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【読んだ】発達障害「グレーゾーン」

おすすめ度 ★★★☆☆

発達障害とグレーゾーンとは何か、基本的なことがわかりやすく説明された本。どういう人がターゲットだろうな。

自分がグレーゾーンかもしれない、と悩んでいる人。あるいは家族が、友達が。私のように教養目的で読む人にも良い。
深掘りすると言うよりは、広く浅く正しく知るための入門書という感じ。

発達障害、例えばADHDやASDといった言葉は、認知度が一気に広まっているが、正しく使われていない面もある。
私も色んな本を読んできたけど、正しく理解しているか、自信はない。

そういうグレーゾーンだからこそ、適切なケアが受けられず困難を抱えていたりする。

また、発達障害未満という意味で「コミュ障」「HSP」「感覚過敏」「男性脳・女性脳」「愛着障害」など、医学的に診断されるものではないけど、生きづらさにつながるものについても言及されている。


例えば男性脳・女性脳の話なんかは、脳科学の本では肯定的に、ジェンダー系の本では否定的に書かれている傾向がある(私の知る範囲では)。
この本ではかなり中立的に、正確性を重視して書いていて好感が持てた。
良くも悪くも、私情をあまり挟まず、淡々としているのが良い。

こういうのって、賛否どっちかに振り切るのは簡単だけど、白黒はっきりさせられるほど単純な話じゃないと思ってる。
まさにグレー。
障害の名前を振りかざして謎のセミナーとか情報商材にする系はうんざりする。でも実際にその症状で生きづらさを感じている人はたくさんいるだろうし、そういう人に、適切な支援や治療が受けられるような仕組みが必要だ。
それが今ないから怪しい商売が成り立っているのだと思う。


中立的な知識が広まって、社会の常識がアップデートされればいいんだろうけど、中立的なものって地味なんだよな。

この本も、かなり地味。
だけど、刺激的なものに飛びついて踊らされないためにも、土台になる知識が大事だと思う。


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