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【読んだ】忘れる読書

おすすめ度 ★★★★☆

落合陽一さんが本の読み方を語る本。
有名な人だけど、あんまり読んだことなかった。SNSで炎上しているイメージが強かったけど(偏見強め)、素直に面白かった。

むちゃくちゃ頭のいい人だなーと思う。
教養のバケモノみたいな人が、どんな本をどんな風に読んできたのかを知れるのは興味深かった。
一休宗純や観阿弥世阿弥も読むし、クレヨンしんちゃんの映画も大好き、みたいな幅の広さが凄まじい。


言語化すごい

落合陽一さん読んで圧倒されるのは、言葉の選び方、言語化の巧みさだ。
これだけ脳内をバシッと言葉にできたら気持ちいいだろうなぁ、羨ましいなぁ。
歌が上手い人に「こんだけ声出せたら気持ちいいだろうなー」と思うような感覚。

読書量すごい

そして、子供の頃からの読書量と質がすごい。小学生からニーチェ読んでる。
大量に読むことで、基礎体力というか情報の処理能力が鍛えられるのかな。噛み砕き方、読み解き方もすごい。
私も、本を何冊か読んでボンヤリと点と点が結びついていくような感覚はある。
あぁ、あの時読んだ本のあの辺りと繋がっていそうだなーとか。
引き出しにしまったモノをだして、咀嚼して、またしまって…みたいなことをとんでもないスピードと密度でやっている。

落合陽一さんの本は、難しくて読むのが大変な本もあるみたいだけど、これは難しくないので教養本として楽しく読める。
本人が好きな本や好きなものの話を嬉々として語っていて好感が持てるし、こんな風に本を読めたらいいなと思える。

主張すごい

インスタグラムは現代における茶室なんていう独特の表現も面白い。
「ほう、君のフォトは結構なお手前ですなぁ」「おお、お主のフォトもなかなかの出来栄えよのう」なんて言い合いながら、「いいね」しあっているのだという。確かになぁ、くすくす。

かと思えば、時々辛辣で妥協のない主張もあり、痛快。

とはいえ、本というパッケージになったものなら何を読んでも教養が身につくかといえばもちろんそんな事はありません。残念ながら、世の中には主張のない、言葉の羅列だけという本も存在します。(中略)
そもそも本を読まないと、本を書ける人にはならないでしょう。教養も主張もない人が書く本は、どこまでも空疎です。

ここまで書ききれるのは、自分自身の教養と、生み出している作品に矜持があるからなんだろう。かっこいい。

たまに読むのが良い

こんな感じで、あらゆる角度からすごいので、終始圧倒されながら、感嘆しながら読める。
エジソンとかミケランジェロとか、時代の寵児みたいな天才ってこんな感じなのかもしれない。

連続で読むと、自分の凡庸さに落ち込むことになりそうなので、たまに読むのが良さげ。

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