人生で後々効いてくる? 軽いケガ

医学では重大ではない骨折とされる肋骨骨折が、実は後遺症になり得るんじゃないか(妄想)というお話です。

肋骨という骨があります。
ここは骨折しても、たくさん折れていて、気胸がなく呼吸状態が悪くない限り、特に問題とされることはなく、その後痛みが治るまで待つということになります。

基本的な話ですが、
胸部は、肋骨が骨組みとなって、内部の肺と心臓を守っています。
肺が収まるスペースを胸腔と言います。

肋骨は普段は動かないように見えますが、
実は肋骨を上に持ち上げる筋肉と下げる筋肉がくっついており、
息を吸うと、上げる筋肉が働いて、胸腔が大きくなり、つられて中の肺も膨らむというシステムになっています。
下記のように、バケツの柄のような構造になっていて、両端を軸に上下に動くことで、中の容積を変えることができるんですよ。

グレイ解剖学
グレイ解剖学

息を吸うメインのパワーは、横隔膜ですが、それを補助するため、肋骨を上下する筋肉は呼吸補助筋と言われています。


パワーズ運動生理学より


歩いているくらいでは、働かず、走りまくった時に、勝手に胸が上下しますよね、これです。

肋骨は細いので意外と骨折しやすいです。先日20代で骨折している人もいました。
肋骨には筋肉がついているので、大体は、ちょっとはズレるんですよね。ほとんどズレていないケースもありますが。

で、特に手術とかでそのズレを補正することはないので、そのままひっつくのを待つわけですが、ズレたままひっつきます。

先述した通り、肋骨は、上下に動くことによって、呼吸を補助しているわけでなので、骨折すると、付着している筋肉に損傷が出たり、バケツの柄の運動が適切にできなくなるのではないかと思っています。
あと、ご老人だと、バキバキに骨折がある場合、胸郭自体が変形してくるんです。
骨折部位が偽関節化(引っ付かないこと)してしまい、骨折したままとなる人もいます。

となると、年齢が進んだ時の呼吸機能に影響が出てくる可能性があると考えます。

ただ、文献を調べてみると、急性(受傷直後)の呼吸機能の障害、いわゆるフレイルチェストは多くヒットしますが、受傷から時間が経った時の呼吸への悪影響について調べている研究はありませんでした。

肋骨骨折のアライメントを正して治癒させる方法とかはないんでしょうか(ズレをなくしてひっつける)
理学療法界隈では、問題となっていないんでしょうかね。
詳しい人教えてください。

肋骨骨折はないに越したことはないと思います。