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サラリーマンが本を出す方法。誰もインタビューしてくれないから自分で一問一答してみた。(自作自演)

今日は2022年1月1日。
何が楽しくてこんなnoteを書いているのか自分でも摩訶不思議ではありますが、元旦って意外と暇なんですよね。。

2021年8月27日、晴れて私はビジネス本の出版デビューを果たしました。出版社は扶桑社、テーマは法人の新規営業に関するもので、タイトルはセールス・イズ 〜科学的に成果をコントロールする営業術〜 です。

まずはじめに断っておくと、本を書いたからといって世間から『先生』と呼ばれる高尚な人物かと言えば、全然そんなことありません。専門分野はあれど、僕はどこまでいってもサラリーマンだし、金曜日の夜になるとやたらテンションがあがって夜更かしをします。時にはTikTokの可愛いダンスを見ながらニタニタする38歳です。
その辺にいる(?)普通のビジネスマンです。

それでも、結果として本を出すことが出来ました。
今回のnoteは、『いつか本を出したい』と思ってる人の、ヒントや兆しみたいな感じになれたら良いなと思ってます。
出版ってベールに包まれてますよね…。私もまだ1冊しか出していないので『どの口が言うんだ』状態ですけど、きっと知りたい人も多いと思うので『言える範囲』で書いてみたいと思います。

ところで今回のnote、読者の気持ちを置いてきぼりにしつつもあえて、『記者会見風』にこだわってお届けします。

楽しそうに取材に答える“風”を演じる私。
実際に今回の記事では取材はありませんでした。

そうです、私は本を出す=沢山取材が来るとばかり思っていました。いえ、正確には沢山メディアに出させていただいたのですが、やっぱり本の内容や営業(私の専門分野)についてなんですよね。
僕という人物や本を出すというイベントに対して取材が来るわけではない。。

ということで、記念すべき第一号の出版記念取材は自作自演です。なぞの一問一答スタイルでお答えしたいと思います。どうかお付き合いください。

エピソード.1 本を出す前

ノートで何かを示す私。よく見ると
何も書いてないことがお分かりいただけます。


本を出すことは狙ってましたか?

あー狙っていましたね。(ドヤ顔)セレブリックス(著者が勤める会社)として、本が必要かどうかは未知数でしたが、それくらいの影響力(知名度や実績)が欲しかったのは事実です。マーケティングの最終目標を達成するためのKSF(成功要因)には入れていましたね。

本を出すために意識したことは何ですか?

noteを書くことです。ブログや日記テイストではなく、僕の場合は専門分野の法人営業×新規営業に関することを”ワンテーマ・ワンノート”というスタイルで書いてました。複数にまたがる内容を無理矢理詰め込むと、メッセージが濁り、浅くてペラペラなコンテンツになるので、基本は「テーマをハッキリ決めてぼやかさない」というのはこだわりました。(軽く咳払いをする)

しかし見ていただければお分かりの通り、出した数でいくとそんなに多くはありません。

ノートのネタはどう探しましたか?

基本的にはTwitterで反応が良かったものを深く追求して展開するというパターンが多いです。時流やトレンドは気にはしますが、基本的には『書きたいものを書く、ただし、徹底的に読みやすくな!』というのが私のスタイルです。ブームにのるんじゃなくて、ブームは起こすものでしょう。

ここでキメ顔が登場しました。シブい。


本を出せた要因はなんですか?

基本的に出版社の立場で考えると、執筆者の夢を叶えるために本を出すのではなく、商売として本を出すわけです。なので『売れる兆し』を感じなければオファーなんてきません。本を書きたい人なんて5万といます。いくら願望やネタを持っていても、商業的な価値がなければ自費出版(執筆者が自分でお金を出して本をつくる方法)になってしまうと思います。

なので、最大のポイントはその商業的価値を編集者や出版企画サイドに想像させることができるかどうか、もしくは納得させられるかだと思います。

でも僕も気になったので編集者に聞いてみました。

大晦日に突然連絡する筆者

優しくて、真面目。そしていつも真剣な扶桑社の編集者、秋山さんの回答はこうでした。

少し充電が気になります
聞くだけ聞いて、聞き終わったら淡白な今井さん


ということです。やっぱりノートは重要ですよね。
タイトルや内容は勿論、そのメッセージ性が大事なようです。たまたま僕の場合は秋山さんに刺さったわけですね!


オファー後は直ぐ出版が決まりましたか?

