です。
成長するための振り返りですが、「どう成長したいのか」のイメージを持つことが大事です。これがないと、プロジェクトの振り返りと自分の振り返りを混同します。正しらしさとか可能性とかは関係ありません。 
 
夢と希望ではなく「向かっていく成長イメージ」を持っておきましょう

◆働く人の目標設定

働く人は、時間が有限です。
自身の成長はすべて余暇、という全く違う時間を使うイシキタカイやり方もありますが。それは、本当に人生の目標として現実の働く目標と乖離している場合だけにしましょう。
基本は自分の成長イメージと働き方は関連づいている方が良く、考課にも耐えうる型にするのが無駄がありません。

誤解がないように書きますが、「成長」とはスキルの習得のイメージが強いと思います。
ですが、成長には「技術的な成長」「精神的な成長」があって、「技術的」といわれる中にも、手を動かすものから、思考ロジックまであるので、侮れません。

働く人の成長(目標)設定は「今手元にある(業務=資産)」活かす方向で考えましょう。

◆最初成長(目標)設定時に心がけること

目標の設定時には2つの時間軸を持ちましょう。
まず最初の積み木をどうするか、とその後積み木が積み重なった後どうなるか、です。

その積み木の選択で良いのか、その後積み木の完成形が近いかどうかを、人生の先輩であり業務を見ているマネージャーとすり合わせましょう。
目標を短期的なものとして捉えてはいけません

◆目標が決まったら、振り返りで何をすべきなのか

私は振り返りには以下の項目を記載することを推奨してました。

ちなみに、書き方のポイントとしては、日記調、お手紙調にならないように気を付けましょう。ロミオ&ジュリエットな抒情的でナルシストな振り返りは必要ありません。 
TODOは正しく業務に即して行われているのか、その中の成果は正しく認識しており、成長目標は会社の目標と乖離したものになっていないか。それを細かくマネージャーと確認してください。

業務の中で自己の成長を促すことができるか。よく相談しましょう。

◆意識すべきこと

記載するのに意識してほしいのは以下の3つのポイントです。

最初に、振り返るが上手な人は成長できる人、というように書きました。
何が「成長の余地なのか」ということを自分自身で実感・認識・確認することが、一番成長に効くということだという考えからです。

◆よく見たダメダメパターンをあげておきます。

その1
 「○○ができましたー」「おわりましたー」で、ドヤァ!!!!!
  →TODOの終了は言えるわけですが、それによって自分がどんなこと
   が成長できて、何が問題だったか、ということを明らかにして初
   めて、自分の成長や成果を言語化できたことになります。

その2
 「○○PVあがりました」「売り上げが全体で〇%達成!」で、ドヤァ!!!!!
  →数値目標は達成できていると言えそうですが、これが落とし穴。
   サービスの目標、部署の目標、自分の目標のどれですか?という話。
   また、それを達成するために「あなたは」何を行い、何を学び、
   何を課題としますか?が答えられないです。
   自分の成長が見えてないダメパターンですね。

その3
 その気持ちはわかるけれども…パターン。
 「〇〇のプロジェクトを成功させるためにご存知の通り誠心誠意頑張りました。このため無事にリリースできました」ドヤァ!!!!!
 →なんのこっちゃわからんがな。
  自分を知らない第三者にも、自分が「何をして」「何が成長か」
  「何が問題か」を伝えられるものになってないといけません。
  マネージャーは更にマネージャーに報告するのですから。具体的に言え
  ないのは問題解決のためのスキルが低いことを露呈しますよ。

◆さいごに

目標は営業成績やサービスなどの結果だけを下記、そのための努力や、個人的成長など書く必要がない。としている会社や人もいるということを書かなければなりません。

それはそれで間違いはありません。
  「お前はお前の成すべきことを成したか否か」
という事を問うのは一番シンプルな評価への問いです。
 
ただ、3年目ぐらいの、自分が成すべき事すら曖昧で、自分が成すべき事を成すために自己をどう育成していくかの方向性も定まらないヒヨッ子にやり方を教えてないでいきなりぶん投げてしまうのはあまりに大人げないと思うのです。

会社の成果とプロダクトの成果と自己の成果。会社の成長とプロダクトの成長と自己の成長。これが分離できていないメンバーに上記のシンプルな問いをすると、すべてが混在してきます。分類し、整理し、成すべきことに必要な成長すら見失っていくのです。
それはマネージャーとして、育成放棄に等しいと思うわけです。

なので、私はあえて量は多くなるけれどもわかりやすい項目に分解する方法を選んでいます。これはあくまでも参考までに。

是非、振り返る人も、それを吟味する人も、成長のために素敵な振り返りをしてほしいなぁと思います。 

次回振り返りを受け止める人。マネージャーの心がまえについて記載します。 
→書きました(https://note.mu/nikudama/n/nbee77114de3e)2018.6.20

ようやく、正式版が出せました。V0.02から脱出です・・・。

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