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営業力とは何か?を問う

みなさんこんにちは、セレブリックスの今井です。

初めましての方、よろしくお願いします。
私はセールスエバンジェリストとして、主に法人営業のセールスモデルの研究や最新営業手法の開発などを行っています。

周囲からはよく、「スカーフの人」とか「パスタの人」、「群馬の人」と呼ばれています。どれも間違っていませんが、何故そうなったのかは想像にお任せします。

ところで先日、NewNormalな時代のシン・セールス理論について考えていた時に、そもそも営業力って何だっけ・・?と内省する機会がありました。

無理矢理結論はコレだ!と決めつけることもできますが、一口に営業力といってもその構成要素は多岐に渡るな・・・となり、思いつくまま書き殴ってみたのが下記のツイートです。

これが思った以上に好反応でした。

そこで今日は、いつもより「ゆるふわモード」に、営業力て何だっけ??
をみんなで考える機会を提供したいなと思います。

予めお断りをしておきますが、人によって解釈が異なるため、全人類にとって営業は〇〇であるという答えは出ません。


営業に必要な構成要素を挙げてみよう

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まず、どんな理由でツイートの項目を挙げたのか簡単に解説します。

情報収集力
→提案する企業や周辺環境(市況や競合)に対して、状況や事実を把握する。
   営業活動を行う上での下調べ、武器を用意する。

仮説構築力
→集めた情報をもとに、ターゲット顧客が商品を必要とする根拠や理由の
 仮説を立てる。(なぜ、今、このサービスが必要なのか)

論理的思考力
→商談で聴きだした情報を 体系的に整理したり、聴きだした情報からどのよ
   うな課題解決が必要なのか?の辻褄を合わせる。

想像力
→言葉の意図を汲み取ったり、背景にある状況やインサイトを想像する。
   加えて、顧客から得た情報をもとに脚本や提案のストーリーを想像する。

企画力
→想像されたストーリーを、具体的な企画に落とし込む。
   抽象的な概念を具体的な提案に落とし込んでいく。

文章力
→読み手にとって理解しやすい文章や表現を選ぶことができる。
   顧客の心を掴む、魅力的なキャッチコピーや口説き文句を作る。

描写力
→いわゆるデザインの力。図やイラストを活用したグラフィカルな表現。
   企業の課題と解決策の因果関係がハッキリわかる視認性を持たせる。

訴求力
→相手が思わず「確かに!」と納得したり、「コレいいな!」と購入の
   欲求が生まれるような、魅力的な説明やプレゼンテーションをする。

課題解決力
→課題となる事実を発見し、またその課題を「解決すべき重要なこと」と     相手の認識させ、その上で課題解決に必要な手段を提案する。
 ※課題発見力、課題設定力

調整力
→最適な提案を行うために、社内の関係部門(開発や技術など)や上司の巻き
   込んだり(同席依頼や金額調整)、外部パートナーとの連携を行う。

数字力
→上位役職者に対する商談で、数字を理解し数字で示せるようにする。
    目標達成における確率の把握や逆算思考でも活用する。

雑談力
→相手の心理的障壁を壊すような、スッと懐に入る技術や、思わず相手が
   話しやすいと感じてもらえるような愛嬌やアイスブレイクを行う。

関係構築力
→顧客の本音や要望を常に探り、相手の期待を先回り、良好な人間関係を
   築く。信用を重ね、信じて頼られるオンリーワンを目指す。

コミュニケーション力
→相手が言いたいことはナニか「本質を見抜く」力と、個別具体的なものを
   まとめてわかりやすくする「概念化」する力に分けられる。
   対話を中心に意思疎通を円滑にする。

胆力
→物事を恐れたり気おくれしたりしない気力。いわゆる度胸。
   一歩踏み出し、電話を架ける・必要なことを物申す。状況を打破する。

行動力
→まずやってみる姿勢、そして行動することが「質」と高める最良の手段
   であることへの理解。営業は行動せずに成果が出ることはない。

継続力
→営業は心が折れそうになる場面が何度もある。そんな状況下でも信念と
   強い覚悟をもって、決めたことをやり通す力が必要になる。

状況対応力
→どんなに優れた仮説や情報を仕入れていても、予定通り進まないのが営業
   であり人間関係。イレギュラーが起きた時に、冷静に状況を見極めて、
   ベストな対応を選択したり、プランBを用意する周到さが必要となる。