いえ、多分半年くらい寝かしましたかね。(前髪をかきあげる仕草)

それはなぜですか?

セレブリックスのマーケティング活動にブックマーケティングがどの程度必要か見極められなかったからです。それまでのターゲティングからいえば、むしろnoteやSNSを見ている方々とのコミュニケーションの方が重要なのではないかと思っていたからです。

私の身体はひとつですから、はたして執筆に時間をかけることがベストかなぁ…と悩んでました。
そりゃ勿論、個人としては本書いてみたかったですけどね。


あと、正直言えばオファーを貰ったことで他の出版社も少し調べてみたいなぁという気持ちもありましたね。(秋山さんごめんなひゃぁぁっい!!)

なぜ出版を決定したのですか?

セレブリックスが全国に拠点ができて、SNSやウェビナーで接点を持てない方々に、セレブリックスを知っていただきたい&頼って貰いたかったからです。

そしてもう一つは私の野望『Sales is cool』構想の実現ですね。私には人生をかけて成し遂げたいテーマがあって、それがSales is cool=営業はカッコいい。という世界観を作ることなんです。詳しくは文末のリンクを参照してください。

一言でいえば、僕は何もなかった自分に様々な可能性を与えてくれた、営業の役に立ちたかった、恩返しがしたかったのです。

なぜ扶桑社だったのですか?

お世辞抜きで編集者への期待と信頼でした。

なんとなく扶桑社はビジネスコンテンツよりも、エッセイとかエンタメ寄りかなぁとか思いましたし、色々な意見やアドバイスは頂きましたが、やってみないとわからないことだらけでした。

なので、初めての作品は誰とやるかにこだわりました。

今思うと、デビュー作は扶桑社と、そして秋山さんとやれて本当に良かったです。結果論ですが、エンタメ系のメディアが強いこともあり、本の内容を記事化したことでYahoo!ニュースのトップに掲載されたり、より多くの方にセールス・イズがデリバリーされたと思ってます。

TwitterとSPAの共同番組にも出演し、岸明日香さんとも共演できたのは忘れません。エキサイティングしすぎて、浜松町のスタジオから渋谷まで歩いて帰りました。

岸さん、目力強すぎて気絶しそうになりました。


自費出版ですか?企画出版ですか?

企画出版です。

本を書いていた期間はどれ位ですか?

うろ覚えですが半年以上はかかっていると思います。ただ最初はぶっちゃけ結構サボってました。笑

後がなくなってから本気だしましたね。
海が見えるホテルにこもって執筆をしていました。今でも社員から「何のためにわざわざホテルに籠ったんですか?」という純粋な質問をいただくたびに、適当な理由をつけていますが、真実はひとつ。私がミーハーだからです。(それっぽいことをしたかった)

海を見ながら執筆。気分は太宰治でした。


本を書いた際の苦労は何ですか?

半分くらい仕上げて、全部白紙に戻しました。
編集者の秋山さんから「…正直言うと読みものとして面白さをすこし感じないです…」と言われて、『そうですか、ちょっと考えます。(上等だこの野郎…)』と、全部最初からやり直しました。

ただ ハッ とさせられましたね。
いつしか書くことが目的になっていて、「伝わること」を置き去りにしていました。

そこからは、「まるで今井が隣で喋っているかのように」書くことに意識をかえました。『そこに私がいる・私の想いや温度を感じる』ということに、とことんこどわりましたね。

あと結構悩んだのが、社内のノウハウをどこまで出すか…は頭を痛めました。そして今まで当たり前にノウハウとして言語化していたことも、改めて出版をする際に、その背景や根拠を説明する必要性がでてきました。今回を機会に改めて営業活動のデータと照合したり再度実験を行うなど、裏どりや証明は丁寧に行いました。

特定分野で本を出したい方は、データ集めや裏取りなどはしっかりやっておいた方が良いですね。
数字があると『わかりやすい・伝わりやすい』のは勿論なのですが、本を書いていると『多くの方に影響を与えるかもしれないということが、プレッシャーや責任感となって自分に降りかかる』のです。適当なことなんて書けません。

今だから言える裏話を教えてください

Twitterで「営業ということば」をミュートにしてました。こういう時に新しい情報や反対意見が入ってくると、感情が振り回されるんですよね。

余談ですが、今でも営業というキーワードを定期的にミュートしています。(んまっ!)

