見出し画像

【読んだ】読書力

おすすめ度 ★★★☆☆

齋藤孝さんの著書。「声に出して読みたい日本語」などヒット作をいっぱい出しているし、子ども向け著書も多いので優しいイメージがあったけど、結構辛口だった。

読書力の大切さを訴えるのはわかるけど、読書しない若者への嘆きが強すぎて、うーんとなってしまう。

私も読書は好きだし、今年は特にたくさん読んでるけど、「読書せぬもの人にあらず」な勢いでは本を読む気が失せそうだなぁと感じてしまう。
本を読みたくさせるなら、批判よりも楽しみを伝えればいいのに…と思ったけど、あ、だから「声に出して読みたい日本語」とかわかりやすいのをどんどん出してるのね。
アメとムチを使い分けているとしたら、こっちはムチであり、本音なんだろう。

読書の楽しさや効用、読み方の工夫などは面白くて、読み応えがあった。
ぼんやり思ってた読書の大切さを言語化してもらえたような気がする。
巻末にあるおすすめ本もよい。きっと良作なんだろう。スマホにメモしておいたので、ちびちび読んでいきたい。

前に、読書家で有名な為末大さんが、インタビューで
「本をたくさん読んで語彙が増えると、表現やコミュニケーションに役立つ。
例えば陸上の練習中。何かトラブルがあった時も『やばい』『しんどい』しか言えないと正確に伝えられない。語彙が多く使い方を知っていると、状況を正確に言語化できて良い」という旨の話をしていた。

この本でも同様の話が多い。本をたくさん読むと言葉や表現が広がる、世界も広げられる、多様性が身につく。

その通りだと思う。子どもに本を読む子になって欲しい理由がこれだ。

毒づいているとしか思えない著者の強いこだわりをスルーできれば、とても良い本だと思う。
例えば…
読書しない人間に価値がないような物言いや、図書館で本を借りるな、本棚の大きさはこれくらいなきゃダメだ、このラインより簡単な本では読書とは言えない…等々。
危機感を抱くのは良いのですが、頑固一徹すぎやしませんか、と引いてしまった。

この記事が参加している募集

#読書感想文

186,993件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?