何とかする力 
→言語化はもはや不要。
   手段はともかく、最後には帳尻を合わせようとする何とかする力。
   圧倒的な責任感と達成意識、危機感によって繰り出される。
   火事場の馬鹿力とも言う。
   根性論や精神論は辞めるべきとも言われるが 最後はやっぱり必要。
 「死んでも何とかする!」と覚悟を決めた人の、情報収集力~状況対応力
   まで全ての能力が高まる気がする。笑
   ハンターハ〇ターのエンペラータイムのようだ。
   ※ちょっとブラックな感じもしますね


要望のあった新たな能力

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このTwitterの投稿をみて、たくさんの反響をいただきました。
その中でも厳選して、営業力に追加したい要素を挙げたいと思います。

質問力
→むしろ完全に見落としていました

察知力・鈍感力
→相反する二つの能力、ここに営業の難しさが存在します。
   後ほど解説します。

その他にもたくさん頂きました、ご回答いただいた有難うございます。

重要な能力は何か??

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営業力の構成要素に優劣をつけるのは難しいと判断しました。
その理由は大きく分けて2つ「内的要因」と「外的要因」によって、その時々重要になる営業力が変わるためです。

内的要因とは、ここではその人自身の持ち味と解釈してください。
誰にも得意、不得意があります。
しかし、例えばコミュニケーションを取ることが苦手でも、優れた仮説構築と企画力でそれを補うことはできます。

このように一概に優劣は付けられないことがわかります。

一方で外的要因とは、
・顧客のニーズやタイミング
・競合の商品力や営業力
・世のトレンド

こうした、自分ではコントロールできない変数のことです。
周囲の状況を踏まえて、営業力の中でもどの観点を磨く必要があるのか状況によっても変わります。

やはり一概に優劣が付けられないことがわかります。


更に難しいのが、相反する能力の関係性です。
例えば、先ほど追加項目に上がった2つの能力、察知力・鈍感力

一見するとどちらも重要な能力な感じがしませんか?
相手の反応を機敏に捉える察知力。情報の活かし方や顧客の反応を精緻にヨムことに長けそうです。しかし察知力が高すぎる人が、「新規のテレアポ」を行うと、顧客のストレートな反応にひどく傷つき、著しくモチベーションが下がる傾向があります。
一方で鈍感な人、割り切れる人は「それはそれ」と切り替えることができます。

つまり、営業力の構成要素であるこれらの力は「すべてがMAXである必要はない」のです。自分の持ち味を知り、戦い方を組み立てることが重要です。

そして、度々「営業」と一括りにされる私たちの仕事は、もはやその内容は企業や事業、プロセスによって大きく異なります。
ルート営業・新規営業・代理店営業・・・こららは別物です。

それぞれの営業パーソンの担当領域(顧客や活動プロセス)に合わせて必要な営業要素を定義していくことも重要です。

このように営業はとても複雑なのです。
ここに、簡単に学問として広く普及出来ない理由があると考えていますし、複雑さを極めた答えのないゲーム性を感じます。

そんな中、営業は誰でもやれる。新卒はとりあえず営業・・・と考えている方が「どうかしてる」と私は思います。

私にとって営業力とは

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これだけ一括りにするのはムダだよ、といっても「じゃあまとめると営業力って何なのさ?」と言ってくださるそこのアナタ!!

私の負けです。



あえて営業力とは・・・を私なりにまとめようとすると、

“人を動かす力” である。

と答えさせていただきます。(結局カーネギーに立ち返る)

営業の唯一の共通解は、「買い手の意思決定に影響力をもつ」という点だと考えています。

最後に買うと決めるのは相手、それは揺るがない事実です。
そうした意味では、営業活動を通して相手を動かすのが営業にとって一番大切な役割だと言えるのではないでしょうか。

ただし、顧客の状況、人間的なタイプ、参加する利害関係者の方々・・・
これらの変数によって「最適解」が変わるのが営業です。
目の前にいる顧客を「良い方向に」動かすために、今日ご紹介した様々な専門スキルを活かして、顧客の購買に貢献いただけたら幸いです。

以上、私の考える「営業力」はこれで終了です。
皆さまにとっての営業力とは何でしょうか?
考えるきっかけにしていただければ幸いです。

今井晶也(CEREBRIX)

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