ロシア・ウクライナ・ベラルーシの宗教史9 ロシア帝国の教会支配
1.はじめにロシアにおける教会と世俗権力の関係は、時代によって様々に変化していました。あるときは、教会が政治に積極的に介入し、またあるときは、世俗権力によって教会が虐げられることもありました。ロマノフ朝初期においては、ミハイル・ロマノフの父フィラレートは、「大君主」を名乗り息子とともに政治を行い、儀式改革を行ったニコンは総主教の地位はツァーリよりも上であると考え、独裁的に権力を握りました。
しかし、教会はやがて国家へと従属していくこととなりました。それは、ロシアの近代化が開