ちなみに…普段から直ぐ怒りの反応を出しやすい私は、出版をきっかけに、きっとこれまで以上にアンチになる方や反論が生まれることも予想していたので、『反応しない練習』を買って、京都の寺や庭園を巡って座禅を組みに行っていました。

…京都に行きたかっただけでは??


タイトルはどう決めましたか?

4つまで選択肢を絞って、SNSと社内で公募しました。ダントツでセールス・イズが人気でしたが、ここだけは出版社側がすんなり縦に首を振っていただけませんでした。

売れている営業本は、ほとんどシンプルでわかりやすく『営業』という単語が入っていたからです。私の知り合いにはセールスイズという名前でも購入いただけるかもしれない・・・、しかし書店に並んだとき一般層はそうは行かないぞ、と。

しかし、、こういう話を出されると乗り越えたくなってしまうんですよね。前提をひっくり返すのが大好きな私は、『セールスという名前でバカ売れした最初の本になります』と、ここで急に営業力を発揮して編集者にクロージングしました。笑

顔を出して恥ずかしくないんですか?

うるさいです(笑)、恥ずかしいに決まってます。
でも少しマヒってるのも事実です、私は正直どっちでも良かったですが、出版社の意向で決まりました。

エピソード2.出版後

嬉しそうに何かを表現する今井氏だが、何も表現することがないことに気づく


本を売るために頑張ったことは何ですか?

イベント、SNS、知り合いへの告知、出来ることは何でもやりました。出版に差し当たって、私にいろいろアドバイスをしてくれたのが、絶対目標達成シリーズの横山信弘さんです。
横山さんに、「デビュー作は人生で一度しか存在しないので息を止めるくらいの勢いで出来ることは全部やりましょう」という言葉をいただきました。

出版後の1か月は本当に死ぬかと思うほど忙しかったです、というか忙しくしました。
つまりこの期間は私だけではなく、弊社のマーケティングチームもとてつもない忙しさだったと思います。この頃の私たちはよく社内を走っていました。
まさか38歳になってオフィスを全力で走るとは思ってませんでした。笑

なので心からマーケティング本部の皆さんには感謝しています。


印税は会社ですか?個人ですか?

会社に入ります!
あくまでセレブリックスのマーケティング活動の一環として行っているためです。個人的には印税云々はありますが、会社としての活動ですと、自社のマーケティング活動に組み込めたり、業務時間内に執筆の時間を確保できるので、結構アリだと思ってます。当然、本を起点に受注やビジネスに発展させられれば個人やチームの評価は上がるわけですからね。

増版のターニングポイントはありますか?

初の重版は、3日でかかりました。基本的には順調に売れ行きは伸びて行きましたが、特に効果があったのが、トゥモローゲートさんのYouTubeに出演して、私が自ら営業を披露したことで、一気に売れたそうです。やはり行動することは重要ですね!
(視聴数13万回…ぐぇぇ)


本を出して環境は変わりましたか?

本を出したタイミングだとそこまで変わらなかったのですが、重版になったタイミングで変わりました。そもそも重版になるのか10%〜30%(詳しくは忘れた)くらいの狭き門らしいですね。

増版が掛かってからは、イベントでの登壇内容が基調講演になってお金をいただけるようになったり、変化は確かにありましたね。

少し天狗になってますか?

なっとらんわ!笑
…え、なってますかね?!汗

また書きたいですか?

本業や自己実現の延長線上に本があるのならきっと書くのだと思います。すでに次の作品は決まっています(シン・セールス理論/フォレスト出版)ので楽しみにしていてください。

そしてユームテクノロジージャパンの小松さん(@asamiUMUdesign)が著者である、本にも監修として関わっていますのでこちらもお楽しみに

まとめ

カメラに向かってばっちり決める今井さん。
繰り返しになりますが今回は取材ではありません


まず、出版(企画出版)のためには

・本に限らずブレない伝えたいメッセージがある
・noteやsnsで編集者に情報を届ける
・専門性や読み手の欲しがるコンテンツが作れる
・タイトル含め『目を惹く』ものがある
・文章力がある
・熱意のあるファンや支援者がいる

ということでした。
そして、結構編集者はTwitterやnoteで情報収集していますので、そうした方々の目に留まるようにしたり、近づいていくのも大切かもしれません。

以上、参考になれば幸いです。

2022年の元旦。実家のこたつのなかで本コラムを書きました。
お付き合いいただきありがとうございました。

文中にでてくる参考コラム

私の本

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